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9.新しい家族はもう結構です。

最近多かったり少なかったりです。

「それじゃあね、星凛ちゃん」


「ありがとうございました」


 葛花さんに送ってもっらい、私は朝になる前に家に帰ってきた。


「ただいまー」


 ()()()()()。いつもならお母さんが「おかえりー」って返事をくれるけど、いるわけない。だって私はお母さんが鬼面者の頂点、麟仙だと知った。きっと今はお母さんの弟子の波賀さんって人に私の学校に来ることを伝えてると思う。


「頭パンクしそうだよ。お母さん・・・・・・」


 色々あったなぁと思いながらお風呂を沸かしてソファーにだらけながらスマホを手に取った。


「メモを開いてっと」


 まずは情報を整理しよう!


「えっと、私はまず麟仙である闇月公である紺と紫檀公の天禰の娘」


 そして私は大昔に生まれたけど、霊力の膜によって今の時代まで眠っていた。それとお母さんとたちは・・・・・・


「もう、死んじゃってるんだったよね・・・」


 そしてお母さんたちは鬼面になった。


「難しい!!こんがらがって大変だよ」


 そんなこんなで頑張って整理してると、扉が開く音がした。


「ただいまー」


 お母さんの声だ!そうだよ、お母さんに聞けばいいじゃん!


 急いで玄関に行くと、そこにいたのはお母さんだけじゃなかった。


「ねえ・・・お母さん。何で闇月公がいるの!?」


 そうだ、そこにいるのはどっからどうみても美男だ。だけど完全に闇月公・・・なんで?


「あれ?天禰、私言ってませんでしたかね?」


「いいえ?言ったわよ」


 言った?なんの事・・・・・・あっ!確か闇月公の鬼面者になってもらうってそういうこと!?


「まっ、ていうことでしばらく一緒に暮らすことになるから」


「でも!部屋ないよ?しかも闇月公がずっとくっついてたら困るんだけ・・・学校あるし」


「ああ。それなら大丈夫です。私ソファーで良いですし、変身もできるので」


 そう言うと手をパンッと叩いた。すると目の前にいた超絶美男は消え、紺色の髪留めになった。


「え?闇月公?どこいったんですかー」


「いやいや。私ここにいますよ?」


「はい?この手にある髪留めが闇月公だって?」


「んー。天禰、説明お願いします」


 どうやら闇月公は説明が面倒くさいらしい。ちゃっかりお母さんに説明させてる。


「分かったわ。星凛、私たちは鬼面って言ったでしょう?つまり元はただの面よ。だからこうして見えているのは私たちが霊力で形どってるだけ、つまりは形どるモノを変えればいいだけよ」


「えーーと、つまりお母さんたちは姿を変えれるってこと?」


「さっきからそう言ってるわ」


 なんとなく理解。


「取りあえず紺も戻って?星凛、お風呂沸かしてくれた?」


「うん」


「さっすが!ありがとね」


 あぁ、いつものお母さんだ。こんな平穏を乱した原因は・・・。



 お風呂が沸くまで私は部屋へ、闇月公はテレビを見ることにした。お母さんは言わずもがな家事だ。いつも頭が上がらない我が家の女王だと私は勝手に思ってる。


「取りあえず!」

 

 私はベッドにダイブした。もっふもふのベッドが癒される!


「・・・・・・私がお父さんに会ったのは4歳の時。ほとんど覚えてない。でもその時の姿は闇月公じゃなかった。・・・どうせ変身だかなんだかしたんだろうけど」


 今更帰ってこないでよ。


「星凛~ご飯の前にお風呂行っておいでー」


 お母さんだ。どうやらお風呂が沸いたみたい私の部屋は二階建ての上の階の階段から一番近い位置にある。だから下の声もよく聞こえる。


「は~い。すぐ行くよ~」


 スマホを充電機に繋いでっと。ちゃっちゃと制服からパジャマに着替えて下に降りる。


「お風呂先いくね」

 

「ええ。行ってらっしゃい」


 一階の突き当りがお風呂場だ。


「そういえば・・・闇月公が見当たらないけど?」


「ああ、紺なら二階の書斎よ、読書がしたいらしいわ」


「ふ~ん」


 取りあえず私はお風呂場に向かった。着替えて体を洗い、湯船に浸かった。


「はぁ~!ごくらく~!!」


 やっぱりお風呂だな~。


 私は湯船に浸かりながらぼーっと考え事をした。


「明日も学校か~。どうせイジメ再開でしょ、あーーー憂鬱だー!憂鬱すぎるー!」あっ、そういえば如月さんと波賀さんも学校に来てくれるんだっけ?」


 なんとかなるかな?


 私は期待と憂鬱を引きずりながらお風呂から出てパジャマの袖に手を通した。


「あら?もう出たの?」


「うん、歯磨きも終えたし、もう寝るね。おやすみ」


「ええ。おやすみ」


「おやすみなさい」


 お母さんと闇月公が返してくれた。


 お母さんだけでいいのに・・・・・・。


 そう思いながら眠りについた。



「起きなさい!」


「はぁ~い。ふわぁ~」


 朝っぱらにお母さんがお越しに来た。いつものことだ。あー「いつも」っていいな~。唯一の汚点としては闇月公がいることくらい。


「降りてきなさい。下にスクランブルエッグ用意してるから」


「ほんと!?スクランブルエッグ大好き!ライ麦食パンも?」


「ええ」


 やった!私の好物はたくさんあるけどスクランブルエッグも大好きな食べ物!朝からやる気UP!


 急いで顔を洗って制服に着替えて下に降りた。それはもうわくわくで。


「おはようございます」


 そんな浮かれ心地でいたからだろう。朝から離婚したと伝えられてた闇月公(父親)がいて一気に急降下した。正直に言えば嫌いだ。


「どうも」


 普段なら人に素っ気なくすると注意するお母さんも今日は許してくれたみたい。まあ、お母さんの中でも申し訳なさがあるのかな?


「お母さん!ご飯!ご飯にしようよ!」


「分かってるわよ」


 お母さんは美味しそうな出来立てスクランブルエッグとライ麦パンを出してくれた。私はスクランブルエッグをすくってパンにはさんで食べた。


 ん~!!やっぱりこれこれ!昨日の夜に色々あったからありがたいなぁ~。


「星凛、今日は柳水と栖儺目さんが学校に入って色々助けてくれるからね。それと紺は今日はついて行かないわ」


「うん。分かった、ありがとう」


 お母さんはイジメがあった事をしってる。だからこそ、その「色々」の内容は想像がつく。


「ごちそうさま。行ってきます」


「行ってらっしゃい」


「気を付けて下さいね」


 扉を開ければ、私の憂鬱な気持ちとま反対な快晴だった。


 私は奈良県伊戸鹿(いとか)市にある神楽目(かぐらめ)中高一貫校高等部に在籍してるガチのJK (高校生)のいじめられっ子。


「とかなんとか考えてたら着いちゃった」


 取りあえず下駄箱に行って持ってきた袋から上靴を取り出して外靴と変えて、かばんに入れる。下駄箱に入れたら帰ってこないし、水浸しだったこともあるからその教訓。


 私の学校は三階まで、私は一年だから三階まで階段で上がる。


 教室の前で恐怖が襲うけど上手く隠す。絶対に。そう決めて扉を開ければ毎度お馴染みのいじめっ子共が一斉にこっちを向いて笑ってきた。


「ふふふ。ねえねえ?ほんとに来たよ?」


「生きてたなんてね~。せっかく机にお花をおいて飾って来たのに~」


 やっぱりこうなるんだ。


 恐怖と同時に苛立ちが募るがぐっとこらえて机に座り、花瓶を後ろの棚に置いて机の落書きをせっせと消した。


 消し終わったのは先生が来て、朝礼が始まるほんの少し前だった。イジメられてからの日課になってる。先生はこの事を知らない・・・。というか私が感ずかせないようにしてたんだけど。


「席につけー。今日はこのクラスに転校生が二人来るぞー」


 その言葉にクラス中の男女がざわっと話し出した。


「誰が来るの?」「女子!女子がいい!!」「いや、それなら美人な女子だろ!」「うるさい男子!絶対超イケメンな兎秋くんみたいな男子がいいよ」「そうそう!!」


 一瞬で「転校生」というワードに染まったこのクラスを、私はとても単純なやつしかいないなと思う。


「それじゃあ、入って来てくれ」


 ガラッ、そう入ってきたのは誰がいても美男美女の男女。


 だけど私はこの人たちを知っている。どっからどうみても如月さんと波賀さんだ!


「じゃあ自己紹介を頼む」


「初めまして、如月莉子です。よろしくお願いします!」


 先に挨拶したのは栖儺目さん、どうやら名前を変えるみたい。


「・・・・・・笠木柳水。よろしく」


 相も変わらず波賀さんは「寡黙」の一文字だ。


 それでもクラス中浮足立ってる。すごい力だな。


「さてこの先どうなることやら」


 ボソッと言った言葉を聞きとる人はいなかった。

自己紹介をした如月ーー

(いや~私もう高校卒業してるんだけど、こんなにきゃーきゃー言われると照れるわ!!)

ちょっと切れ気味・・・何故? 


ご拝読ありがとうございました!

金木犀 稜です!

私は経験がないんですが、いなくなった身内が帰ってきたらあなたはどうします?

私は怒るか泣くかの二択しかないんですが。。。

さてさて、柳水くんと栖儺目ちゃんが転校生として、そして星凛のSPとしてこれからいろいろ大活躍です!

栖儺目ちゃんはいちよう大学二年くらいの年ですが、大学には行っていません。

鬼面者の人たちはほとんどが両親がおらず、たいてい鬼面者にいた人に拾われた子ばかりです。

では!小話もほどほどに。

それでは次でまたお話しましょう!

ありがとうございました。

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