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白銀の勇者は魂が2つ?ーー箱庭世界カルデア冒険談  作者: 脇野やく
第一章 ミドルブルー防衛戦 カルデア歴2378年2月
7/29

1-1 チュートリアルのボスはハイエルフ?

前話でバトルがあると言ったよね?その後、気づいたんだ、実は更に次だったと。でも予告詐欺って良くないでしょう?だから一話にしました!

そんなわけで前半は説明で、後半はバトルです。

説明を見たくない方はページのちょうど真ん中当たりを探してね~

それでは本編をどうぞ~


2019/1/19 20時頃

ちょっと誤字とか変な表現を修正、それと何故かダブって入力した単語も修正しました

衝撃が過ぎてもちょっとだけクラクラする。正直言って気持ち悪い。

感覚を引き延ばしてどうにか落ち着いて状況を分析しよう。

リンナは…防御術式を使っているときに魔力に当たったせいで気絶したようだが、どうやら無事みたい。

隣りにいる少女達ーールナの記憶によると姉であるエル、今日友達になったばかりのセラ、メイドのアンナとティナーーも地面に蹲って呻いているが無事だな。エルフ達h

〖カルデアシステムへの接続が確認されました。〗

「《え?》」

突如として頭(?)の中に響く声。中性的のそれは意外にも私に似ているが、聞いたことのない言語なのに理解できてしまう。何これ?

〖個体名を検出中・・・〗

いやいや『・・・』を言葉として理解できてしまうとかどう考えても巫山戯ているよな?

〖個体名・ルナリーナ・C・マキナ、個体名・レナトスの仮登録が完了しました。黙って聞いてください。〗

は?

〖また、戦技を確認しました。それに伴い、個体名・ルナリーナ・C・マキナ、個体名・レナトスの正式登録を認めます。正式登録者にはシステムとの正式の接続が許可されています。面倒くさいので今後以上の二名を同時に指す場合、識別名『白銀の勇者』を使います。〗

《一応聞くが、そのネイミングってもしかして》

〖髪が白銀色で、勇者だからです。無意味の話を挟まないで黙って聞いてください、勇者。

カルデアシステムからのお知らせです。貴方達の器に空白が確認できませんでした。付きまして覚醒によるギフトはありません。

貴方達の魂に異常が確認されました。付きまして貴方達を特別観測対象に登録しました。それに伴い私、カルデアシステム監視用人格・第五位が貴方達に付きます。おめでとう、このカルデアでまだ生きている者の中では五人目です。トップ5です。〗

《つまり私達のようなイレギュラーが他にも四人は生きているってことだよね?》

〖ちなみに他の四人は皆超越者です。歴史上、特別観測対象となった超越者じゃない者は貴方達で二番目です。

一番目は超越者を二人も暗殺したことで観測対象となりました。三人目を殺した際、超越者となったものの直ぐに当時の超越者全員に囲まれてフルボッコです。つまり貴方はカルデア史上最も変な奴です。おめでとう。

それよりもレナ、ルナが戦おうとしていますよ〗

さり気なく愛称とか馴れ馴れしいシステムだな!

わかっているわ!


エルフ達の確認に戻ろうとしたらルナから情報が伝わってきた。七人だったエルフ達はあの一瞬で僅か三人まで減ったようだ。ミイラ2つにグロい肉の塊のようなのが2つ、残りの三人もボロボロだ。何がどうなればああなるの?

〖術式に魔力を吸われ過ぎて死んだのと術式の反動で内側から爆発したものですね

貴方達も魔法を使う時は注意したほうがいいですよ〗

そうしよう

《それで、あいつ等を倒すのか?》

《ん》

《あれって確か、ハイエルフとか言う奴だよな?ボロボロとはいえ、勝てるのか?すごい魔力だぞ》

《やるしかない》

《それもそうだな、多分倒さないともっと危ない事をするだろうし、あいつ等》

《それにお母様を傷つけようとした。許せない》

いや、あいつ等、多分私達を攻撃してたと思うよ?ツッコまないけれどね。

《とはいえ、まずは私達の状況確認だよ。私に何ができるのか知っておきたいし、ルナも覚醒で大きく変わったでしょう?》

《ん、わかった》

とはいえ何もわからない上、自分で試す余裕を相手も上げてはくれないだろうからな~そんなわけで

《システムせんせい~なにか教えて下さい~》

〖レナちゃんは図々しいですね。とはいえ、特別観測対象が早々に死ぬのもなんだし、今回は教えます。〗

もうレナちゃん呼びにも馴れたからね、私は!そして図々しくて結構!私は自我中だからね!

〖…それでは、説明します。まずは貴方達の記憶にあるゲームのステータスを想像してください〗

おお!ワクワクしてきた

〖そんなもの、現実にあるわけないので、それを忘れてください〗

だったらなぜ想像させたのよ!

〖他のタイプのゲームを想像してくださいという意味ですが、もういいので説明に入りますね。

この世界は現実ですので、数値にできるものは殆どいないと思って下さい。〗

てことは数値にできるものもあるってことでしょう?私、知ってます。

〖具体的に言うと魔力と闘気の質と量、年齢、それと一応の総合評価ですね。ちなみに貴方達の総合評価はランクオーバーなので意味がありません。年齢もバグりましたので一応肉体の産まれた時を基準に再修正しました。それと闘気もまだ使えませんから空ですね。〗

《つまり意味あるのは魔力だけ?》

〖闘気は使えたらちゃんと出ますよ。だから試してみてください、ルナ様〗

《ん、試してみる》

《ん?》

〖闘気は魂と肉体の共鳴によって生まれるものですので、ルナ様しか使えませんよ、レナちゃん。〗

…突っ込まないからね、その呼び方

《むむむっう~~~》

〖それでは、ルナ様が頑張っている間にレナ様に説明です。厳密にいいますとレナ様も闘気は使えますが、それはルナ様より遥かに難しいでしょう。

ですので、レナ様は今、魔力だけを使えます。魔力とは魂が世界を構成するエーテルと共鳴して生まれるものですので、レナ様の方が影響を大きく与えれます。

それに魔力は例えそういった技術がなくとも自然に生み出されますので、今はルナ様の記憶から魔力や魔法の知識を引き出すことをおすすめします。〗

ええっと、魔法を使うには魔力を感じて、動かして、現象に変えるとね~

うん~目覚めた時点ですでに魔力というのは感じれるからあとは動かすか~

う~ご~け~~~あっ動いた!流石勇者スペック、ヌルヌル動くね~

それにどうやらルナの方もどうにかできたようだな、なんだか体に金色のオーラが迸っていてカッコいい~


《さて、あっちもどうやら準備を整えたようだな。

相手は格上、弱まっているとはいえ正面からでは勝ち目がないだろう。不意を打ってリーダーを先に潰すべきだが、どうしようかな~》

〖戦技の使用をおすすめします。〗

《戦技?》

《もしかしてあの何故か突きを一瞬で出せるやつのこと?》

〖はい、カルデアシステムによる正式登録名は【瞬突き・零】です。効果は突きの結果までの過程の圧縮と突きの補佐。コストはゼロですが、集中が必要です。システムによる総合評価はS+、戦技として最上位に入るものです。

ちなみに、貴方達の着ている服による補正でランクS++からランクSS-となります。〗

《て言うか戦技って何?》

〖必殺技とでも思ってください。時間がないので説明は後です。

それと、ルナ様記憶から基本的な強化魔法とアーツを出して下さい〗

《《アーツ?》》

〖アーツとは魔力または闘気で戦技を真似てできたものです、つまり劣化版の必殺技ですね。例えば闘気で足場を作って空中で移動する【ステップ】がそうです。〗

《ううぅぅ》

どう考えても要素が多すぎて一気に飲み込めないわ!ルナのライフはもうゼロじゃん!

《考えるな、感じろ作戦で行こう!》

《ん!》

〖はあ、まあ、どうにかなるでしょう〗



私達は見た目七歳だから七歳にしては早すぎ速度を出せばそれが全力だと誤解されるだろうからその隙を突く。

《相手を油断させる。全力に見せかけてスピードを抑えよう》

《ん!》

ルナの意識との共鳴が深くなっていくのを感じる。彼女が足に力を込めるのに合わせて魔力を移動させる。初めての筈なのに、まるで本能で知っているかのように滑らかに、そして素早く魔力が操れた。それはルナの闘気の方も同じのようだ。

パンッという声とともに私達は弾けるようにエルフ達へ飛ぶ。さらなる加速のために僅かな闘気を足から放出して空を蹴ると、それに合わせてスピードが更に上がった。具体的な速度は流石に初めての試しのためよくわからないが、恐らく地球での車を上回るのではないか?本気を出していないのにこの速さとは、カルデア人は化物だな~

エルフ達の方を見ると、彼らは嘲笑いを浮かべている。流石は格上、私達からしたらかなりの速さを出しているつもりなのに簡単に私達を捉えているし、瞬殺できるという感想がにじみ出ている。

でもね~その嘲笑いの下からは焦りと怒りがにじみ出ている事、気づいていますかな~?

老人の様な白髪にカラカラの魔力、それに反動のせいでボロボロになった体と服。疲労が滲み出している彼らに正しく私達の実力を判断する余裕はない筈。

それに目論見が失敗したであろう以上、逃げるにも余力を残す必要があるから弱いと思っている私達に過剰な力を分けたくないと踏む。


残り距離、五メートル!想定通り、ハイエルフは私達に手を伸ばした。それも、他の二人が特に守りもせずに、だーーチャンス!

地面を蹴る。更に加速する体がハイエルフへ近づく、そしてそれに合わせて手の軌道を修正するハイエルフ

手で掴まれるまで残り三十センチ、今だルナ!

世界が、時間が、全てがゆっくりなる。なるほど、これは確かに突きという結果を導き出すまでの過程を圧縮しているな。加速した認識の中、私達の手足だけが恐ろしい速さで動く。

まずは最後の踏み込みにすべての力を入れる、ありったけの魔力と闘気はそれなりの無駄を伴いながら私達を加速させる。同時に手を背中に回し、メイスを抜く。地面を蹴った次の瞬間、足に回した力を今度は手とメイスへ移動させる。

戦技の効果はどうやら突きという結果に関連するほど強いようだーー移動速度への補正が少なく、足へ力を回す速度も遅いが、逆にそこから手とメイスへ移動するスピードが恐ろしく早く、メイスを引き抜く動きも異常に早い。まるで私達の全身がバラバラの時間を過ごしているようでチグハグだが、なぜかバランスが取れているようにも感じる、謎の感覚だね。

そして腰辺り、私達の手が最初にあった場所にはいつの間にか幻影の様な、残像の様なものが残っている。それがゆっくりと、私達の動きに習って同じ軌跡を描く。私達が移動しているのにその幻影はちゃんと合わせて移動している当たり、これの凄さがわかるものだね。

そして私達はちゃんと構えて、力を込めた突きをハイエルフの腹へ放った。突きが出されたその瞬間、時間の流れが元に戻る、補正は突きを出す瞬間までみたい


補正が少なかったが、それでも私達の移動速度が大きくズレたおかげでハイエルフの手が空を切った

そして、私の見よう見まねの強化魔法もどうにか間に合ったようで私達の突きは更に加速する

これでk

冴え渡る感覚が異変を捕える。この化物め!躊躇に反応して魔力を集中しようとしやがった!でもこれならまだ行ける、行ける筈!

無理戦技を発動する。突きという結果がすでにある以上、本来なら発動しない戦技だが、どうやら『違う突き』という結果ならギリギリセーフのようだ。さっきより遥かにキツい手応えを感じながら速度を維持し、無理矢理突きの軌道を変える

《《間に合って!!》》

本当に一瞬だけしか維持でき無かった戦技だが、確かな効果を出してくれたようだ

無理矢理変えた軌道を描いて、メイスはまるで予定調和のようにハイエルフの心臓へ吸い込まれる。

躊躇の反応で無茶をしてようやく魔力を集中したせいか、彼は新しい軌道に対応でき無かったようだ。逆に本当よりも薄くなった魔力で防御力が更下がった彼の弱点へ私達の攻撃が当たる

それでもかなり強い抵抗を味わいながら私達はメイスに集中した力を爆発させてさらなる効果を求めた

そしてーー


ハイエルフの胸に私達のメイスが生えた

パンッゴギュリ

遅れて聞こえてくる声が耳に届く。メイスが音速を超える時の衝撃波とハイエルフが貫かれる声だ。同時にコマ送りのように胸から血を吹きながら吹っ飛ぶハイエルフを見て、これでようやく一人目を倒した事を確信する。

まるで数時間経った気分だ。たった二秒足らず、しかも近距離になってからは0.2秒もない筈なのに疲れたよ~~

でも

《あと二人!》

《ん!》

間抜けた面をして吹っ飛んでいくリーダーを目で追うバカがまだ居るのだ、こんな隙を見せつけられたらこれはもうやるしかないでしょう?

《行きますよ(く)!》

体を回転させながら地面を蹴る。今度は全力だ!

あともうひと踏ん張り!

ゲームとかでのチュートリアルって何故か強い敵相手の負け戦とか、本来なら倒せない相手を弱まってプレイヤーに倒させるとか、つよつよのハイレベルキャラを操作させて魔王との戦いを体現させるとかがあるでしょう?例えば英雄伝説の碧の軌跡とか、Fate/EXTRA(?)とか

まあ、本作のハイエルフさんもそんな可哀想なチュートリアルボスでしたってことね。


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明日からは毎日一話投稿となります。

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