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プロローグ

 動かない特急列車…それは駅舎の如き店構えの奇妙な居酒屋の内装の一部だ。


 主な治療法が対処療法しかない流行病が世界的に広がった為、現在飲食店の経営は困難を極めている。


 そんな時制に逆らうように開店したテーマパーク型居酒屋に集う様々な人々の人間模様…。


 こんな居酒屋さん…

 何処かに有ったら是非行ってみたい…

 中規模程度の都市にある駅前ほど店舗の入れ替わりが激しい場所はないのではなかろうか…。

 少し前までファッションビルだった場所が飲食店になり、はたまたオフィスビルがファミリー向けのレジャー施設にと…とかく目まぐるしい。


 そんな都会…という程でもなければ田舎…という程でもない中途半端な街の、とある駅前の飲食店街跡地で大規模な工事が始まった。

 道行く人々は何ができようと工事中であるならば横目でザッと見る程度の関心しか示さない。

 そして工事が終わった時…人々はやっとどんな店ができたのかと目を向け…驚く事になる。

 そこには地方都市の駅舎と見紛うばかりのデザインの店構えが異様な存在感を出していたからだ。


『旅が好きー列車居酒屋ー』


 そんな看板がさも駅名の如く掲げられていた。

その奇抜過ぎる店構えが人々の話題になる事にさほど時間はかからなかった。

 しかし、店自体が住民に受け入れられるかどうかはまた別問題である。

 奇抜過ぎる店構えに人々は遠巻きに眺めている状態であった為、持って一年ぐらいだろうと噂しあった。

 折も折、世界的に蔓延している主な治療法が対処療法ぐらいしかない感染症の関係で、ただでさえ居酒屋のような飲食店の風当たりは強い。

 一体どんな店なのかと不思議に思いながらも人々は足早にその店の前を通り過ぎて行く。


 そして…

 まだ夏の暑さの名残りが漂うシルバーウィークの頃…

 その店は開店した。

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