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物語の導火線

物語の導火線


中世末期――剣と魔法の時代が終わりを告げ、銃と思想が世界を動かし始めた混沌の時代。

そんな中、ひとりの日本人、斉藤祐介は異世界に転生する。

目を覚ましたとき、彼はすでに戦場で命を落とした“ある騎士”の身体を得ていた。名誉も財産も奪われ、死体として打ち捨てられていた存在。それが彼の“スタート地点”だった。


だが祐介には、ひとつの強力なスキルがあった――変身。

他者の姿を真似し、別人として生きられるその力を使い、彼は文字通り「なりたい自分」へと変わっていく。

剣の腕は凡庸、魔法の才能も平凡。

だが、彼には現代日本で鍛えた思考と、積み重ねを恐れない努力があった。


誰にも期待されていない男が、ただ“なるべき自分”を目指して進み続ける。

貴族に成りすまし、情報を操り、影で動き、そして目立たずに力を蓄えていく。


やがて祐介は、時代の裏で進行していた“影の革命運動”に関わるようになる。

王政を終わらせ、民の力で新たな秩序を築こうとする地下の思想家たち。

その理想は眩しく、同時に危うかった。

民衆の自由のためという名目で、混乱や暴力も容認される現実。

「正義」が誰かの犠牲の上に成り立つなら、それは本当に正義なのか?


時代はすでに、何かを決めねばならない分岐点にあった。

祐介はその渦中に投げ込まれた。


彼はこの時代で、どの側につくのか。

革命を支えるのか。王や貴族の側につくのか。

それとも――どちらにも属さず、自分自身の道を切り拓くのか。


何者でもなかった男が、変化の只中で「何者か」になっていく。

それはただの異世界転生ではない。

一人の人間が、歴史を選び取る物語の始まりだった。

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