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もう終わりにしましょう‥‥さようなら‥‥私は父に決められた相手と結婚します

[短編]もう終わりにしましょう‥‥さようなら‥‥私は父に決められた相手と結婚します

作者: 村則



 私は彼のことを愛している。だから、20歳まで(・・・・)にあなたと一緒になりたい、結婚したい。

 彼も同じ気持ちだと思ってたのに……でも、違ったのね……。

 だってあなた……私以外の女性と熱い口付けをかわしてる……私との思い出の場所で……私に告白し、初めて口付けした場所で……よりによって、私の誕生日、20歳の日に……


 もう終わりにしましょう……私は約束通り父の決めた相手と結婚します……さようなら……




◆◆◆

 誕生日前日




「ねぇ、明日は何の日か知ってる?」


「急にどうした。建国祭だろ、それぐらい知ってるよ」


「そうだけど!違う!もっと大切(・・)なこと!!」


「うん?……何だったけな?」

と、惚けた顔で考え出した。


 そんな彼の顔を見ながら幸せを噛み締めていた。だって、今日は久しぶりの彼とカフェでのまったりデート中なのだ。

 彼は昨年から忙しくなり以前のように会う頻度が減ってしまった。

 彼は伯爵邸の庭師見習いから伯爵邸の執事見習いに大抜擢されたのだ。そのおかげで私との休みが合わない日々が続き今に至る。

 だから、明日、私の誕生日に彼がプロポーズしてくれることを期待して聞いてしまった。

 だって、明日が親の決めた期限、20歳になってしまうのだから。

 彼は知っている(・・・・・)。私が20歳までに結婚相手を見つけないと、父の決めた相手と結婚しなければならないことを。

 名前も歳も知らない相手と結婚しなければならないことを。

 そんなのは嫌だと私が15歳の時、田舎から王都へ働きに来た。20歳までに結婚相手を自分で見つけるためだ。父に20歳まで待って欲しいとお願いした。父は渋々許してくれたが、もし自分で見つける事が出来なければ、父の決めた相手と結婚させる約束をして。

 その期限が明日なのだ。


 期待を込め、彼からの言葉を待っていると、

 プルルルッ!彼が所持する携帯通信魔道具が鳴った。

 彼は慌てて魔道具を耳に当て、仕事口調で話した。


「……はい!……はい!……わかりました!……今すぐ駆けつけます」


 今日も邪魔(・・)が入ってしまったようだ。


「ごめん、今からお嬢様の所に行かなきゃならなくなった。また今度な」


 ほら。いつものお嬢様(・・・)


 そして彼は急いで出る準備をした。今日は一日中、彼といる予定だったのに。


「伯爵令嬢様の呼び出しなの」


 私はわかりきったことを聞いた。


「ああ、そうだ。……そんな悲しい顔するなよ。俺だってお前と一緒にいたい。すまんな、仕事だからしょうがない。いつか埋め合わせするから」


 その言葉を残し、彼は立ち去ってしまった。


 そのいつかはいつになるのかしら。明日プロポーズしてくれなければあなたの元から去らなければいけないのに。

 私は後ろ髪を引かれるように彼を見送った。

 結局、彼は答えを出さずにお嬢様の元へ行ってしまった。

 私より仕事を優先する彼。今までは、仕事熱心ですごいなと思っていたが、こうも頻繁に呼ばれるとお嬢様に嫉妬してしまう自分がいる。

 それでも私は彼が大好き。私の中には彼の好きがいっぱい埋め尽くされている。 

 私が初めて王都に到着し、困っている時、助けてくれた彼。田舎者の私に王都での暮らし、美味しいお店を教えてくれた彼。噴水広場で勇気を出し、頬を染めながら私に告白してくれた彼。愛を私に囁いてくれた彼。そんな優しい彼が大好き。

 きっと彼も同じ気持ちだと思う。だから、明日、あの思い出の場所に私は待つことにした。思い出の場所……あの噴水広場で……。

 私は日時を指定し、思い出の場所で会いましょうと彼の家の前に手紙を置いた。

 きっと彼は気づいてくれる。だから、明日、私は思い出の場所に彼が来るまでずっと待とうと決心した。

 これが最後の賭けだと……彼と一緒になるラストチャンスだと。





◆◆◆

 当日、指定の夕刻。


 仕事を早く切り上げ思い出の場所に向かった。周りが暗くなり、カップルが噴水広場に集まり始めた。今日は建国祭で花火が上がる特別な日なのだ。皆んなペアで幸せそうだ。私は一人、そんな幸せそうは人を眺め、ただひたすら彼を待っていた。ときおり花火が打ち上げられ、あたり一体を照らした。その中、私は1人寂しく花火を眺め、独り言を呟いた。

「毎年一緒に見てたのにね……」

 ツーッと涙が頬を伝った。

 あの頃の幸せな時間を思い出し、花火を眺めていた。きっと彼は来てくれる、私に会いに。そしてプロポーズしてくれる。その期待を胸にずっと待ち続けた。でも……彼は、




















 来なかった。




 周りは真っ暗になり、花火もポツポツと打ち上げられ、そろそろ終わりが近づいてきた。もう彼は来てくれないのだと後ろぐらい気持ちで考えていた時、待ちに待った彼の声が聞こえてきた!!

 嬉しさの余り後ろを振り向き、彼の胸に飛び込もうとした……でも彼は……



「もう、花火終わりか!」


「えっ!わたくし楽しみにしてましたのに。あなたが遅いから終わっちゃったじゃない」


 私以外の女性と一緒にいた。暗くて顔は見えないが喋り声が年若い女性だとすぐにわかった。

 私は咄嗟に彼に見つからないように身を隠した。もしかしたら彼じゃないかもと期待し……でも残念ながら彼だった。バァン!バァン!花火の光で彼だとわかってしまったのだ。

 終わりを迎えたと思っていた花火が上がり、噴水広場が明るくなった。彼と彼女は空に咲いた大輪を眺め、私は彼と彼女を見ていた。



「おっ!特大の花火が上がったぞ!」


「わぁー、綺麗!」


「そうだな。でも君の方が綺麗だ」


「もう!恥ずかしいじゃない、あなたの彼女に悪いわ」


 彼を見ると若い女性と腕を組んで密着していた。誰がどう見ても恋人同士だった。


「そんなの気にしないで大丈夫だ。実際君の方が綺麗だし可愛いしな。アイツは田舎臭くて綺麗じゃないし可愛くない」


 そんな風にあなたは思っていたのね。田舎臭くて綺麗じゃない……だなんて……


「ふふっ、ありがとう。あなたに言われてすごく嬉しいわ。でも、彼女のこと悪く言って大丈夫?わたくし心配だわ。もしこの場で彼女に聞かれてたら大変じゃない」


「今頃、仕事してるから鉢合わせはないさ。だから安心してくださいませ」


「もう!敬語なしってさっき言ったでしょ!元通りになってるわよ」


「おお、ごめん。つい……」


 バァン!バァン!花火が上がり、周りが明るくなった。



 まだ、ショックから立ち直れない私は再び衝撃な光景をみてしまった。


 なんと2人は体を密着し、彼と彼女が熱い口付けを交わしていた。それを何度も何度も周りに見せつけるように。

 私が見ているのに彼はまったく気づく様子はなかった。それもそうね。もう2人だけの世界に入ってるんだから。



 ……そうなのね……やっとわかったわ……最初から私は彼に遊ばれていたんだ、私と結婚する気なんてなかったんだ。これが彼の本性だったのね……と、私の心が……ピキン!ヒビが入り、色鮮やかだった彼との思い出が色褪せていった。






 私はその場の雰囲気に我慢できず、2人の元から逃げるように立ち去った。彼をこれ以上嫌いになりたくない……もう、これ以上見たくない。逃げないと私の心は完全に砕けちってしまう……








◆◆◆

 誰もいない路地裏にて……




「……お母さんの言った通りだったわ。王都の男は遊び人だから気をつけろって言われていたのに。ふふっ、まんまとひっかかっちゃったわ……馬鹿な私……彼は初めから私と結婚する気なんてなかった……悔しい、悔しい、悔しい……でもでもでも……好きだったの、愛していたの……彼のことが……う、う、うっ」


 私は人のいない場所まで逃げ込みうずくまって泣いてしまった。声を押し殺し泣いていると……


「おい!嬢ちゃんどうしたんだ!!」


 誰も来ない路地裏だと思っていた。私は驚き顔を上げた。

 そこには先輩が険しい顔で立っていた。

 先輩とは私の働いているギルド職員。元高ランク冒険者であったが怪我が原因で引退した。歳は私より5歳上で元冒険者だけあって身体付きのいい男性だ。いつも、私の仕事を助けてくれる頼れる先輩です。


「先輩……どうしてここに」



「嬢ちゃんが人通りのない所に走っていったから心配で付いて来たんだ……もしかして泣いてるのか?」


 先輩もしゃがみ込み私の顔を覗き込んだ。

「泣いてなんかいません。ちょっと疲れて休んでただけです」

 苦し紛れの嘘を吐いた。

「そんな訳ないだろ。俺だからって騙されると思うな。なぁ、何があったんだ……もしかして嬢ちゃんの彼氏がやったのか!……よし!ぶっ殺すか」 


 先輩は怒りをあらわにした。先輩は確信しているようだ。私を泣かせた原因が彼だと。

 そして、先輩はその元凶に鉄槌を下しに行こうと腰をあげた。だが、足を動かせなかった。なぜなら、先輩の足に私がしがみついたのだ。それも必死に。


「駄目ーっ、先輩が行ったら大変なことになっちゃいます。私は大丈夫ですから行かないで下さい」


 元高ランク冒険者の先輩が彼の元に行ったら一大事になる。彼が大怪我をしてしまう。まだ好きな彼を傷つけて欲しくないと。



「わかった、わかった、行かないから。ふぅー、じゃあ何があったか教えてくれるか」

 先輩は一呼吸し怒りを落ち着かせ優しい口調で語りかけた。

 私は先輩の足を離し、今まであった出来事を話した。


「実は今日、彼と会うために噴水広場で待っていたんです。……でも彼は女性と腕を組んで建国祭の花火を見ていたんです。そして……二人はキスを……」


 二人の熱い口付けを思い出し、最後まで言えなかった。


「もう言わなくていい。無理やり聞いて悪かったな。嬢ちゃんの言いたいことはわかった。はあー、野郎はクズだな、嬢ちゃんを裏切りやがって。今からぶっ殺しに行きたいぐらいだ」


「そ、それはやめてください!」


「冗談だよ。で、嬢ちゃんはこれからどうするんだ?まだ野郎を諦めきれないのか」


「……はい、彼に浮気されていても、まだ好きだし愛してるんです。でも、私と結婚する気がないようですし、彼には好きな子が……だから諦めないと……うっ、う、う」


 涙を堪えている。


「泣きたい時は泣け!俺の胸を貸してやる!おもいっきり泣け!そしたら涙と一緒に嫌な気持ちなんて吹っ飛んじまうからさ。全て俺が受け止めてやるよ!そんなクズ男なんてこっちから捨ててやれ!」


 と、先輩が自分の胸をポンと叩いた。全て受け止めてやると、そして私は泣きながら先輩の胸に飛び込み先輩の胸をおもいっきり叩いた。

 ドス、ドスドスドスドス!


「なんでなんでなんで、私を裏切ったのよーっ!そんなに若い女がいいのかーっ!」


 今までの想いを吐き出すように。

 ドスドスドス!


「悪かったわね綺麗でも可愛くもなくて!もうこっちは20歳よ!悪い!」


 可愛いと言ってくれていたあの頃の彼を忘れるために。


ドス……ドス




「でも、それでも……好きなの……彼のことが好きなの……う、う、うぇ〜〜〜ん、うぇ〜〜ん」



でも、忘れられない……だって彼が好きだから。



 叩くのを止め、先輩の胸の中で泣き出した。まるで子供のように……


そして先輩は、そっと私の頭を優しく撫でた。


 それは、私が泣き止むまでずっと続いた。

 そして……
















「どうだスッキリしたか!」


「……はい、先輩……ありがとうございます……スッキリしました」


 スッキリした顔になった私は本当に彼氏を諦めきれたようだった。涙を流し彼との想い出を全て出し切ったのだ。


「そうか!そりゃあ、良かったぜ!嬢ちゃんに胸は貸すって言ったが、叩かれるとは思わなかったな!ハッハッハ!」


「ご、ごめんなさい。つい叩きたくなっちゃって」

恥ずかしそうに頬を染めた。


「ハッハッハ冗談だよ!あんな攻撃俺には効かねえしな!さぁ、もう遅いから送っていく」



 いつのまにか花火が終わり建国祭が終わっていた。あれから結構な時間が経っていたようだ。



「お言葉に甘えてお願いします。あっ!?」


 何故かすんなりと受け入れられた自分に驚いた。普段は彼を優先に考え、こう言った誘いは断っていたのに。



 そして2人は歩き出した。無言で歩いていると。先輩が意を決し、恥ずかしそうに語り出した。


「俺にとって、嬢ちゃんは可愛いし綺麗だ」


 えっ!こんな歯の浮いたような言葉は絶対言わないはずなのに……あっ!……そうか!先輩は私を励ましてくれてるのね。だって私は彼に……。


「でも、彼が……」


「野郎は嘘つきだ」


私の言葉を遮りその先を言わせなかった。彼を思い出させないように。


「えっ!」


「俺が何度もお嬢ちゃんが可愛く綺麗だと言ってやる」


「そんなの無理です」

 私は俯き悲しそうな顔をした。


「だから、そんな顔をするな」


「ならどんな顔をすればいいんですか」


「嬢ちゃんは笑ってる方がいい」


「……私なんて」


「俺が何度も何度もいってやる!綺麗だし、可愛い、それに最高な女性だってな!だから笑ってくれ」


 不敬にも先輩が一生懸命励ましてる姿がおもしろく見え、私は小さく笑ってしまった。


「ふふっ、ありがとうがとうございます」

 自然とそんな言葉が出た。


「そう!その顔だ!ハッハッハ!」



「ふふっ、先輩は優しいですね。私がギルドに勤めてから何度も先輩に助けられてきましたしたね。今日だって先輩が助けてくれたから、今笑っていられるんです。おかげで自信が持てた気がします。ありがとうございます……何だか先輩のおかげで吹っ切れました。私実家に帰ってお父さんの選んだ相手と結婚します。もう期限の20歳になりましたし!先輩、今までありがとうございました。明日ギルドを辞めます。またここに戻って来れるかわからないけどギルドの仲間や冒険者の皆様を絶対忘れません」


 もう戻って来れないだろう。きっと結婚したら田舎暮らしになるのだから。


「そ、そうか!役に立ててよかったぜ!やっぱ嬢ちゃんは笑った方がいいな!……よし!俺は決めた(・・・)ぞ!」


「何を決めたんですか?」



「もう、我慢するのをやめる!」



「はい?」


「ハッハッハ!気になるか?でも嬢ちゃんには内緒だ!」


 何かを決心したような顔付きだった。



「気になるじゃないですか!教えて下さい!あっ!……もう着いちゃいましたね……」


 もっと先輩と話していたかったのに寮に着いてしまった。


「今日はありがとうございました」


 頭を深々下げた。先輩には感謝しても感謝しきれない程の恩ができてしまったのだから。


「おう!また俺の胸が必要になったら呼びな!」


 先輩は優しい顔をしながら頭を撫でてくれた……温かい……でも、


「ちょっ、恥ずかしいです」


「悪りぃ!ついさっきの癖でやっちまったな。特に嬢ちゃんにはやりたくなっちまうんだ。じゃあ、またな」


「はい、お気をつけて」



 私は先輩の帰って行く後ろ姿を見ながら撫でられた頭を名残り惜しむかのように自分の頭にそっと手を乗せた。先輩の残った温もりを感じるために……。


 そして先輩は急に後ろを振り向き、私に大きく手を振りながら後ろ向きで帰っていった……途中で柱にぶつかりながら……


「うふふ」


 あんなに格好よかった先輩がおかしく笑ってしまった。先輩の意外な一面を見て私は彼に傷つけられた心が修復されていくような気がした。


 もうこれ以上心の傷が広がることはないだろう……頼もしい先輩のおかげで。



◆◆◆

 あれから3日後……早朝の王都、門番前にて


早朝、彼の家の前に別れの手紙を置き、私は王都の門を抜けた。王都に向かって頭を下げ、別れを告げた。嬉しいこと、悲しいことがあったけど、王都に来れてよかったと思っている。彼とは結局結ばれなかった。でも、悲しい気持ちはない。


『ふふっ、先輩のおかげね。また、会えたらいいな……』


 先輩は私がギルドを辞めるまで仕事を休んでいた。きっと、『先輩の決めた』に関係しているのだろう。


 先輩に最後の別れの挨拶をしたかった。仕事仲間で一番よくしてくれたのが先輩だったから。先輩は私が荒くれ冒険者に執拗に絡まれると毎回、対処してくれた……私を褒める時は私の頭を撫でてくれた……もう、あの大きな手で撫でられないと、思うと寂しい気持ちになり、胸が急に苦しくなった。また先輩に会いたい……彼より先輩に。

 でも、私は父の決めた相手と結婚しなければいけない。きっと、もう王都には戻れない……最後に先輩に会いたかったな……










と、思っていると、


「よっ!嬢ちゃん!」


 そこには私の会いたかった先輩がいた!

 横には大きな荷物が置かれ、長旅をするような装いをしていた。まるで誰かと待ち合わせをしているみたいに。


「せ、先輩どうしてここに!?……でも、よかった。これで先輩に別れの挨拶が出来ます。先輩、今まで、あり……」


「待て待て待て!!別れの言葉なんていらん!」


「うん?」

なんだか様子がおかしい。


「……だから、別れなんていらないんだよ!俺も嬢ちゃんの故郷に用事があるんだ。そこに俺の師匠がいるんだ」


「はい?師匠?そんな人いたかしら?」


「手紙のやり取りはしてたが15年ぶりに会いに行くんだ。だから、たまたま嬢ちゃんと同じ場所に行くんだよ。だから別れはまだしなくていいんだ」


 何だか嘘っぽい。だって先輩の目が泳いでるんだもん。

「本当ですか!?」


「お、お、おう。本当だ!それに嬢ちゃんが故郷に帰るの知ってたからな。ついでに嬢ちゃんと一緒に行こうと思ってな。女性の一人旅は危険だろ?」


「それはそうですが……それより仕事はいいんですか!」


「あぁ、有給たまってたからな、長期休暇貰ったんだ。それにやらなきゃいけない事が出来たからな」


「それって先輩が決めたことですか?」


「おぅ!そうよ!だから早く行こぜ!今日は一つ山を越えなきゃならないんだからな」

 と、先輩が私の荷物を軽々持ってくれた。


 何だかわからないけど先輩と一緒にいられることが嬉しかった。さっきまで苦しかった胸は、先輩と会い、いつのまにか胸の苦しさがなくなっていた。 


 『ああ、そうか……きっと……私……先輩のことが……』



















 これから二人の旅が始まる。まだ二人はお互い好意を寄せていることに気づいていない。

 でも二人は故郷に着くまでには結ばれているだろう。

 もし、結ばれてなくても二人は結婚する。

なぜなら……























『故郷に着くまでに好きになって貰わなきゃな……なんたって嬢ちゃんの結婚相手、俺なんだよ』




 彼が父に決められた結婚相手なのだから。






〈終わり〉











◆◆◆


追加情報! 


この短編は主人公目線のなのでざまぁは書きませんでした。が!二人が故郷に着く頃には、元彼と若い女性はざまぁされてます。特に若い女性が!

 

 


主人公の父情報


 主人公の父も元冒険者、先輩の師匠。主人公がギルドで働いていたのは父の推薦で入りました。

主人公は働き口をちゃんと決めて王都に来ました。




先輩情報


 主人公の父から娘を頼むと手紙を出していた。あとお前の結婚相手だと。もし気にいらなければ断ってもいい。


 先輩は師匠の言われた通り彼女を陰ながら見守っていた。しだいに彼女を好きになってしまう。

だが、彼女には慕っている彼がいた。だから身を引く決意をする。彼女の幸せのため。







読んで下さりありがとうございます。

【☆☆☆☆☆】を押して応援して頂けるとモチベーションが上がり嬉しいです( ◠‿◠ )執筆の励みになりますのでよろしくお願い致します。



評価してくださった方々ありがとうございますm(_ _)m

モチベーションが上がりましたら、元彼と若い女性のざまぁ。主人公と先輩のその後を新たに投稿したいと思います。


沢山の誤字を修正していただきありがとうございますm(_ _)m

とても助かります。


追加情報!!

評価してくださった方々誠にありがとうございます

m(_ _)m

モチベーションが上がりましたのでザマァされる二人を投稿します。仕事が落ち着きましたら書きたいと思います。お待ち下さいませ。

モチベーションがカンストしましたら二人のその後も追加致します!では\(^-^ )ここまで読んでいただきありがとございました。



※あと少しでカンストします。


追加情報!元彼目線、新たに投稿しました!

追加情報!その後メリッサ視点を新たに投稿しました!


追加情報!その後ガンプ目線を投稿しました!



評価をして下さった方々ありがとうございました

m(_ _)mおかげさまでモチベーションがカンストを超え大爆発しました!!

なので、その後主人公視点を投稿しました!本当はお嬢様ざまぁ編を投稿しようと思っていたのですが、変更しました。

次回は先輩目線➕故郷到着編

最後にお嬢様ざまぁ編を投稿したいと思います!


残り二本の投稿までお待ちくださいませ。


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