表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/48

26話 違和感

 眠りから覚めると、時刻は18時を回っていた。

 どうやら6時間以上眠っていたらしい。

 部屋にいるはずの春乃の姿は見えない。どこかへ行っているのだろうか。

 しばらくベットに座っていると、食料と水を持ってきた彼女が部屋に戻ってきた。


「あ、ちょうどいいタイミングで起きた。これ、少し前に配給の放送があったから取りに行ってたんだ〜」

「サンキュー。ちなみに今状況はどんな感じになってるんだ?」

「まだかかってるみたいだよ」

「そうか、まだ終わってないのか……」


 敵は500以上いるのに対して俺たちが出せるCAはこの基地だけで50機前後、近くの基地からも応援が来るとしても数百機も集めるには一苦労するだろう。

 できるだけ被害が少なくなることを願いつつ、俺は春乃の持ってきた配給に手をつける。


 そこから小1時間程だろうか。施設の放送にて、敵の殲滅が完了したという情報が発信された。

 この日はそれ以降、特に大きな変化等も無く、日付けを回る前には明日に備え寝ることにした。


 ――

 ――――

 翌朝。

 昨日寝ている時間が多かったからか、6時には目が覚めてしまった。

 特にこれといってやる事もなく、暇を持て余してしまうため、体力作りも兼ねて早朝のランニングでもしようと決めた。

 春乃を起こさないように部屋を出た後、休憩を挟みつつ1時間半ほど走ると、終わる頃には足は棒のようになっていた。

 部屋に戻り汗を拭こうと歩いていると、偶然廊下の奥からこちらへ向かってくる父さんと鉢合わせした。


「カイか、こんな時間に汗だくで何やってたんだ?」

「ランニングだよ。もしもの時に備えて少しでも体力を作っておいても損はないからな」

「――――」


 普段の俺からは想像できない行動に父さんは目を見開いている。

 ――なんでどいつもこいつも俺のことを怠け者かなんかだと思ってんだよ。……まぁ、つい最近までだらけてはいたけど。

 そんなことを考えていると、父さんは俺に今日の訓練について伝えてくる。


「カイ、今日からお前の訓練は俺がやってやる」

「……え?佐倉大尉じゃないの?」

「佐倉大尉はしばらく……いや、今後お前に指導することはないだろう」

「……なんで?」

「いや、気にするな。俺の方が詳しく説明出来るしな」


 確かに、父さんに教わった方がきちんと指導してくれるだろう。

 佐倉大尉について父さんの言い方に違和感を感じたが、俺が話し始めるよりも先に話を進められてしまう。


「8時からしごいてやる。その階段を降りて左に曲がると保健室があるのは知っているな。そこから先に進んだところにシャワー室があるから汗を流しておけ」


 そう言うと父さんは足早に去っていってしまった。

 いくつか聞きたい事もあったが、また時間が空いている時に聞けばいいと考え、シャワー室へと向かう。

 言われた通りに進んでいると、保健室に差し掛かった。

 そのまま先へ行こうとすると、保健室の中から悲痛な叫び声が聞こえてきた。


「この声は……佐倉大尉?」


 嫌な胸騒ぎがする。

 恐る恐る扉を開けると、ベットの上で大粒の涙を流している彼女がいた。

 ただ、昨日と違っている点が1つあった。

 




 それは、昨日まであったはずの彼女の右腕が消失していることだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ