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ネズミーのキセキ

作者: 聡子

 都会から遠く遠く離れた山の麓にポツンとある集落にだけ伝わる噂がありました。

 たくさんの山と谷を越え、人里離れた深い深い森の中。聞こえてくるのは、小川のせせらぎと、小鳥や草花たちの歌う声。人の気配など全く感じさせ無いそんな場所に、なぜか小さな小さな病院が建てられているそうです。そこは白い髭が特徴の仙人のような、サンタクロースのようなおじいさんが住んでいると言われています。だけど、彼はただのおじいさんではありません。どんなに難しい病気もたちまち治してしまう、魔法のような腕を持つお医者さんでした。

 しかし、誰もこの病院を見つけることも、尋ねることもできませんでした。なぜなら、人が入ってこれないような獣道を進まなければ、この山奥の病院にたどり着けないから。勇気のある人たちが昔、その病院を求めて山に入りました。けれどもみんな森の中で迷ってしまって、家に帰ってくることすらできなかったのです。

 だから、いつしかこのお医者さんの存在は、都会から遠く遠く離れた山の麓にポツンとある集落にだけ噂される、伝説のものとなっていました。


*****


 東京に住むあかねちゃんは、9歳になったばかりの女の子。2歳の時にたいへん難しい病気にかかってしまい、それ以来病院の外の世界を知らずに成長しました。

 『10歳を迎えることは難しいでしょう…』

 大きな病院の先生にそういわれたあかねちゃんのママは、大変悲しみました。

 だって、あかねちゃんは、土の上を走ることも、海の中を泳ぐことも、星空の下で寝転ぶことも知らずに後一年でお空に行ってしまうと告げられたから。ママはあかねちゃんの寿命を信じたくありませんでした。

 だから、あかねちゃんを何とか助けたくて、全国各地、北へ南へ、東へ西へ。毎日毎日より効くお薬を、より腕の良いお医者さんを探し求め、日々飛び回っていました。だけどどこの病院の先生も首を縦に振ることはありませんでした。それだけ、あかねちゃんの病気はたいへん難しいものだったのです。

 そんな時でした。人里離れた場所にポツンとあった小さな小さな集落で、ママが白い髭が目印のあの伝説お医者さんの噂を耳にしたのは。あかねちゃんのママはもう藁にも縋る思いで、何とかしてこのお医者さんに会いたいと、集落に住む人たちに聞いてまわります。

 「どうすれば、その病院へ行くことができますか?」

 その答えを知っていたのは、集落で一番の長老のおばあさんでした。

 「一番大切にしているぬいぐるみに、そこに湧きでている〝いのちのみず〟を飲ませなさい」そう言って、おばあさんは集落の奥に奉られている湧き水のところまでママを案内してくれました。「大切にされているぬいぐるみにきっと魂の宿り、お医者さんの元へ導いてくれるでしょう」


*****


 あかねちゃんのママはこの湧水を持ってきた水筒に大切に汲み入れて、家に帰った後早速この話をパパに伝えました。あかねちゃんの病気を治すことのできるお医者さんに会うことができるかもしれないからです。

 「〝いのちのみず〟はここにあるの!ぬいぐるみを持って、あかねちゃんを連れて、パパも一緒にあの集落へ向かいましょう?」

 ママの話を全て聞き終えた後、パパはママをぎゅっと抱きしめ、優しく頭を撫でます。

 「明日お医者さんにきいてみるね。一日だけあかねを外に連れて行っていいかどうか」

 「本当に!?」

 ママは嬉しくなりました。だけど、パパはこう続けます。

 「昔、皆で行ったネズミーランドを覚えているかい?最後に家族皆でもう一度行こう?」

 〝いのちのみず〟や〝ぬいぐるみが…〟など、現実として受け入れがたい話をするママ。パパはママの心がたいへん疲れていると思っていたのでした。だからあかねちゃんがお空に行ってしまう前に、最後にもう一度だけ家族水入らずで楽しい思い出を作ろうと考えたのです。だけど、ママは信じてくれないパパが悲しくなりました。なんで嘘だと、なんでネズミーランドに家族で行く機会が最後になるのだろう、と決めつけるのか。ちゃんと病気を治しあげて、あかねちゃんとこれからもずっとママは一緒に笑いあいたいのです。


 - しょうがないわ。ママ一人であかねちゃんを助けよう!


 パパとの会話でママは決めました。もうパパの手助けなんか必要ない。ママが一人であかねちゃんを伝説のお医者さんのもとへ連れて行ってあげよう、と。

 そして、パパの言葉で思い出したことがあります。昔、家族皆で遊びに行ったネズミーランド。そこで記念に買ったネズミーのぬいぐるみを、家族みんなで大事にしていました。だけど、あかねちゃんが病気になってからというもの、今そのネズミーはあかねちゃんの病室で、あかねちゃんとずっと一緒に過ごしているのです。

 だから、〝一番大切にしているぬいぐるみ〟はきっとネズミーのことだ。ママは確かな確信を持ちました。

 

*****


 パパの仕事の見送りをした後、ママは病院へと向かい、ベットの上で寝ているあかねちゃんに説明します。

 「ネズミーに会いたいって人がいるから、きょう一日だけママにネズミーを貸してくれない?」

 あかねちゃんはたいへんおもい病気なのです。だからすぐに外出許可が出ないと思ったママは、先にネズミーと二人だけで、森の奥のお医者さんに会いに行こうと考えていました。だけど、あかねちゃんは力無く首を横に振ります。

 「やだ…」

 あかねちゃんは何年も病院の外の世界を知りません。小学校に行ったこともないのです。だからあかねちゃんにとってネズミーは唯一の友達。片時も離れたくなかったのです。

 ママもそんなあかねちゃんの気持ちはよ~く理解できます。だけど、お医者さんのもとに行くには、大事にされているぬいぐるみが必要。どうしようかと悩んでいるとき、あかねちゃんは驚くことを口にしました。

 「きのうね、ネズミーがおしえてくれたの…」

 「ネズミーが?」ママは首を横にかしげます。

 「ママはおいしゃさんにあいにいくんでしょ?あかねもいっしょにいきたい…」

 ママは目を丸くしてあかねちゃんをみつめます。その話はあかねちゃんには伏せていたから、なぜ知っているのか驚きを隠せません。

 「ネズミーがつれていってくれるっていってるの。でも、おみずがひつようだって…」

 ママは悩みましたが、あかねちゃんに隠しとおせないと思い正直に話しました。

 「お水なら、水筒に入ってるの…。でも、遠い場所だからどうしましょう…」

 するとあかねちゃんはネズミーとコソコソ話を始めました。ママには二人の会話は聞こえません。だから優しくあかねちゃんの頭を撫でて二人の会話が終わるのを静かに見つめながら待っていました。

 「ママ!ネズミーが〝おそらのみち〟をとんでつれていくって!よる12じにおみずをのませてっていってるよ!」

 ママは悩みました。でも、こんなあかねちゃんの満面の笑みなんて久しぶりです。例えあかねちゃんの作り話だとしても、なんとか叶えてあげたいと思いました。

 「分かったわ。今日はママも病院にお泊まりする。ネズミーに一緒に連れて行ってもらいましょう」


*****


 その日、ママは病院での泊まり込みの許可をお医者さんにもらいました。

 久しぶりにママと過ごす病院の夜。あかねちゃんはなかなか寝付けません。「早く寝なさい」と言ってもあかねちゃんはママにべったり。いろんなことをママに話したくて、伝えたくてしょうがなかったのです。晩御飯の時間も、お休み前の点滴の時間もずっとず~っとママの側から離れず、たくさんたくさんお喋りしていました。


 「もう消灯しますよ~」

 看護師さんの声にあかねちゃんは目をぎゅっとつぶります。ママもあかねちゃんのベットの横に簡易ベットを広げて横になります。


 「ママ、ちゃんとあかねをおこしてね!あかねもネズミーとせんせいにあいにいくんだから!」

 「もちろんよ。だから今はゆっくりおやすみなさい」


 あかねちゃんの寝息が聞こえ、ホッとしたママは、目をつぶることはせず、ずっとある考えで頭がいっぱいでした。

 「なぜ、あかねは〝いのちのみず〟のことを知っていたのかしら?それに、病室でネズミーにお水をあげて、どうやって山奥の病院まで向かうというのかしら…??」

 なぜならここ東京からあの集落のおばあさんのもとまでは、かなりの距離があるからです。ママは念のため車を病院の駐車場に待機させていますが、夜中にこの大きな病院を抜け出すことが果たしてできるのか理解しかねていました。

 だから、ずっとずーっと悩んでいて、最初の看護師さんの見回りの時も、二回目の時も。携帯から12時5分前を告げるアラームが鳴り始めるまで、ついに眠りにつくことはありませんでした。


*****


 「あかね…。あかねちゃん…??」ママはあかねちゃんに話しかけます。でもぐっすりと夢の中。しょうがありません。だってまだ9歳なのですから。起こしてしまうのも可哀そうになってしまったママはゆっくりと、そっとあかねちゃんの腕の中からネズミーを取り出します。

 おててが少し黒く汚れて、左足からわずかにほつれた糸が見え隠れしている、あかねちゃんのお顔より少し大きいネズミー。こんなに軽かったかしら?と不思議な気持ちになりました。携帯画面に光る時間を確認するママ。もうすぐ12時です。鞄から水筒を取り出しました。

 ママは自分でも馬鹿だな、一体何をしているのかしら?と、ふと我に返り、今自分のしようとしている行いに笑ってしまいそうになります。

 だけど…。あかねちゃんが治る可能性が一ミリでもあるのなら…。わずかな願いを込めてお水をそっとネズミーの口元へと送ります……。


 「??」

 

 映画やドラマのように光り輝くといった演出や、素敵なメロディーが流れてくる、なんてことはありませんでした。


 「やっぱり、だめだったのか…」

 ママの目からずっとずっと溜めていた涙が今にもあふれでそうになりました。あかねちゃんが病気になってからというもの、ずっとずーっと流すことを我慢していたママの涙。でも、最後の頼みさえも砕けてしまいそうな今、目元に力が入らなくなり、涙が溢れてしまいそうに………………。


 「ママ!ママ!!」


 どこからか声がしました。低いような、高いような、女の子のような、男の子のような不思議な声。「ボクだよ!さ、せんせいのもとまであんないしてあげる!」

 ママは急に聞こえてくる大きな声にネズミーをぎゅっと抱きしめて、暗い病室の中をぐるりと見渡します。

 「だ、だれ?」

 「いたい!いたいよママ!!」バタバタとふわふわしたものが胸の中で暴れだしました。

 「きゃあ!!」

 「ボクだよ。ネズミー!」

 バタバタとママの腕の中で動いているのは、ぬいぐるみのネズミーでした。その表情は長年知ってるネズミーの無表情のままなはずなのに、なぜだか笑っているように見えます。

 「ホ、ホンモノ…??」

 ママはネズミーを自分の顔の高さまで持ち上げます。ふわふわの感触。てのひらの汚れ。足元の糸のほつれ。いつもあかねちゃんと寝ているネズミーそのもの。

 「ネ、ネズミー!!!わ~!!本当に動いている!きゃ~!!!」

 ママはあかねちゃんを起こさないように小声で歓喜の声を上げました。なのに、「じゃじゃーん!ようやくうごけるようになった!わーい!わーい!!」なんてネズミーがより大きな声で騒ぐものだから、今度はあかねちゃんが目を覚ましてしまいまったのです。

 「え!ネズミー??ほんとうに??やった!やった!ゆめがかなった!!!」

 動くネズミーをみて喜ぶあかねちゃんにママは少し微笑みました。けれど、同時にある疑問が浮かびました。

 「ゆ…め…??」

 ママはあかねちゃんに今まで、何度も何度もことあるごとに、何かしたいことがないのか、何か欲しいものがないのか、など聞いてきました。残り僅かな人生を少しでも楽しませてあげたかったからです。けれども一度もあかねちゃんはママに何も自分のわがままを伝えることはありませんでした。

 『ネズミーがなんでもかなえてくれるの。だから、ネズミーがいるならそれでいい』

 だからママは今少し不思議な気持ち。ずっと暗くて辛い未来しか想像していないのかと思っていたあかねちゃんにも、本当は夢あったのだと知ったからです。嬉しくなりました。

 「そうなの!ネズミーとやくそくしてたの。いつかちゃんとおはなししましょう、って」

 「あかねちゃん!ボク、ちゃんとおねがいかなえたでしょ?ほめてほめて!」

 二人はきゃっきゃとお互い抱きしめあって喜んでします。

 「し〜っ」

 でも、ママは二人のそんな様子が微笑ましくもあり、気が気でもなりません。だっていつ看護師さんが3回目の見回りに来るかわからなかったから。こんな姿を見られたら発狂されてしまうかもしれません。

 「ママ、だいじょうぶだよ」

 ネズミーは無表情のままそう答えます。けれども、ママにはなぜか心なしかネズミーがウインクしてそう言っているようにみえました。

 「でも、いったいどうやってここからお医者さんのところまで行くの?」

 なるようになるか、と諦めたママは最大の疑問をネズミーにぶつけます。

 「そらをとんでいくんだよ」

 ネズミーはそう言って、窓の外の真っ暗なお空を指さします。

 「おそらをとぶの!?」

 あかねちゃんはニコニコしています。

 「そうだよ!」

 そう言ってネズミーはポンポンポンと3回あかねちゃんのあたまを優しく叩きます。すると一体どういうことでしょう。あかねちゃんのからだは銀色に光り輝くベールに包まれました。そして、ネズミーは今度はママにも同じようにポンポンポンと3回優しく頭を叩きます。ママの体も同じように銀色のベールに包まれました。同時に何か温かいものを感じます。

 「ほら、とびはねてみて!」

 ネズミーの声にママとあかねちゃんは、せーのでその場をジャンプしてみました。

 「「わ〜!!!!」」

 体がフワフワと宙に浮いたまま落ちることはありません。病室の中を元気に飛び回るあかねちゃん。どうやら、病気で体力のないあかねちゃんでも、空は簡単に飛びこなせるようです。

 「よし!じゃあさっそくむかおう!あかねちゃん!ママ!ついてきて!!」

 ガラリと病室の窓を開けます。怖さなんてありませんでした。3人はただただ空を飛ぶ楽しさを胸に、元気よく窓から真っ暗な暗闇へと飛び出して行きました。


*****


 「もっとうえにいこう!」

 真っ暗闇の中、ママとあかねちゃんは手を繋いでネズミーの後ろについていき、上へ上へと飛んでいきます。

 「もう、いいよ!ほら、したをみてごらん」

 お空は真っ暗。だけど、地上を見下ろすとびっくりしました。たくさんの車やお家のカラフルな明かりでとても美しい光景が広がっていました。

 「わぁ、すごくキレイ」

 ため息と共にママはそう言葉を漏らしました。光り輝く街の風景も綺麗ですが、優しくほほを撫でてくれる風もとても心地よいものです。

 「ママ、ホンモノはとてもきれいだね!」

 あかねちゃんはもう何年も病院の外へでたことがありません。だから、ずっと病室の中で本や図鑑を読んで、外の景色を想像することしかできませんでした。けれども今夜は、写真や絵ではない〝ホンモノ〟の外の景色が目の前にあるのです。大興奮しているあかねちゃんをみて、ママは自分も嬉しくなって、優しく頭を撫でてあげました。

 時々赤く光る輝き。あかねちゃんはそれをみて、「パトカーかな?消防車かな?」と、絵本の世界でしか見たことのない車ではないかと、ワクワクしています。

 「あかねちゃん、ママ!すこしとおまわりしようよ!」

 そんな風にはしゃいでいるあかねちゃんをみて、ネズミーは向かう進路を変えました。あのポツンとした集落は南西方向です。けれども、ネズミーは南へ向かいます。

 - いったいどこに行くのかしら?

 ママは疑問に思いましたが、ネズミーを疑うことはありません。あかねちゃんの手をぎゅっと強く握りしめなおして、ネズミーの後を追いかけます。


 南へ、南へ。30分程飛んだ時、独特な潮の匂いが鼻をかすめました。ママはどこに向かっているのかすぐに理解できました。でも、あかねちゃんは分かりません。初めて嗅いだこの匂いに眉毛をしかめ、「ママ…」と不安げな声をこぼします。

 「こわくないよ、こっちだよ」

 そう言ってネズミーはあかねちゃんに手を振って、側に来るように呼びかけます。でも、ママの腕をぎゅっと抱きしめ、あかねちゃんはネズミーのそばに行くことはありません。

 住宅街から山を一つ越えたここは、ただただ真っ暗な景色が広がる闇だったからです。分厚い雲に覆われてしまって、星も月も何もなく、ただぼんやりとだけ、3人の銀色のベールの輝きしか見えないのです。

 「ネズミー…こわい…」

 あかねちゃんの声は震えています。ママはあかねちゃんの不安をぬぐい払うようにふわりと優しく包み込んであげました。だってこの場所を理解しているママでさえ、こんなにも真っ暗な場所にはさすがに恐怖を覚えます。大人でもこんなに怖いのだから、何も分からないまだ9歳のあかねちゃんが、より一層恐怖を感じるなんて当たり前のことです。

 「よし、わかった!」

 ネズミーは一人何かを決意して、二人のもう少し上の分厚い雲の方へと飛び上がって行きます。

 「ふぅ~。ふぅ〜」

 どうやら、何度も何度も息を吐いているようです。

 「「わぁ~」」

 二人は感心しました。だって、ネズミーの吐いた息で空を覆っていた、あんなにも分厚い雲が追っ払われてしまったからです!するとどうでしょう?今度は晴れた空の上に、まん丸なカタチの黄色に温かく光る満月が顔を出してくれました。お月様が下の景色を優しく照られてくれます。

 「わぁ!ママ!ここってもしかして、うみ?」

 そうです。3人は海の上を飛んでいたのです。初めて見る海にあかねちゃんは手を叩いて喜びます。

 「おっきいなぁ〜」

 初めてみる壮大な景色。でも、驚くのはまだ早いです。ネズミーは今度は何かを歌いだしました。それは、ママも初めて聞く曲。でも、知らない曲なのにも関わらず、心がじんわりと温かくなって、楽しい気分になって、ついつい笑顔になってしまう不思議な曲。

 「ママ!ママ!みて!」

 あかねちゃんはママの腕をちょんちょんと引っ張って海の下を指さします。

 「まぁ!かわいい!」

 なんとたくさんのイルカちゃんたちが、ぴょんぴょんと海を飛び跳ねて、ネズミーの曲に合わせて踊っているのです。あら、少し遠くではクジラさんが海の水を高くあげて、あかねちゃんやママたちを歓迎しています。

 「イルカさ~ん!!クジラさ〜ん!!」

 あかねちゃんも負けじと手を振りかえします。あまりにも夢のような奇跡的な光景にママはもう、言葉を失ってしまいました。

 「ネズミー!いっぱいいっぱいありがとう!!!」

 あかねちゃんの感謝の声に、ママはコクコクと首を振って同調することしかできません。

 ネズミーはニコニコと微笑んでこちらを見ているみたい。ママとあかねちゃんは二人仲良くネズミーの元へと飛んでいき、そっと優しく包み込みました。ありがとう、と伝えるために。

 だけど、「あら?ネズミー??」ママは抱きしめたネズミーに何か違和感を感じます。「少し小さくなった…?」

 「そんなことないよ。きのせいだよ」

 残念ながら、無表情のネズミーのお顔からは、今回はなんの感情もママは読み取ることができませんでした。


*****


 病院を抜け出したのは12時過ぎ。海へと寄り道なんてしたけど、一体あとどのくらい飛んだら病院つくのかしら?

 夜も遅いこんな時間。加えて初めての海ではしゃぎ疲れてしまったあかねちゃんは今はグッスリと夢の中。ママはそんな少し重たくなったあかねちゃんを抱っこしながら、山の中の病院へとネズミーと一緒に飛んで向かっているところです。

 いつのまにか月は隠れ、代わりに満天の星が空いっぱいに広がっています。下を向けば、海の代わりにたくさんの高い木々。波の音の代わりに、サワサワと優しい森の歌声が聞こえてきます。美しい景色と、自然の奏でるオーケストラの中、まるで今この世界に存在しているのが、あかねちゃんとママ、そしてネズミーと3人だけのような錯覚に陥ってしまいそうです。

 「ねぇ、ネズミー?ひとつ聞いてもいい?」ママは優しくネズミーに問いかけます。「こんな真っ暗な中、どうやって森の中の病院までの道がわかるというの??」

 本当に病院にたどり着けるか、どんなにむずかしい病院でも治してくれるお医者さんに本当にあえるのか。ママはここまで来たのに、まだたくさんの心配を持っていました。

 「ボクたちはね、〝いのちのみず〟をのんだら、たましいがやどるの。そしたら、ボクたちがめざすばしょが、キラキラとひかりだすの。どんなにとおくにいてもみえる、ふしぎなひかり。だから、だいじょぶだよ。しんぱいしないで」

 どんなに深い疑念も、なぜかネズミーの大丈夫、の一言で本当に大丈夫のような気がしてきます。ママは、もう何も怪しむことなくネズミーについていこう!そう思った時でした。

 何かフワリとしたものがママの顔に当たりました。それはまるで蜘蛛の糸のような細いもの。だけど真っ暗な闇の中、すぐにそのフワリとしたものをすぐに見失ってしまいます。

 「あれは何だったのかしら?」そう後ろを振り向こうとした時でした。

 「ママ!そらを見て!」

 ネズミーのはしゃぐ声にママは上を見上げます。 

 「わぁ。なんて神秘的なんでしょう」

 満天の星空の中、いくつもの流れ星が目の前を流れて行きます。数えることなんてできません。それほどたくさんに、まるで土砂降りの雨ように、留めなく流れ星は流れ落ちて行きます。これでは、何でも願いたい放題です。

 「せっかくだからあかねを起こして…」

 ママはこの美しい星空をあかねちゃんに見せてあげようとします。けれど、「だめだよ、あかねちゃんをおこしたら!」ネズミーはそう言います。「びょういんについたら、むずかしいしゅじゅつがあるんだから!いまのあいだに、たいりょくをおんぞんさせておかないと!!」

 その答えに確かに、とママも頷き返します。

 「それになおったらね、いろんなやまにいけるよ!こんどは、パパとみんなでみようよ!」

 そう提案するネズミー。そうね、次は家族全員で。

 ママはそんな素敵な提案をしてくれるネズミーを再度抱きしめようとします。だけどその時、ネズミーに対する違和感が確信へとかわってしまいました。

 だって、病院の中で抱きしめていたネズミーはあかねちゃんの顔より少し大きいくらいのサイズだったのに、今ではママの両手の手のひらを合わせたくらいしかありません。明らかに体が小さくなっているでありませんか。

 「ネズミー…」ママはネズミーに「なんで?なんで?」と少しパニック気味にそう声を掛けます。

 ネズミーはママの口元にふわりと優しくおててを当て、首を横に優しく振り返しました。

 「びょういんにつくまで…まってて…」


*****


 お星様が落ちてくる山をいくつも超えると、どこからか小鳥たちのさえずる声が聞こえ始めてきました。まだ、真っ暗闇なのに、一体どういうことでしょう?まるで、ママたちの訪問を歓迎してくれているかのようです。

 「あともうすこしだよ」

 ネズミーは優しくママのおててにその手を重ねます。ママは目頭が熱くなってきました。だってもうその手からは、ママの知っているネズミーのあのふわふわした感触がついに感じられなくなってしまったから。そう、もうママのおてて片手分ほどの大きさしかなかったからです。

 ママは涙をこらえてひたすら飛びます。なんでネズミーが小さくなっているのか。海で見せてくれた奇跡。もしかして、あれが原因なのかしら?それともあの〝いのちのみず〟が何か関係しているのかしら…?

 あかねちゃんの言葉がママの頭の中にこだまします。

 『ネズミーがなんでもかなえてくれるの。だから、ネズミーがいるならそれでいい』

 このままネズミーが消えてしまったらどうしよう?

 ママは今度はネズミーへの不安でいっぱいになってしまいました。もう、ネズミーは自力で飛ぶ力がありません。ママの頭の上に乗っかって、か細い声でママに病院への道を案内しています。

 「ママ、このやまをひだりに」

 「そのたにをみぎに」

 「そのおがわにそって…」

 すると、サラサラと優しい音を奏でる小川の先の方に、オレンジ色でぼんやりと光っている、小さな小さな病院を発見しました。

 「ネズミー!見えたわ!あそこね!」

 けれど、ネズミーの声はついに聞こえなくなってしまいました。


*****


 コンコン

 地上に急いで降りたママは、あかねちゃんをおんぶしながら、病院のドアをノックします。小さな小さな病院の扉は、ママの背丈より少し小さな大きさでした。

 「はいはい。今行くよ」

 ノックの音の後に、病院の中からしわがれた、おじいさんの声がしました。

 「こんな真夜中にすいません!どうしても娘を助けてほしくて東京から来ました!」

 ゆっくりとドアが開いたと同時に、ママはネズミーが落ちないように片手で頭を支えて、深くお辞儀して頼みます。

 けど、誰も何も言葉を返してはくれません。

 ママは少し首を傾げて、開いたドアの先に目を向けます。

 病院の中には暖かなろうそく光に照らされた受付の場所があるだけで、人は誰もいませんでした。

 「え、え、え…?」

 ママは戸惑ってしまいます。

 「ここじゃ、ここ」

 またおじいさんの声。でも、どうやらそれは下から聞こえてきます。

 「わっ!」

 たいへんな驚きでした。ママが恐る恐る下を見下ろすと、そこにはあかねちゃんよりも背丈の低いおじいさんがいたのです。そして、なんとそのおじいさんは噂の通り、真っ白で長いお髭を持っていました。きっとこの人が伝説のお医者さんに違いありません!

 「小人を見るのは初めてかい??遠いところよく来たな」

 そういってトコトコと奥へとママを案内します。

 ママはおじいさんの後ろをゆっくりとついていきました。

 病院の中は草花の良い香りで充満していました。クスリのツンとした匂いのする、あかねちゃんの入院している大きな病院とは全く違います。

 それから、もう一つ違いがありました。なんとこの病院には、小人のおじいさん以外、他のお医者さんも、看護師さんも、患者さんさえも誰もいなかったのです。

 「ここは病院ではないのですか?」

 病院だと思っていたけれど、勘違いだったのかもしれません。もし、間違えてただの小人のおじいさんのお家に、しかもこんな夜中に押しかけたとしたら?もうそれは、大変迷惑な人間なだけです!

 「ここは病院であっているよ」おじいさんは振り返えることも、歩みを止めることもせずに続けます。「ただ、随分と患者は減ったのぉ。だから、今はワシ一人で充分なんじゃ」

 「??」

 「小人族は、体を癒すことのできる不思議な力を持っているんじゃ。じゃが、それを知った人間たちがワシらの集落に押しかけて、めちゃくちゃにしてしまったんじゃ。じゃから、それからというもの、ワシらは力を貸してあげる人間を自分たちで選ぶようになったんじゃ」

 そこまで説明すると小人のおじいさんはママの方へ振り返ります。声は少しぶっきらぼう調でしたが、おじいさんの顔は朗らかで優しく微笑んでいました。

 「モノを大切にすることすらできんもんには、他人を思いやることだってできん。だから、〝いのちのみず〟で魂の宿ったぬいぐるみたちが、ここにつれてきた優しい人間だけを見ることにしたんじゃよ。そして、キミたちはそのぬいぐるみに認められ、ここに来れたんじゃ。さ、ここの部屋に入って」

 小人のおじいさんは紺色に塗られた扉を指します。そこはママの胸ほどの高さしかありません。ネズミーを落としてしまわないように器用に屈んでその中へと足を踏み入れました。

 「はい、このベットにお嬢ちゃんを寝かせて…」

 紺色の扉の中は恐らく手術室なのでしょう。ただ、ママの知っている病院の白い空間のそれとは違い、暖かな木材で包まれたこの部屋に置いてある家具は全て紺色で統一されていました。

 「あ、あの、先生。その…ネズミーも助けることはできますか?」

 あかねちゃんを指定されたベットに寝かせた後、もう人差し指ほどの大きさになってしまったネズミーもまた、あかねちゃんの横に寝かしつけてあげます。

 小人のおじいさんは、ネズミーをしげしげと、時々「ほぅ」と感心しながら診察してくれました。

 「こんな状態のぬいぐるみは初めてだ。よく愛されていたんだね」

 「治ります…か??」

 小人のおじいさんはママをじっと見つめて、優しく首を横に振ります。

 「そ、そんな…」

 ママはショックで膝から崩れ落ちてしまいました。あかねちゃんの大事な大事なたからもの。そして、ここまで連れてきてくれた大変な恩人のぬいぐるみ。ママはもう我慢することなんてできませんでした。何年振りかの久しい涙を流し始めます。

 「どうか、どうか、私の命に変えてでも救ってあげてくれませんか?」

 「何から説明しようかな…」小人おじいさんは、近くの椅子に腰掛けます。「まずじゃがの、ここの場所に来て、自分のお家に無事に帰るためには、ほんとうは二人のぬいぐるみが必要なんじゃ」

 その思いがけない話に、ママは言葉を失ってしまいます。

 - なら、もしかして私たちはもといた場所に帰れないの!?

 ママは今度は絶望を感じました。噂でも聞いていたからです。森に入った者たちは皆んな家に戻ってくることはなかった、と。何でもっと慎重に行動しなかったのか。自己嫌悪に陥り始めました。

 「待て待て、まだ続きがある」真っ青な顔になったママに小人のおじいさんは焦った声で話を続けます。「キミたちを連れてきたぬいぐるみは、本当にキミたちを愛していたんじゃな。良いか、このネズミーは自分の魂が往路で尽きることを知っておったのじゃ。じゃから、体を張って、帰りの道を作ってくれたのじゃ」

 そう言って、おじいさんはネズミーの左足のほつれた糸を指さします。それは、前々からついていたネズミーの体のキズ。だけど、近づいてよーくみてみます。なんと、その糸はまだ先に伸びています。ママは目でその糸の先を追いかけました。信じられないことに、その糸は紺色の扉の、更にその向こうまで伸びていました。

 「ま、まさか…」 

 「きっとキミの思っている通りじゃよ。元々ほつれていた糸の端を元いた場所のどこかにくくりつけてでもきたのじゃろう。もし、往路で力尽きてもキミたちが問題なくまた元いた場所に戻れるように。だからこんなにも体が小さくなってしまったんじゃの…」そう言っておじいさんは優しくネズミーを撫でます。「たくさん愛されていたんじゃな…」

 「私は…私は何もしてません」涙が留めなく溢れてきます。ママは後悔していました。少しでもネズミーを疑ってしまったこと、そしてちゃんとした感謝をネズミーに伝え損ねていたこと。「ネズミーは娘の宝ものでしたから。ネズミーをちゃんと愛してあげていたのは、娘だけだったのに…」

 「それは、分からんよ」おじいさんはどこからかハンカチを引っ張り出してきて、ママに差し出します。「キミが知らないだけで、ネズミーは沢山の愛を感じていたのかもしらん。そんなに心配ならみてみるか?」

 「え?」

 「ほんとうはいつもは治療の報酬で、ぬいぐるみの思い出をもらうのじゃが、今日は特別じゃ。ネズミーの偉大さに免じて、ぬいぐるみの思い出を一緒にわけてやろう」

 小人のおじいさんはそういって、ネズミーの頭を撫でながら歌を歌い始めました。その曲は少し前に聞いたばかりの曲と同じメロディー。ネズミーが海の上で歌ってくれた歌と同じでした。

 ネズミーは虹色の光に包まれ始めました。すると、フワフワとネズミーから綿のような白いモノが溢れ出てきました。ママはそのうちの一つの綿に触れます。

 『ネズミーがかんじゃさんやくね』

 あかねちゃんがネズミーとおままごとをしている風景が浮かび上がってきました。

 他のものに触れました。今度は、ママがベットの下に落ちてしまったネズミーをスヤスヤと眠りにつくあかねちゃんの横に戻してあげる風景が見えました。

 もう一つ他のものに触れました。それは、あかねちゃんとネズミーの夢の中の物語。二人で学校に通っている夢でした。

 もっともっと沢山の綿に触れます。

 『ママわらわなくなったの、ネズミーたすけてあげて』

 『もし、おそとにいけたら〝うみ〟にいっしょにいこうね!』

 『ゆめのそとでも、ネズミーとおはなししたいなぁ』

 次から次へとネズミーの思い出たちがママの頭に流れてきます。

 「ぬいぐるみにも、記憶はあるんじゃよ。ワシらと同じように喜怒哀楽を感じて、ワシらと同じように夢だって見る」

 ママは涙も鼻水も拭い取ることを忘れて、また一つ、また一つ、とネズミーの思い出を見て行きます。一つも逃したくありませんでした。一人のぬいぐるみの人生の記憶として、最期まで目に焼き付けようとママは必死です。

 一方で、小人のおじいさんは今度はあかねちゃんの頭に手を乗せてまた歌い始めました。今度はあかねちゃんの病気を治すため。あかねちゃんの周りにたくさんの花が咲き、花もおじいさんと一緒にハーモニーを奏で始めます。いつの間にか甘い香りでこの部屋はいっぱいになりました。


 「さぁ、全て終わったよ」


 小人のおじいさんがあかねちゃんのママにそう声をかけたのは、外が朝日で赤らみ、曙色に染まり始めた時のことでした。


*****


 「ママ、ママ!!」

 肩を激しく揺らされて、少し不機嫌な気持ちで体を起こすママ。あかねちゃんを背負って、ネズミーの残してくれた糸を辿りながら急いでこの病室に戻ってきたのはほんの少し前のこと。一晩中空の上を飛び回っていたのだから、全然疲れは取れてなんていませんし、まだまだ眠いのです。

 「何よ、もう少し寝かせてよ」

 「一体どれだけ寝るんだよ!もうあかねは朝ごはんも、おクスリも、点滴の時間も終わったんだぞ!ママも早く起きなさい!」

 欠伸をしながらママは簡易ベットを片付けます。確かに、周りの皆んなはママの夜中の頑張りなんか知りません。仕方なく、パパに従うことにしました。

 「それより、ほら、覚えてるか?あかねの外出許可を貰おうって話」

 「ええ、もちろん」覚えているに決まっています。ママの話を信じてくれなかったパパのことも。「お医者さんに今から言いに行くの?」

 「それがな、いいか、心して聞けよ」パパは両手をママの肩に添えてそうママに伝えます。ママはすぐに触れた肩から感じとりました。パパの声も手も震えているということに。「今朝一番で聞きに行ったんだ。そしたら、少しでも体力のあるうちの方がいいからってことで、ママがまだ寝ている間に、朝一番で検査したんだよ」

 ママの頭はまだぼんやりしていましたが、次に続く言葉が何なのかは想像にかたくありませんでした。だって、その言葉を聞きたくて、ママはネズミーと一晩中飛び回っていたんですもの。


 「奇跡が起こったんだ。あかねの病気が一晩で消滅した。いいか、落ち着いてきけよ!あかねはな、もう何の異常もない健康体なんだ!!!」


*****


 「あかねー!塾に遅れるわよー!」

 「うそー!え、ママー!車で送って!」


 奇跡がおきた、とテレビでも、医学会でも取り上げられたあかねちゃんの回復劇。家族や友人たちからもたくさんのお祝いのメッセージやプレゼントが送られてきました。しばらくの間、あかねちゃんの周りには沢山の人で溢れかえり、祝福の日々が毎日続いていたそうです。

 そういえば、あかねちゃんはあの夜の出来事は残念ながら殆ど覚えていないそう。だけど、海での出来事は今でもたまに夢で見るとききました。そのおかげ、なのかは分かりませんが、あかねちゃんの将来の夢は水族館で働くこと。ようやくあかねちゃんは、〝未来〟を夢見る普通の女の子になることができたのです。

 寂しいことですが、ネズミーの起こしたキセキを全て知っているのはあかねちゃんのママだけ。

 だからママはネズミーの事を家族皆んなに覚えてもらうために、あの後一つ粋な仕掛けを施しました。それは、人差し指の大きさになってしまったネズミーにストラップをつけて、車のルームミラーに飾ること。元気になったあかねちゃんと、家族皆んなでどこへ旅行に行くにもネズミーも一緒に行けるように。同じ景色を見てもらうことができるように。

 『今度は家族全員で』

 その約束を叶えるために。


 ネズミーはもう動きません。話をすることもできません。だけど、ミラー越しに目が合うネズミーは、もう無表情なんかではないのです。いつも朗らかに微笑んでいるのでした。


- おしまい -

 



 

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― 新着の感想 ―
[一言] ネズミー!! 最後まで読み終わって、改めてタイトルを見て……。 泣きそうです。
2023/01/15 22:02 退会済み
管理
[良い点] あかねちゃんが助かってよかったです。 ネズミーも消えてなくて何よりでした。
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