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4.なんか霊的な才が異常らしいです。どうしましょうか?

「ようこそ、鬼面者の世界へ」


 鬼面者の世界、ね。これからどうなるんだろう。まぁ、なるようになるよね?


「よ、よろしくお願いいたします」


「うんうん。これから鬼面者学校に転校生っちゅうことで君は入学するやけど。ああ、お母さんはもう知っとるよ」


 転校生か。・・・うん?


「お母さんも知ってるってどういう事ですか!」


「君のお母さん、桜麒天音(あまね)さんは元々陰陽師の本家の人間だったんだけど、家を飛び出して結婚、出産、て感じで今に至るってわけなんや。だから、鬼面者っちゅうもんの存在も知っとるし、自分の娘に霊的な才があるのも分かっとったんや。だから説得するのは少し骨が折れたんやけど、最終的には受け入れてくれたってわけや」


 頭が混乱する。お母さんが陰陽師の本家筋?よくわからない。


「陰陽師って何ですか」


「陰陽師と鬼面者っちゅうんは元が同じなんよ。どちらの元祖も「麒麟棟」の方々が最初や。陰陽師は、特に大きな霊的な才をお持ちだった麒麟の方が始めた。主に封印や祓いを専門として、今の時代でいう霊媒師ってとこやな」


 それの本家の血。だから私は霊的な才(?)があるのね。


「まー、そういう事もここで教えてもらえるから。そいじゃー、豹真(ひょうま)桐子(きりこ)、この子は桜麒星凛ちゃん。後のことを頼む」


 そう呼ばれた男女は跪いた。


「「かしこまりました」」


「え?おいてけぼりですか⁉」


「大丈夫や。後はそこの二人が何とかしてくれる。そいじゃなー、また迎え来るからぁ~」


 それだけ行って葛花さんは飛頭さんに乗って消えた。


「えーと、星凛って言うんだよね!りんって呼んでいい?あたしは、巳影桐子(みかげきりこ)っていうの。きこでいいよ!!友達だね!!」


 葛花さんが居なくなったと思えば、いきなり詰め寄ってきたウルフカットの女の子は桐子ちゃんというらしい。凄く明るい子みたい。


 友達か。少し感極まって涙腺が崩壊しそうになると、凛とした声が割り込んだ。


「おい!きこ、驚いてもうとるやろが!あっ、俺はこいつの幼馴染で笹氣豹真(ささきひょうま)いうねん。豹真でええよ。そうゆうこっちゃでまっ、よろしゅう」


 もう一人の男の子はピアスを付けていて、切れ長の目が印象だった。ただ、瞳の色が少し血のような濃さを持っているのが気になり、まじまじと見つめていると、豹真が「ああ、これ?」と言って自分の目を指さした。


「俺は《金平鹿(こんへいか)》っちゅう化物(あやかし)の鬼面者やねん。まぁー端的に言えば鬼やねん金平鹿(こんへいか)っちゅうんヤツは。こいつは鬼の大将やっとったからかなぁ、こいつの鬼面者になると、こいつの呪いの重みで目が(あこ)うなってまったんよ」


「へぇ~・・・って鬼!?」


「そう!ヒョーはこの学校の中では一番強い鬼面者なんだよ!」


 きこは笑顔で自慢している。いちよう幼馴染だからかな?


「まっ、そう言うても碧師は二体も鬼面を持ってはるんやから異常やな。まぁ、今代の四将の方々はどのお人も異常やけどな」


「えっ、葛花さんって二体も鬼面持ってるの?」


「うん!碧師は読心の《覚》と酒呑童子の配下四天王の一体、《金熊童子》を持ってらっしゃるもんね!」


 か、葛花さん。あなた結構異常者なのでは?


「まーいい。今日は6月1日やから階級分けに行くでー」


「はーい」


「階級わけってなに?」


「階級わけってのはーー」


 豹真は階級分けについて話してくれた。この学校は、クラスというものが階級・・・霊的な強さと鬼面者としての技量によって分けるらしい。霊的な強さは成長してもあまり変わらないことが多いが、鬼面者としての技量は実戦経験によって高められるから、毎月1日に階級分けするらしい。豹真ときこはこの学校でも上位の鬼面者なのだとか。


「へぇ~。でもそれだと鬼面を持ってない私はどうなるの?」


「ああ、そうゆー場合は霊的な強さで決めるんや」


「私とヒョーも来たときはそれだったよー」


 なるほどね。そこから少し雑談をしていると。


「着いたで。ここが階級分けの場所や、これから毎月来るから覚えときよ」


「は、はい!」


 着いた所は少し大きな小屋だった。みんあ集まって来てるな・・・。私たちは列に並んだ。


「よし、次」


 豹真の番だ。豹真は手を水晶のような物にかざした。


「笹氣豹真!霊値93、技量67。階級分け結果、紫紺!」


 ここの先生らしい隣に立っていた男の人が高々と言った。周りが少しざわめいた。


「やはり笹氣くんは今月も紫紺かー」「やっぱりか」「すごいなぁ笹氣」


「よし、次」


 つ、次は私の番だ。私は歩いていった。


「ああ、君は碧将様の・・・それじゃあこの水晶に手をかざしてくれ」


「あ、はい」


 手をかざす。


「はぁぁぁ!?」


 先生が目を見開いた


「さ、桜麒星凛!霊知134、技量無数。階級分け結果、紫紺!」


 周りがさっきよりもざわめいた。


「あ、あの子が霊値134!?」「ありえないわ・・・」「どういうこと!」「誤作動かな?」「なんなんだ」「確か青龍管轄で碧師以外の人で最も霊値が高いのは、不知火神子(しらぬいみこ)先輩じゃなかったか」「そ、そうだ。そして不知火先輩の霊値は・・・」


「霊値127」


 先に終わった豹真が言った。その時、ふと陰ったかと思うと葛花さんと真っ白の服を着て、鍛えたのであろう体が少し服の隙間から見える謎の男の人がいつの間にか屋根に腰かけていた。


「いや~、やっぱり星凛ちゃんにはなんかあるなぁー。せやから言うたやろ?《(がい)将》」


 皚将?


「うるさい。お前は俺を強引につれてきただけだ」


「つれないやっちゃなぁ」


 どういうことでしょう?これって私異常ってことですよね。はー。どうしてこうなんのか。

周りの鬼面者(生徒たち)は二将が来てーー

(えっ、今日は厄日ですか)(きゃー!あ、あの皚師と碧師が目の前に・・・!)(皚師・・・殺してやる!)(ま、マジで、か、神すぎやろがぁぁ!)


どうもどうも、稜です!またもや新キャラ、桐子ちゃんと豹真くん!二人とも実は家が隣どうしです。実は桐子ちゃんは豹真くんのことが・・・・・・あ、こいつバカだ。と思ってますが、豹真くんは?

また、この二人の関係にも気にかけていただけると幸いです。

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