エピローグ1 戦の始末、勝利の代償
注意~~~~
注意~~~~~~~
グロ注意~~~~~~~~~
ちょっとR18になりかけた残酷描写があったので、書き直しました。
R15の範囲内まで抑えましたが、それでもそれなりにヤバイ描写です。
人が死ぬのを見たくない方は飛ばしてください~
それでは本編をどうぞ~
常にして前準備と後始末こそ戦の肝心であり、此度ミドルブルーでの戦いもまた、そうである
微妙なバランスで成り立っていた攻防はルナの狙撃によって崩れ、またたく間に…とは行かないが、それでも驚くほどの速度で人間側の勝利に傾き、終わりを告げた
リーダー格の殆どが同時に目を潰される、そんな二度とない大チャンスで一斉攻撃しないようならそれは最早無能を通り越してわざと敵対している様なものだ
であれば倒しきれずとも立ち直るまでに大ダメージを与え、その上持ち場の敵を倒した味方も応援にくる
それで押し切れない戦力なら始めから微妙なバランスに持ち込むも何もなく、ルナの狙撃が来る前にとっくに惨敗している。そうでない以上バランスを崩す第三者の一押しで一気に勝負が決めるーー現にそれが起きた、それだけの事だ
蓋を開けると運良く敵陣の外周の穴に入り込んだルーペルト達一部の騎士以外、騎士団への被害はそれ程でもなかった。というのもちゃんと外周部にある上位の魔物と当たれば自然に時間稼ぎして他の騎士と一緒に討伐になる以上、多対一になり、一進一退のレイド戦闘になるからだーーその代り、ルーペルト以外の騎士に目立った功績がなかったのもまた、この多対一に持ち込めた故だ
例えルーペルトが倒した滅炎の魔兎が総合的にはリーダー格のうち弱い類だろうと、ソロで倒した以上、ルーペルトが最も功績を立てたものとなったのはそれ故である
だが騎士団は所謂エリートである。エリートとはぶっちゃけ、数が少ないからエリートである
そもそもの話、騎士団に入る資格はそのまま貴族になる資格、貴族がそうポンポン湧き出る筈もないのだ
そんな少数のエリートが三十人ぐらいでリーダー格一匹を押さえればどうなるのか、そんなの簡単に想像できてしまう物だ
リーダー格に当たるランク6の魔物は全部で49匹、騎士団で南部平原に来た人数は全部で八百あまり、半分ぐらいしか抑えれない計算だ
それに魔物の総数は500万以上、ランク5だけでも4000以上あり、そのランク5が騎士一人の平均的戦力といえば如何に状況が厳しかったのかが伺えるものだろう
騎士たちの慎重な戦い方で割を食うのは言うまでも無く、戦場にいる他の者達だった
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Side:冒険者
冒険者の中で最も功績を立てたのは一つの上位クランである
1200人ぐらいの冒険者を誇る上位のクランだったクラン【赤星旅団】、ギルドからランク6上位の評価を受け、ランク7の最上位クランになるのも時間の問題と言われている【赤星】は今、『戦いに勝って勝負に負けた』をその身をもって痛感している
戦果は上々、ランク6のリーダー格3匹にランク5の上位種44、倒した敵は弱いのも入れたら5000匹はくだらないだろう
流石はミドルブルートップ5を争う上位クランと言えよう
だがその代償は、痛かった
1200人程だった戦闘員、それだけあった筈なのに、今立っている者はその半数も届かなかった
重傷者300以上、そのうち半数はもう二度と戦えないだろうーー死ぬか重い後遺症が残るか、そういう宿命が決まっている者達だ
軽傷者500以上、装備品を治すことなども含めたらそれだけでも大きい負担だろう
そしてーー尚も重傷者から増え続けている死者と行方不明者、既に300以上
【赤星】の殆どの者が戦場へ来て、その全員が無事では済まなかったのだ
団長クルマンディアス・S・シーカーがリーダー格一匹と相討ち
その弟、副団長グレンディアス・S・シーカーも重傷、恐らく後遺症が残ると思われる
その他上位構成員の殆どが重傷や死亡
数は上位クランの中では少数の方である代り、構成員一人一人がエリート揃い、そう言われている【赤星】にとって痛すぎる損失だった
重傷者治療費だけでも恐らくクランの貯金総てを失い、その上借金すら残す事となるだろう。それに加えて破損した装備品、死者の家族に対する補助金、その他の費用まで嵩む
幸いにも保険を掛けているので、残されている者達の生活ぐらいなら保証できるだろう。だが昨日まで笑い合ってきた仲間、引っ張ってくれた団長、それらを失い、そして今後のクランとしての格も落ちる事、それらを考えれば考えるほど、しんみりした雰囲気が伝っていく
割に合わない、あまりにも割に合わない
これはそんな後味の悪い勝利だった
翌日、【赤星】が保険を掛けている保険商会、ゴードン商会が次女セシリアが自らその身を永久奴隷に落とし、更に翌日、その代金の一部を謝罪文と共に【赤星】へ送ったーー銅貨数枚、それが【赤星】への分け前だった
七歳の少女が本来、自分の責任でもないのに身を削って送ってきたその寂しすぎる金、それはまるで【赤星】の未来を示すかのようだった
セシリアからの謝罪文が届いた数日後、自分の名義でクランのために短期借金したクルマンディアスの娘、テレッサが奴隷に落ちた
ゴードン商会からは終ぞ、保険賠償金を送ってくる事なく、謝罪文も来なかった
破産したゴードンの財産が売り払われ、届けてきたのは、支払った保険料金の半分にも届かない端金だったーーインフレの真っ最中、それは装備品数人分ぐらいしかならなかった
重傷者の治療費に保険金を計算に入れて借金してしまった者達、【赤星】の冒険者で奴隷落ちした者の数、実に37人
保険金が届かず、生活できなくなった死者の家族の事も含めると、【赤星】の関係者だけでも200人以上の者が奴隷に落ちてしまった
これが【赤星】堕落の始まり、そして多くの冒険者の縮図でもあった
南の平原に参戦した冒険者、総数百万人以上。そのうち、死者三割超え、重傷者一割以上。治療費などによって家族共々奴隷に身を落す者達の数は、数万人にも昇る
七年前から溜まってきたストレスと不満は今、限界に近い
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Side:ミドルブルー所属・天龍帝国軍
【赤星】などの冒険者達よりも、帝国軍の損害率は少なかったーーあくまでも全体的に見れば、の話だ
ミドルブルーを取り囲むように護る帝国軍と南の平原に征く帝国軍、数では前者の方が圧倒的に多いーーそう、たとえ南の平原の帝国軍が全滅したとしても、損害率は【赤星旅団】の死者数3割強に及べるはずもないのだから
ここまで言えばわかるだろうーー南の平原で最も損害を被ったのは帝国軍の兵士だった
一般兵士とはとっても弱い者達である
何せ、この世界でのランクとは所謂何人に一人の強さかを示すものだ
すべての人間を引っ括めて、その九割がランク1相当
資源の殆どがダンジョン産である以上、戦を職にするものだけでも人間の3割以上を納め、ある程度以上強い者にとって兵士よりも冒険者が稼げる
兵士は国雇いだから安定する、メリットはその程度の物だ
騎士一人で文字通り一騎当千できるカルデア人にとって、国が雇っている兵士とは一部の騎士候補や士官候補以外冒険者にもなれない弱兵ばかりだった
ランク2の冒険者なら兵士より稼げる
ランク3の冒険者なら安全マージンで兵士なんかより数倍稼いでる、誰が兵士やるってんだ
ランク4の兵士は騎士候補だから兵士であって、兵士をやりたい訳じゃないだろ?
ランク5ならそれは騎士だ、兵士じゃない。それでも兵士やってるのならテストに間に合わなかっただけだ
それ以上でまだ兵士やってる?それは人格障害者かアタマ湧いてるもんだ、近づくな
そもそもの話、冒険者が数人単位のパーティーで行動するのに対して、兵士はその性質上冒険など許されない。彼らは数十人単位でレイドを組み、効率良く安全に基本食料などの安さ故に冒険者が持ってきてくれない資源をダンジョンから取って来るーー殆どの兵士の実戦経験とはその程度の物だ
安全に、大勢で寄って集って弱者いじめ。そんな事が殆どの兵士共は例え訓練を受けていても実際には戦力足りえない
更に言えば人数が多すぎると死んだ魔物の呪いが分散され、そもそも繋がれなくなってしまうーーそうなれば魂の残り滓を吸収することもできず、それによるレベルアップも存在しないというのも兵士たちが弱いままの原因だ
(余談だがそんな兵士たちが治安維持に貢献できるのは一般市民まで、冒険者の闘いは騎士とギルドが雇った上位冒険者などで解決する。本当に余談である)
そんな一般兵士のうち南の平原に参戦した人数は冒険者と同じ、百万近く
自分たちより少ない、それも自分たちより弱い敵との戦いとも呼べない一方的な狩り
自分たちより大勢で、それも自分たちより強い敵との経験した事もない本物の戦闘
真っ逆な2つのシチュエーション、兵士たちにとって後者は正に地獄だった
ちょっと弱いウサギに噛みつかれた者がいた。皮膚と血管が一瞬で裂かれ、肉が削ぎ落とされるだけでなく、骨すらも噛み砕かれた。トドメを刺されず、失血死するかと思いきや、仲間に頭を踏まれて死んだ。因みにその仲間もすぐに後を追った
ちょっと強いウサギの体当たりで吹っ飛ぶ者がいた。数人が一緒に数十メートルも吹っ飛び、肋骨が粉々になって内臓のおよそ全てがミンチになった彼らは当然の事に、即死した
かなり強いウサギが魔法を放った。無数の岩で出来たニードルが人に当たってはそこを吹き飛ばした。頭を飛ばされて即死した者はまだ良かったが、下腹部などの即死できない場所をわさと狙っていた。その嗜虐性で果たして何人もの兵士が苦しみながら無駄死したのだろう
とても強いウサギが走り過ぎていった。音速を超え、衝撃波を撒き散らすそのウサギが通ったあとに残されたのは、耳と目、それに鼻から血を流しながら絶命した者達の死体だった。衝撃波で吹っ飛ばされながら、耳などを破壊され、そして脳がミキサーに掛けられた様にグチャグチャになった彼らはきっと自分らの死因すら、知らなかった
そしてリーダー格のウサギが殺気を放った。噛み付きも体当たりもいらないーーそれだけで数万人の兵士がショック死した。
僅か十数分の交戦だった。それでも兵士の数は、残り一割だった
彼らが生き残れたのた交戦しなかったからだった。死体を踏み越えてくるウサギに戦意を失った兵士たちはすぐに撤収しようとし、殿だった一割だけが逃げ切れた、それだけの事だ
正しく言えば、彼らは街の中まで逃げ、追ってきたウサギ共は外周部の防衛ラインに食い止められたのだ
逃げ切れはしたが、彼らはきっと職を失い、更には罰金を払わされるだろう
一体何割が奴隷落ちを避けれるのだろうか、その比率はきっと高くはないでしょう
兵士たちは嘆く、上位の騎士が中央に無理矢理借り出されたせいでこんな結果になったことを
兵士たちは嘆く、戦死した同僚の家族を国が約束通り扶養してくれないことを
兵士たちは嘆く、ただ無力で嘆く事しかできない自分達の無力さを
果たして生き残った兵士のうち、たった一ヶ月で五割が辞職した
勇気あり戦死ではなく、ただ無意味に、ただ無価値に虐殺されるだけというのを、誰も立派な事とは思えない。安定している職だと思っていたのに蓋を開けると冒険者よりも危険な目に合わされかねないともなれば、強くなりやすい冒険者の方を選んで当然だった
強くならなければ容易く死ぬことを、兵士たちは漸く多くの血を持って実感した
首都でもないのに一番の人口と経済実力を持つ、そんなミドルブルーをよく思わない中央の貴族達の軍事方面に於ける制圧が破られる時が近いだろう
深夜テンションの前日の私、ちょっとアタマ湧いてた
なぜに内臓とか死に様とかを細かく一万字書いたし?何気に最も長かったし?
幸いにも投稿する前に寝落ちして、起きたら「あ、こりゃアカンやつだわ」と気付いて書き直しました
う~む、私ってもしかして結構ストレス溜まってるかも?
ちょっとエタってテンプレざまぁ書いてこようかな?
最近一週間のPV、全部で11しかないし、殆ど見られていないよね~




