6.麟仙という方々に呼び出しをくらいました。私ヤバいかもしれません。
ご拝読くださりありがとうございます(涙)
は?
「だ・か・ら、これからね?調査を行うから、ちょーっと協力して欲しいって言ったんだよ、星凛ちゃん!!!」
乗り出して言い寄って来た。
「あ、あの、言われている意味が分かりません。調査って何ですか」
すると今まで一言も喋らなかったこの場にいる最後の男性が立ち上がった。その瞬間、四将が全員跪いた。
「碧。いきなりすぎです。順序立てて説明しなさい」
「・・・申し訳ありません」
か、葛花さんが超丁寧に謝ってる。
「緋ゐろの弟子」
「はっ」
「すみませんが、残り三柱の麟仙をここへ呼んで下さい。おおよそ水天宮にいるでしょうから」
「かしこまりました」
それだけ言ったと思うと、如月さんが消えた。四将に指示を出すこの人は私の方を向いた。薄い黄金色の瞳と静かな深海みたいな瞳のオッドアイ。目を疑うくらいの美貌と柘榴色の髪が、頭から被っている薄い絹の間から垣間見える。モノクルをかけていて、とても知的な容姿をしている。
私は思った。これは人間なのか?
「やぁ、桜麒星凛さんであっているかな?」
あまりの美しさにぼーとしてたので、この人に声をかけられるという不意打ちをくらっていまった。
「へっ、あ、はい!」
「すみませんね。馬鹿な我が弟子を許していただきたい」
馬鹿な我が弟子?美しい人は葛花さんを見ていた。あれ、もしかして・・・
「あの、葛花さんを鬼面者にした師匠って、貴方ですか?」
美しい人は薄く、でも優しい微笑みでうなずいた。
「ええ、私ですよ。碧を鬼面者に仕立てたのは。この子には生まれながらに才がございましたから」
「そう、なんですね。でも、思っていた方より綺麗で優しい方ですね。あっ、お名前は」
美しい人は、あっとした顔をした。
「そうでしたね、申し遅れました。私は、紺と申します。もっとも、鬼面者の子たちには闇月の君と呼んでくれていますが」
紺様・・・改め、闇月公。そして、四将の人たちより格上の存在。私、なんかとんでもない人と話をしているのでは?
「さてと、もうすぐですかね」
「えっ?」
闇月公はにこりと微笑むだけだ。その時、チリーンと風鈴が鳴ったような音が聞こえたかと思うと扉が開き、消えていた如月さんと二人の男女が入ってきた。美しい長い着物に羽衣を纏って、所狭しと飾りをつけ、金と紅の瞳と髪が美しい女性。そして、上半身が殆どはだけていて、筋肉のついた胸板とライオンのたてがみのような白銀の髪を持つ男性が入ってきた。
「麟仙、紅蜜の姫、並びに玉伯公をお呼びしました」
「やぁ、二人とも。すまないね、呼び出してしまって」
「いいや?妾は楽しみであったからの。謝る必要はないぞ」
「ああ、俺も楽しみだったから問題ないぞ!!がははは!!」
「あの、闇月公?えーと・・・どちら様ですか、この方々は?」
「ああ、紹介いたします。こちらの女性は緋ゐろ、子たちには紅蜜の姫と呼ばれております。・・・・・・そして隣にいるゴリラのような獅子のような阿呆はーー」
「玉伯公という!!名は雷獅と申す!!よろしく頼むぞ、星凛殿ーーーー!!!!」
思いっきり闇月公の言葉を渡っちゃいましたけど!?だ、大丈夫ですか!?
「うん?紺よ、そなたそのような頭に血が昇ったような尊顔であったか?まあ、どうでもよいか!!がははは!」
いやいや玉伯公!あなたがやらかしてるんですって!・・・み、見れない闇月公のか、顔が・・・・・・
「はぁーーーーー。まあ良いとしましょう。さして緋ゐろの弟子よ、私は三柱を呼ぶよう言ったと思うのですが、どういうことですか?」
闇月公、ただ質問しているだけなのに何だろう、この覇王のような威圧感が薄っすらと、でもしっかりと分かる。
「はっ。紫檀公は、水天宮にはいらっしゃらず、取り急ぎ使いの方に言伝はお伝えをいたした次第でございます」
すると、紅蜜の姫が少し前に出た。
「これ、そんなに妾の愛しい緋の姫をいじめて楽しゅうか、紺?」
「おっと、それは申し訳ありません。すみませんでした、緋ゐろの弟子」
「いえ、めっそうもございません。私の言葉足らずでございます、申し訳ございません」
すごい、如月さん・・・!あの闇月公の威圧を浴びてもびくともしてない!
「まぁそれはさておき、師匠、この方々にお話しがあるんでしょう?」
「おっと、そうだったね。さっそく話しをしに行こう」
そう言うと、葛花さんに目配せをした。
「それでは、麟仙の方々、暁の間へお進み下さいませ」
葛花さんがそう言ったとたん一つの扉が開いた。そこの扉に紅蜜の姫と如月さん、その後ろを玉伯公と蒼白さん、柳水さんが続く。
「さっ、私達も行きましょうか」
闇月公が手を出してくれた。
「は、はい」
いっ、いったいどうなるんでしょう、私・・・?
闇月公の手を取り、私たちも進んだ。全員が元居た部屋からいなくなると、無造作に扉が閉じた。
「あの、私はどうなるんでしょうか?」
「あ~、大丈夫ですよ?これからは、私達麟仙とあなたのみでの話し合いですから。何も致しません」
「えっ、葛花さんたちは?」
「別ですが大丈夫ですよ。部屋の外で護衛です」
なるほど。でも、私どうなるんだろう・・・?お、恐ろしくなってきた。
少し歩くと、暁と書かれた部屋に着いた。その部屋に麟仙と呼ばれた方々、玉伯公らが入っていく。葛花さんたちは部屋に入らず周りに座っている。
「さっ、入りますよ」
「はい」
部屋に入ろうとした時、葛花さんが私にグッと親指を立ててくれた。
「がんばりや」
それを言ってくれて勇気がでた。よし、い、行くぞ!
部屋に入ると、扉がまたも無造作に閉まった。
「では、始めましょう。二百年くらいぶりですかね?集まって話しをするのは」
「いいやぁ、百六十年ぶりじゃ」
「うむ、まぁよいではないか!!」
に、二百年ぶり!?こ、この方たち、一体おいくつなんだろう。
「ああ、私達は、一番最初の棟、「麒麟棟」の鬼面者で最初の人であった鬼面です」
はい??
「あ、あの。どういうことでしょうか?」
闇月公はゆっくりと微笑んで話してくれた。
「そうですね。まずは、私達の事をお話ししましょう」
この話が、これからの私の人生を奈落の底へ招待するカギになるとは思っていなかった。
面倒ごとに巻き込まれ過ぎてる私ーー
(なんでなんだろう、私何か悪いことしたかな?いや!悪いことをされてもしてないはず!・・・はず!)
どうもです、稜なんです。
あの、最近熱くないですか?ほぼ毎日30度越え、ひぇぇっ、おっそろし!夏ですね~。
私も毎日暑さと戦いながら書いてますが、最近思うにエアコンは神だということ!!
さて、そんな私事話は置いときまして、麟仙の人達の姿を想像して書くのは楽しいです。ワクワクしますから。
あっ、小話ですが、「私」の容姿については、あまり今後も触れないつもりなので、ご想像におまかせします。あとがきが長くてすいません(汗)それでは、これからも、応援していただけるよう頑張ります。それでは!