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スグバクハ研究所の戦い

作者: キリン

「やぁみんな! 僕の名前はヘッポコ! この『スグバクハ研究所』で働いている、未来のノーベル科学者さ!」

「誰に話しかけとるんじゃ? 研究のし過ぎで頭まで爆発したのかのぅ」


 こいつ……げふんげふん。この人はパクリスペクト博士! 子供の頃から頭が良い天才らしいけど、発明する物が全部オマージュというかリスペクトというか、もうパクッてるんだよね! 完全に!


「博士! ボケる前にこの研究所を辞めさせてください!」

「何故じゃヘッポコ!? お前の生活費を誰が出してると思っとるんじゃ!? それにお前はワシに教えを乞うたじゃないか……まだワシは、氷山の一角しかお前に授けておらん!」

「そうですねぇ。雑巾掛けと整理整頓だったら家政婦にも負けないぐらいには成長したよこのクソジジイッ!」

「泣き言をいうんじゃない! 全てはワシの発明の為、そしてお主のような金の卵をぶっつぶすためなのじゃ!」

「テメェここで息の根止めてやろうか⁉」


 という訳で、今日も僕とクソ博士(親のすねかじり)の戦いは始まる。僕の片手にはバールが一本、もう片方には辞表が詰められた封筒。対して博士は火炎放射器と、学生の頃に買ったらしいマジもんの刀である。大人げないという感想よりも子供部屋おじさんという単語が頭に出てくる。


「食らえ、博士BBQッッ!」


 火が勢い良く突っ込んでくる。いつも通りにガラクタの山に隠れ、とにかく辞表が燃えないように気を付ける。ていうかこれ普通に労働基準法に反している気がする、ってかしている、相談もした、苦笑いで追い払われた、許すまじ。


 さて、そろそろ今月分のガスを使い果たしただろう。博士の不満そうな声が聞こえてきたところで、僕の神エイムが光るのである……くらえいっ、バール・ガン!!


「アーッ!! ワシの刀がっ、在りし日の諭吉三枚がぁああああああっ!」

「――隙ありっ!」


 この時を、待っていた! 辞表一枚を握りしめ、ガラクタを掻い潜りながら一気に近づく! ああ、長かった……毎日雑用、雑用、雑用! 教えられることは全部洗濯機やら難しい家電製品の使い方だけだった。っていうかそもそもこいつは研究をしてなかった! クソッタレ!


「辞めさせて、いただきますっ! ――しねぇっ!」

「みぞおおちいいいいいいい」


 見事、積年の恨みも込めてドロップキック! 突き刺さった辞表をどうにかすることもできず、博士は気絶してしまった。こうなってしまえばこっちの物……荷物をさっさとまとめ上げ、実家に帰れば勝ちである。


「じゃあなクソジジイ! 安心しろ……お前がネカマだと言う事だけは黙っててやるよ!」


 はーっはっはっはっ! そんな俺の耳に入ってきたのは、カチっという音である。――見るとそこには、真っ赤なボタンがあるではないか。いやな予感、そこにはこう書いてあった……!


 ――『これ押したら爆発するから気を付けてね』


 ざっけんなよクソジジイがァアアアアアアアアあああ! 俺の叫び声は虚空に消え、ひっそりとした森の中で、火柱と共に天に昇って行った……。




三日目ですね、キリンでございます。

今の所投稿した二作品はどちらもランキングに乗っているため……ああ、嬉しい限りです。

長編作品完結させなきゃなぁ(涙)

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