0話➤とある国の一大事
「父上、このままでは我が国の騎士団が……」
「……わかっておる」
城に設営された救護室を訪れた国王は、次々と運び込まれてくる負傷した騎士たちが、王家治癒師による治療を受けている様子を目の当たりにしていた。
「国王陛下、急ぎご報告が」
国王の姿を見つけた魔導師が駆け寄り、息を切らしながら膝を突いた。
「申してみよ」
「はっ。預言者の報告によりますと、女神のご加護を与えし者の召喚が執り行えそうとのことです」
「おぉ!それは善き知らせだ」
「治癒師様の負担もこれで和らぎますね、父上」
「あぁ。王家に仕える、たった1人の治癒師殿にはかなりの負担をかけていたからな」
永きに渡る戦いの最中、国中の治癒師が城に呼び集められ負傷した騎士たちの手当てに携わった。しかし、魔力の枯渇により多くの治癒師たちが治癒能力を失い、今では1人の治癒師が対応する事態となっていた。
「して、召喚の準備はどこまで進んでおるのだ?」
「はっ。現在、我々魔導師による魔法陣を張っているところですので、もう間もなくかと」
「あいわかった。私たちも力を貸そう」
「ありがとうございます」
国王と王太子は、魔導師に続き救護室を後にした。
召喚されし者に託された国の運命は如何に……。
これは、異世界に召喚された主人公と、その者を取り巻く人たちが繰り広げる異世界日常譚である。
虎娘、新連載『異世界ナ~ス』を読んで下さりありがとうございます
(。´•ω•)。´_ _)) ペコリ
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