三幕「心狩り」
―「ふぁー、おいしかった。
最初はちょっとこれ苦手かなって思ってたけど、食べていくうちに段々おいしく感じるようになったよ」
「...うん、結構おいしかった」
「よかったですね。これでこの世界のこと、少しは良く思いましたか?」
「まぁまぁな☆...あ、リリエス、この世界って異世界的なものなのか?」
「まぁ...人間から見ればそうでしょうか。」
「へぇ」
「じゃあ次は、心狩りを見学しましょうか」
「心..狩り?なんじゃそりゃ...」
「狂い者は、自分たちの心を壊した精神破壊魔の心の血を噴き出させて破壊したりするのです。
心の肉も、精神破壊魔からできてるんです」
「そ、そうなんだ...」
「怖がる必要はありません、楽しいものですよ」
「まぁ、ならいいんだけど...」
「よっしゃ、じゃあいこうぜ、リリエス」
「はい」
―「きゃははははははははははっ、あはははははははっ、ははははっあはははっ、あっははは」
「天罰天罰あああああああああああああああああああああああああああひひひひひひひあはははは」
「きゃは、えいっ...ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
「な...に...こ...れ....っ?」
「これが、精神を壊した人間の末路...悪いことをした者には悪いことが返ってくる。
これがこの世界の理ですよ」
そこで私たちが見たのは、沢山の人間の心から血が噴き出し、破壊されていく様子だった。
「...ほら、あいつが狂い者の元凶である「嫌われ者の化け者」。
あいつは天罰を下す能力を持ち、人間に心を破壊されている者を誘いここに連れてくるんです。
天罰能力を仲間にも分けて、それで心狩りをしているのです。」
「...」
それでしばらく、リリエスの説明を聞いた。
人間が残酷だということ。
運命が残酷だということ。
世界は破壊魔だらけだということ。
化け者は偉大だということ。
人間は恥だということ。
―そして、リリエスは―
「...私は元々この時代から約10年後からきた、飼い殺しにされているだけのマリオネットでした。
破壊魔増加により時空が歪んてタイムスリップしてきたんです―」
破壊魔増加で、時空が歪む。
そして、時間が歪む。
全てが歪んで、タイムスリップ現象が起こるらしい。
「狂い者冒険家という者がいるんですが、その人も427年からタイムスリップ現象で来たんですよ」
「427年?そんなに昔から破壊魔やら狂い者やらがいたんだな...。」
もう私はこの時から確信していた。
-元のセカイに戻ったとしても、もういつもの生活はできないと。