オレっ娘ヒカルちゃん5話:女性専用車両で幼馴染男子への優越感を感じるヒカルちゃん
ある休みの日、ゆうまとヒカル、そして二人のお母さんたちは、ちょっと遠くの大きなデパートへ電車でお買い物に行くことになった。
家から最寄りの駅まで歩いて、ホームに着くと、ちょうど電車が入ってきた。
平日ではないけど、少し混んでいる時間帯だ。
ヒカルはキョロキョロと車体を見回して――突然、目を輝かせた。
「あった!! 女性専用車両!!」
電車の最後尾に、ピンクのステッカーが貼られた「女性専用車両」の表示。平日朝夕のラッシュ時だけじゃなく、休日も終日設定されている路線だった。
ヒカルは大興奮で母親の袖を引っ張る。
「ねえお母さん! あれに乗ろうよ! また女子だけだよ~!!」
ヒカルの母親は少し困った顔で、「でもゆうまくんも一緒だし……」と小声で言う。
でもヒカルはもう止まらない。
「だって書いてあるもん! 『女性専用車両』って! お母さんと私とで乗れるんだよ! ゆうまとおばさんは普通の車両でいいじゃん!」
ゆうまはちょっと傷ついた顔で「え、僕置いてかれるの……?」と呟く。
ゆうまの母親も苦笑いしながら、
「ヒカルちゃん、それはちょっと悪いわよ。みんな一緒がいいでしょ」
とたしなめる。
だけどヒカルは譲らない。
「だってルールなんだもん! 女の子だけ乗れる特別な車両だよ! 更衣室と同じ! 体前屈と同じ! また女子の勝ち~!!」
ホームのアナウンスが「次発車いたします」と流れる中、ヒカルは母親の手を引っ張って女性専用車両のドアの前に立つ。
結局、大人たちは折れた。
「じゃあ、ゆうまは私と一緒に普通の車両ね。次の駅で合流しましょう」
と、ゆうまの母親が決めた。
電車が動き出すと、ヒカルは女性専用車両の中をキョロキョロ。
座席も比較的空いていて、女性客ばかりで静か。
お姉さんたちが優しく微笑んでくれる。
ヒカルは母親の隣に座って、ガラス越しに隣の車両を覗く。
そこにはゆうまとゆうまのお母さんが立っていて、ゆうまは少し寂しそうにこちらを見ている。
ヒカルはニヤッと笑って、ゆうまに向かって口の形で大きく言った。
「女の子最強!!」
ゆうまはため息をついて目を逸らした。
その日、行きも帰りもヒカルは女性専用車両に乗り続け、ゆうまに自慢しまくった。
「電車まで女子だけって、ほんと女の子って得だよね~! ゆうま、隣の車両揺れた? こっちはすいてて超快適だったよ!」
ゆうまは「もう……ヒカルのバカ……」と呟くけど、どこか諦めたような笑顔になっていた。
お買い物の帰り道、ヒカルは母親に小声で言った。
「ねえ、次はもっと遠くの路線も調べてみようよ。女性専用車両がいっぱいあるところ!」
女の子であることの“特別な有利”を、ヒカルはまた一つ見つけて、ますますご機嫌だった。




