四幕「紅染鴉」
―「...そろそろ暗くなりますね。時間は儚いものです」
「で、私達の家ってあんの?」
「ありますよ。まあ家というか、ホテルですが...
安心してください、料金は無料になりますから」
「...ねぇ、リリエス...あれってなに...?」
私は夕焼け空に、奇妙な鳥を見つけてしまった。
「あー、あれは紅染の鴉ですね。私の友人でもあります」
「紅染の鴉...なんかかっこいいな!そいつ。」
「...貴方、中二病ですか」
―バサッッ。
「よっ、リリエスー。...お、そっちは招待された人間?」
「はい。来咲那月さんと来咲依月さんです」
「おー、姉妹かな? あたしは紅染ダイヤ。よろしく」
「よろしくー。紅染の鴉ってなんかかっこいいね」
「ははっ、でしょ?」
マイペースで怖いもの知らずなお姉ちゃんが、ダイヤさんに話しかけた。
「...あ、そろそろホテルにチェックインしないと」
「お、ホテル行くの?あたしもホテルなんだー。一緒に行こうよ。」
「いいねー、いこいこ」
こうして、私達とダイヤさんは、一緒にホテルに行く事になった。
―「へぇ、那月たちの親って声優なの? すごいじゃんかー」
「あはは...ダイヤさんの親は?」
「あたしの親、虐待魔だったから...虐待されているところを化け者に救ってもらったんだ」
「へぇ、化け者...すごいなぁ」
「那月と依月は化け者に会ったことないの?」
「ない。」
「へぇ、そうなのか。夕方とか夜にこの町のパトロールしてるから、今探しにいってみたら?」
「いいですね。じゃ、早速行きましょう、那月さん、依月さん」
「は、はいっ」