六幕「咲いた、全部」
―「…あれ…?…リリエスさん、ホテルじゃないんですか…?」
「…気付きませんか? こんだけ「狂」という言葉を聞いて」
「…は?どういうことだよ、リリエス」
「貴方方の名字です…気付きませんか??」
「…来咲だろ?…あ」
「来…くる…くる…くる…う…狂う…
…『狂』と『来」…?」
「...読み方が同じなのに何か感じなかったんですね? 人間は妄想が激しいはずなのに...
まぁ、選ばれし者ですから単純なのかもしれませんね」
「...それで、その読み方が同じなのとなんの関係のあるんだよ?」
「...まぁ、教えてあげましょう。
...貴方方は今は人間ですが、漢字変換を間違えた狂い者としての失敗作です。
...「壊仕返プロジェクト」の初作品が、貴方方なんです
壊仕返プロジェクト...
それは破壊魔に復讐するという目的でプロジェクトが創られました。
....狂い者と破壊魔の間に残る深い昔の歴史です
...今の狂い者でも、狂い者冒険家でも、化け者も知らないことです。」
「え?なんでリリエスだけ、知ってるの...? 本当は未来からきたならリリエスも知らないよね?」
「...私は10年後からきた毒親のマリオネットだと言いましたよね。
...酷い虐待と共に記憶が混乱し、
その記憶の中に壊仕返プロジェクトの記憶が現れた。
...私の先祖の一人は、壊仕返プロジェクトのリーダー。
夢の中で伝えてくれたんです...全てを
狂い者のはじまりは私の先祖と化け者。
...、壊仕返プロジェクトでは、狂い者の機械を製造していました
その初作品は姉妹ロボット...
「「狂咲異月」」 ... そして 「「狂咲無月」」 」
「っあ゛...ん゛....
ヴわあ゛あ゛あ゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛゛あ゛あっあ゛あっっあ゛あああああ゛!!!」
もう、嫌になって叫んでしまった。
「な、那月っ」
「あらら...嫌になってしまいましたか?
...まだ続きがあります
実は嫌われ者の化け者は、私の先祖に創られたんですよ。
わざと失敗作に仕上げ、病み度も高くし、二つ目の元凶にできるようにしたんです。
つらい思いをすればするほど、天罰能力や破壊力が上がり、空想への愛で溺れて現実を嫌う。
化け者を私の先祖に創られなければ、化け者は普通の人間、すなわち成功作になっていました。」
「...な、なんでだよ!!化け者は創られ無けりゃ破壊魔に破壊されなくて済んだだろ!?
それに、こんな残酷な世界で過ごすことなんて...」
「...化け者は破壊魔だらけのセカイを変えるために生まれた存在です。
私の先祖が化け者を創ってなければ天罰の存在などが無かったでしょう...
しょうがないのです、彼女の生まれた意味はそうなのですから」
「..っ....そんなの...残酷すぎるよ」
「そうだよ!! なんなんだよ!!」
「それは......全部人間のせいなんだよおおおおおおおおおおおっ!!
お前ら人間が破壊してるからだろぉ゛!? 破壊しはじめたからこうなったんだろっ!!
自業自得なんだよお前らはぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ゛゛ああ゛っあ゛っ!!」
「っっ!!」
「リリエスっ!!」
「あ゛あああああ゛あ゛ちっあ゛あ゛あ゛..あ゛ああっ...
...まえ.......死んぢまえ゛え゛゛ええええええええええ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あっっっ!!!」
「きゃあああああっ!!!」
「那月、逃げよう!!」
「うんっ...」