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24話 KO

「いてて……」


 腫れた頬を押さえながら、佐倉大尉の後をノソノソとついて行く。


「いや〜、彼女結構いいパンチ出すね〜」


 佐倉大尉は笑いながら春乃のパンチについて褒め始めた。


「笑い事じゃないっすよ……」

「あっはは、まぁ廻人君が中々起きてこなかったのが悪いんだよ」


 正論パンチをくらい、ぐうの音も出せずに頬を摩りながら進んでいくと、まずパイロットスーツを着せられた。


「このパイロットスーツはね、自分の体にかかる負担を慣らしてくれる優れものなんだよ!」

「へ〜、こんなんがねぇ……」

「意外と似合ってるじゃん。よし、次行こー!」


 次に案内されたのはハンガーと呼ばれるCAを格納しておく場所だ。その先には、練習場のようなものもある。


「到着。さぁ、早速だけど今日乗るCAへ案内するね」

「え……まさか、いきなり乗せられるんですか!?」

「そうだよ〜。神谷中佐があいつなら大丈夫だろうって言ってたからね〜」


 その言葉を聞き、愕然とする。

 てっきり座学等で操作方法などを教わってから実際に乗り込むものだと思っていた。

 動かせるか、はたまた死にはしないか、と少し先の自分の姿を思い描き緊張が走る。

 コックピットのそばに来た俺は、見覚えのある操縦桿、内装に驚く。


「これ、まんまあのゲームじゃねぇか……」

「お!君もあのゲームやったことあるの!?」

「あ、はい。まぁ1作目だけ……」

「2作目はやってないのか〜。まぁ、ゴミゲーで有名になっちゃったからね〜」


 意外と面白いんだけどな〜、と呟いた彼女の言葉を聞き逃しはしなかった。

 人それぞれ感性は違うのだからあれを面白いと言う人も……いや、あれを面白いと言う人は変人しかいないな。

 下手に掘り下げると話が脱線し続ける気がしたので、彼女の言ったことを聞かなかったことにし、会話を進める。


「これ、操作も全く同じなんですか?」

「うん、そうだよ〜。まぁ、ゲームと違って実際に動かすわけだから、ちょっと大変だけどね」


 コックピットに座ると、先程までの緊張が少し和らいだ気がした。


「じゃあ、早速動かしてみよっか。安心して、私は隣の機体に入って、慣れるまでは通信で教えてあげるから!」


 そう言うと彼女は俺のコックピットを閉じた後、隣の機体へと行ってしまった。

 しばらくして、通信が始まる。


『聞こえる?逃げたりしてない?』

「聞こえてますよ。ここまで来て逃げたりしませんよ。それに、今は少しワクワクしています」

『なら良かった。それじゃあ基本的な動きから教えていくね!』

「はい、お願いします」


 それから基本的な動作のレクチャーが始まった。

 ゲームと違い実際に動かすと体への負担の大きさに驚く。

 しかし、徐々に体が慣れてくる。

 パイロットスーツに感謝しながら動かしていると、小1時間ほどで操作は慣れてしまった。


「思ってたよりもずっと簡単だな……」

『でしょ〜。この操作方法を開発してくれたおかげで新人指導がだいぶ楽になったんだ〜。それにしても廻人君は上達が早いけどね!』


 佐倉大尉に褒められる。彼女の美人さと相まってつい顔がニヤけてしまう。

 カメラがないことに安堵していると、彼女は突然提案をしてきた。


『ここまで上達したなら、私と一つ組み手でもしてみよっか!』

「え!?無理ですって、まだ乗ってから1時間くらいしか――」

『大丈夫、大丈夫。ほら、ボーッとしてるとやられちゃうよ!』


 俺のことなどお構いなしに、ものすごい勢いで彼女の乗っているCAが接近してくる。

 気がつくと彼女のCAの拳が目の前まで迫っていた。

 不意をつかれているような形になってしまい、モロにその攻撃を受けてしまう。

 強い衝撃が俺を襲い、本日2回目のKOを喫してしまった。

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