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さつきとグレイシア

あんなの回復魔法で多少は回復したもののダメージの大きかった神人達はひとまず工房へと戻ってきた。

「先生、メディカルシステムを用います」

「ああ、頼む」

シフィが神人に対してメディカルシステムを使用する。

「・・・話は聞かせてもらえるんだな?」

神人は治療を行いながらさつきに問いかける。

その場には修復を行いながらメンバー全員が同席していた。

「さつき・・・」

あんなが不安そうにさつきに目を向ける。

「わかりました、全てを話します」

重い口を開くさつき。

「私の本当の名はグレイシア、この世界とは異なる世界で生まれた人間でした。私はその世界で大魔法使いとして生き、ある戦いに参加し、そこで死にました」

「・・・!」

あんなが息を飲む。

「私は戦いで死んだはずなのですが気がつけばなぜか魂だけの状態になってこの世界を彷徨っていました。そして・・・あの場に遭遇しました。博士と呼ばれた人物があなた方4姉妹の記憶を消し、再起動した場面です」

さつきは更に続ける。

「あなた方3人は再起動に成功しましたが、さつき、彼女だけは何らかのエラーが発生し、人格データが破壊されたのです」


「そこを彷徨う魂の方・・・」

本来のさつきがグレイシアの魂に語りかける。

「私の存在がわかるのですか?」

グレイシアがさつきに返す。

「はい、私の人格はまもなく消滅します、そうすればこの身体は空っぽになります、あなたがよければなのですがもしあなたが身体を求めるのであればこの身体をお使いになりませんか?」

さつきがグレイシアに問いかける。

「え・・・でも」

グレイシアは困惑する。

「私の隣にいるこの子は私の双子の姉で、私がいなくなったら悲しむと思うんです。どうか私の代わりになっていただけませんか?私のパーソナルデータ自体はドールハートに、身体の心臓部に残っているのでそれを引き継いでいただければ、ご迷惑かもしれませんがどうか、どうか・・・」

さつきは懇願する。

「わかったわ、私があなたになります」

グレイシアは決断する。

「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします・・・」

さつきの人格は消滅した。

「ドールハート・・・ここに取り憑けば・・・」

そしてグレイシアはさつきとして目覚める事となった。


「そんな事が・・・」

あんなは呟く。

「ごめんなさい、私が偽物で・・・」

嘆くさつきであったが、そんなさつきをあんなが包容する。

「うんん、あなたは紛れもないさつきだよ、今まで何度も助けてくれた愛しい大切なさつきだよ」

「あ、あんな・・・ありがとう、あんなぁ・・・」

二人は泣きながら抱き合う。

そんな様子を神人達は温かく見守るのであった。

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