七夕伝説『お花畑』劇場~ふたりはらぶらぶ~
そのカップルは仕事を忘れて終日イチャイチャした為に天帝から処罰を受けた。
「お前らいい加減にせいよ?仕事もせずにいちゃつきおってからに!よって今後、ふたりが会えるのは1年に1日だけとする。あーっ、SNSやメールも駄目だからな!」
その罰に対して男は問い掛けた。
「電話はしてもいいのですか?」
「だめ」
「紙の手紙のやり取りは?」
「それも駄目」
「手旗信号や狼煙は?」
「お前ら14.4光年離れているのに見えるのか?」
「天帝様、それを言っちゃうと電話だって届くのに片道14.4年掛かっちゃいますよ?」
「屁理屈を言うな!文句ばかり言っていると会える間隔を4年に1回にするぞ!」
さて、現実的な距離はこの際無視してその後ふたりはどうなったかというと、実は開き直って333日一緒にいるようになった。
但しこれはふたりの間だけの時間感覚だ。そう、ふたりは脳の処理速度を333倍にする事によってふたり『だけ』の間では1日を333日に濃縮したのだ。
だがこの方法は脳に凄まじい負荷を掛ける。
なのでふたりとも逢瀬の後は泥のように363日間眠った。そして目覚めた時は次の逢瀬の前日となっていた。
そう、愛とはどんな障害さえ乗り越えるのだ!
この方法をSFでは時間伸長と冷凍睡眠と呼ぶ。便利でしょ?この方法ならば未来へだって行けちゃうぜっ!
まっ、浦島太郎状態になるだろうけどねっ!