1-4 ルナリーナは最高機密になる?
遅れまして申し訳ありません!
あまり進まなかった管理局視点です。
戦いの背後には政治とかの思惑が絡む。戦争のために戦争するなんて殆ど無いものさ。
ルナたちの戦闘の裏で胃痛に苦しむ大人達の事情をどうぞ見てください
ミドルブルー中央管理局所属・第0管理センター・中央管理室は今、修羅場と化している。
叫び声に罵声が飛び交い、地面に倒れている者が無数。どう見ても混乱を極めているとしか言えないこの部屋の中央、そこではシュールな光景が広がっている
「「「え?」」」
十数人の大人が空中に浮かぶ幼女を映している画面を食い入る様に睨んで、間抜けた面を晒す光景はまるでここだけ異空間のようだ。
まあ、その画面の中身を考えたら彼らがこうなったのも仕方の無い事と言えるがね。
画面に写っているもの、それは正にルナがハイエルフを貫いた瞬間だった。
『パンバン』
吹っ飛ぶハイエルフを目で追う管理局員達、彼らの耳にもう一度、乾いた声が届く
「「「?」」」
『パリンっパンッ』
それに疑問を感じ、声のもとを探そうとする瞬間、更に届く声
それがルナと最後のエルフの戦いによる声だとちゃんと認識したものは果たして何人いるだろう
『ズギュン』
ぎこち無く視線を動かすと、画面に写っているのは死体が1つに無表情な幼女が一人だった。
一瞬で起こった攻防をちゃんと理解した者、全部で三人ーーミドルブルー領主ルドヴィーク、彼を支えている騎士、そして解析員が一人
遅れて状況を確認してルナが三人を倒した事ぐらいちゃんと認識できたもの、同じく三人ーー管理局副局長に一般職員が二人
起こっていることをちゃんと受け入れることができない者、その数7
「マジかよ、勘弁してくれよ~」
遂に敬語が崩したルドヴィーク、彼の口から漏れ出したのは疲れ切った声。無理も無い、彼からしたら画面に写っているものは今起きているスタンピードなんか目じゃない程の厄介事だ。
ハイエルフとエルフの精鋭二人を、たった七歳の子供が瞬殺する。相手が疲れているとかそういったことなど関係なく、上に知られたらどうなるのかなど火を見るよりも明らかな事だ。
(中央に行った時見たあの勇者共とは桁違いじゃねーか!それとも何だ?勇者ってんのは覚醒したら皆こんなヤバイ奴とか?んなわけあるか!
ああクソが!どう見ても勇者以上、しかもよりによってジークの子とかどうしろってんだよ!)
国家予算6年分を丸々使ってようやく作り出せた勇者だが、実用される前なのにその数は減る一方ーー自爆に自殺、暗殺に病死、それと『事故死』
今生きている勇者は13、逆に言えば勇者一人の価値が国家予算半年分に近いことを意味するのだ
そんな中で勇者以上の戦力を持つ者が中央ではない場所に居て無事でいられる筈もない。奪われるに決っている
これが普通の家の子供だったらルドヴィークに守る気も起きなかったことだろう。善悪とかで済まされないあまりにも高いリスク、領主としてのしがらみがある以上中央に引き渡す他ない
だが、これがマキナとなればそうも行かない。
ジークフリート・C・マキナ、ミドルブルー護衛騎士団副団長
七年前、勇者を作り出す邪法に妻とともに苦しまれ、二人目の娘ルナリーナが産まれてから鍛え直したジークフリート、彼はもう二度とあんな目に合わない為にと執念じみたように力を求め、当時この国でトップ50に入る実力者だったのが今やこの国で五本指に入る程だ。
家族を守る為力を着けたのに覚醒の儀に立ち会えず、よりによって勇者の覚醒の儀の護衛に駆け出され、娘が危険な目にあったのだ。これを知っただけでも反乱が起きかねない厄介事なのに、その彼の娘を引き渡すなどそれこそ自殺行為。超越者程では無いにせよそれに近い力の持ち主、人類の限界へ至った臨界者、その彼が暴れたら千万人規模の被害が起こる、そしてそんな事が起こったらミドルブルーそのものが無くなる
ルドヴィークにとって選べられる選択は唯一、口封じ。知られなければ良いのだ、そうすれば中央がルナを連れ去る事が起らない
幸い、第零管理センターを知るもの全てに魔法による秘密保護契約がある。『最低副局長権限を持つ者二人が認めた』場合、限定した内容を最高機密に指定できるのだ。
そして最高機密というのは、発動後、忘れると言う選択が与えられ、それを選べば念の為に最低一ヶ月の記憶が消え、時には数年分の記憶を失う
それを選べず、最高機密を受け入れるとうっかりとかで少しの情報を漏らすことすらも許されず、破ろうとする意識がある程度以上あった場合即死するだけでなく、うっかりである程度以上漏らしかけると手っ取り早い阻止方法として即死の危険がある程だ。
記憶を覗かれないようにプロテクションがかかるが、突破されそうになると機密を守る為にやっぱり即死
それどころか死後魂から情報を抜くことすら許されないように、契約は魂がエーテルに戻るまで作用し続ける。発動したら最後、死ぬまでプライベートでも気を緩め無い代物だ。
第零管理センター成立から今までの四百年で最高機密はたった数個。発動したらそれだけで局員の精神に恐ろしくストレスがかかるし、それで辞めちゃう者や鬱にかかってしまう者、もしかすると自殺者まで出かねない
それでも今が使い時だろうと判断するルドヴィーク
幸いにもここには領主と副局長がある、だから直ぐにでもーー
ルドヴィークがそう思った時、画面に異変が起きた
つよつよのお父様、ジークフリート!
但し出番はありません!
一騎当千?それって古代の諺でしょう?古代の戦争はスケールが小さいのだ!
カルデアでは一人の強者が数十万人を相手取れるものさ。対軍宝具連発の化物、これぞ英雄!出番はないがね
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