二人にしかわからない話 声劇台本
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兄、22
妹、18
登場人物表
兄:
妹:
妹「お兄様」
兄「やあ、セシリア。どうしたんだい?」
妹「いよいよ明日かと思うと眠れず。もう子供ではないのに、すみません」
兄「いいんだよ、もうお前と話すこともなかなかないだろうしね。いい機会だ。ゆっくり話そう」
妹「ありがとうございます。お兄様」
兄「……それにしても明日か。セシリアがお嫁に行くのは」
妹「はい。いつかはと思っていましたけど、あそこまで遠方に嫁ぐとは思いませんでした」
兄「まあでも、ただの政略結婚じゃなくて、まだ愛があるから安心したぞ」
妹「あの帝国の皇子さまから一目ぼれされたなんて、正直な話、いまだに実感がありません」
兄「おいおい、一度は会って話したんだろう。私も少し話したが、あの方なら大丈夫だ。きっとお前を幸せにしてくれる」
妹「わかっては、いるのですが……」
兄「ま、明日には故郷から離れるんだ。不安にもなるか」
妹「はい」
間
兄「……お前は、幼いころ本当にお転婆で、いつも家臣を泣かせていたな」
妹「お、お恥ずかしい」
兄「それがいつからだったろうか、そうして淑やかになったのは」
妹「……それは」
兄「姫としては立派なことだとは思うが、兄としては少し寂しかったな。お前のお転婆に付き合わされるのは、嫌いではなかった」
妹「お兄様……」
兄「もう、最後になるかもしれないんだな」
間
妹「私が、こんな風になったのは、お兄様が原因ですよ」
兄「セシリア?」
妹「覚えておられますか?私が城を抜け出し一人で森の中に進み、野犬に襲われそうになったことを」
兄「ああ、あの時は城中大騒ぎだったからな」
妹「真っ先に助けてくれたのが、お兄様でしたね」
兄「あわや、というところだったな」
妹「その時のお兄様の姿を見て思ったのです。ああ、私はこの方にふさわしい姫になりたいと」
兄「確かに、その時からお前は変わったな。よく勉強し、気品を身に着けた」
妹「それだけ、ですか?」
兄「それだけとは?」
妹「お兄様、私は今日、お兄様、いいえ、アーサー様からの、最後の言葉を聞きたくてきました。……わたくしに最後の、思い出をください」
間
兄「セシリア」
妹「はい!」
兄「……幸せに、おなり」
間
妹「それが、あなたの望みならば」




