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33話 SAGE

「まず初めに、今世界各地で起きている緊急事態について説明しようと思う――」


 白髪混じりの男が現状について説明し始める。

 要約するとこうだ。

 11月22日、全世界の主要都市近郊にて、巨大地震が発生した。おそらくあの化け物が起こしたものであり、それと同時に多数の化け物が世界各地を襲った。

 各国、迅速な対応により一度鎮静化させるも、不定期に化け物が侵攻を繰り返している状態らしい。

 日本では、東京、横浜など6か所で侵攻を確認済みのようだ。

 その後、横浜にある化け物が作ったとされる穴を偵察部隊が潜入し、戻ってきたことにより各国の代表での話し合いが行われた。

 その話し合いがつい先程終わったため、そこで決まったことなどを共有するために、今ここに集められたみたいだ。


「――と、ここまでが今起きている全てだ。次に、各国との話し合いで決まったことを伝える。まず、各国でバラバラだった敵の名称を統一することとした。

 《Suddenly Appeared Galore Enemy》

 通称、SAGE(セージ)と呼ぶこととする。なお、個体ごとの名称は後々決められる」


 ――sage、賢いって意味だったっけ。皮肉が聞いた名称だな。

 そんなことを考えている間に話がどんどん進んでいく。


「――次が最後だ。これから話す内容は秘匿事項だ。絶対に外部、一般市民には知られないようにしろ」


 そう、威圧感のある声で全員に忠告する。

 内容を聞くと、俺だけではなくここにいる軍人全員が戸惑いを露わにし始めた。

 言ってる内容が理解できなかったか、それとも理解するのを脳が拒否しているのか、1人の軍人がもう一度説明を求めた。


「……皆が戸惑うのもわかる。もう一度説明するから心の準備をしろ。――明日の正午、ここ横浜軍事基地の全勢力を動員し、セージの作った穴へと潜入する」


 再び説明を受けたが、おそらくここにいる大半の人は理解が追いついていないだろう。

 そんな状況を察知したのか、隣にいた伊田大佐が白髪混じりの男へと詳しい説明を求めた。


「一条司令、それでは一般市民の方々はどうするのでしょうか?仮に全滅するようなことになれば一般市民を守る人達がいなくなってしまいます」

「その心配はする必要ない。なぜなら米軍が明日の朝、ここに避難してきている市民を他の場所へ避難させるからだ」

「――!それは、世界が私たちを使って様子見するということでしょうか?」

「……いや、そうではない。余計な不安を煽る可能性があるから言いたくはなかったのだが……仕方あるまい。つい先程、在日米軍が地下深くを無数の生命体が移動しているのを発見した。おそらく数万はくだらない規模だろう。

そして、敵の目的地は――ここ、横浜だ。

到達時間は明日の夕方前後、それまでに一か八か全勢力をもって敵の征討にあたることが米国との話し合いで決定した」


それは、突如告げられるにはあまりにも酷な宣告だった。

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