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三話 『影の洞窟』突然の襲撃者あらわる!

 剣と魔法、そして魔物も存在している世界『オール・ド・ブリタニア』という異世界に飛ばされてきた私。もちろんその私の目的は超ドS様にイジめられたいこと!!あ、物理的なものだとさすがに痛いので言葉責めでお願いします!!


 まだまだ人身売買が起こる気配は無さそうだけれど、何か嫌~な気がするのよね。現実だとつまらない客が訪れる前兆、って感じ。あ、バカにした?私の勘は結構当たるって評判が良いんだから!

 世界のことは同じ部屋に『奴隷』として今このときを過ごしている住人からあらかた聞くことができた。最近の異世界ファンタジーっていうのはよく出来ているのね。剣はそこそこ頑張らないとダメかもしれないけれど、魔法だなんてほぼチートじゃない?腕力が劣っていたって魔法を使える技術さえ身に付けてしまえば『我、最強なり!ははは!』という感じになってしまいそうだけれど。

 そこはまだまだ剣術も魔法も、そして魔物の存在とやらもバランス的には同じぐらいなのかしら?ここにいる夜盗たちは残念ながらSっ気のあるヤツは期待できそうにないわね。できることならばイジめが趣味だという超ドS様にお目通り願いたいものだわ!


 バシャッ!!!!


「おら、起きろ!」


 え、冷た……水、かけられたの?なんでよ!?私はとっくに起きてるわよ!!


「何、してんのよ!水がもったいないじゃない!水は飲むためにあるのよ!人にぶっかけるだけの水があるならそっちに横になっている人に飲ませてあげなさいよ!ついでに栄養のあるものでも食べさせてあげなさいよ!」

「ったく、今日もうるせぇ女だなぁ。上玉のくせに性格最悪じゃねぇか?」

「アンタたちがうるさくさせてるだけでしょ!……まったく」


 たぶん、水っていうのはどの世界であっても大切なものだと思う。もちろん毎日の生活には欠かすことができないもの。飲み水としてはもちろんのこと生活用水として使われる水は大量に必要だ。あー、気が付けばこっちにやってきてからというものまともにお風呂入れてないわよね。たまに飲み水の余りを使って髪を流していたけれど綺麗ではないだろう。

 って、こっちの私って髪が長い!!もともとの世界でも肩ぐらいまでで切りそろえていたんだけれど、背中に手をまわしてみれば簡単に髪に触れられる、それぐらいの長さだった。色……私の髪の色って何色なんだろう?異世界に来て変わったりしているのだろうか?


「っ、きゃぁ!い、痛い痛い!!!やめてぇ!」


 悲鳴が聞こえたものだから慌ててそちらに顔を向けると薄暗いなか、強引に腕を引っ張られて連れて行かれそうになっている女性が!


「ちょ、何してんのよ!痛いって言っているじゃない!やめなさいよ!」


 縛られている身では、声だけで反論するのが精一杯。それでも効果はあったようだ。


「いちいち、お前はうるせぇんだよ!コイツにお声がかかったんだ。連れて行くのは当たり前だろうが!」


 お声?

 ……まさか、それって売られていくってこと?買い主があらわれたってこと!?いつの間に!!

 人身売買は良い意味でも悪い意味でもこの世界ではおこなわれているそうだ。しかも公に。だから今まさに連れて行かれようとしている女性がどちらの意味合いで連れて行かれそうになっているのか分からない。でも、売られるってやっぱいい気分じゃないよね……。


「い、嫌……っ、やめてぇ!おねが……っ、たすけ……て」


 もしかしたら良いところに売られていくのかもしれない。逆にこれから地獄を迎えるのかもしれない。でも、そのどちらでも今の私には関係なかった。無理に違法店に出させようとしている悪徳業者みたいじゃないの!!


「こら!!やめなさいって言ってるでしょ!」


 そう私が叫ぶのと同時にどこかで岩か何かが壊れていくような音がした。岩が壊れる音って大きいから私の叫びなんて誰の耳にも届かなかったことだろう。さらに、何かが叫んでいるような声。これは人間の叫び声も混じっているかもしれないが、あきらかにそれだけじゃない!!


 ギャォォオオオオ!!!!


 な、なんの叫び声!?耳に、そしてお腹にも大きく響く叫び声に身がすくんでしまう。……と、岩が壊れてきてくれたおかげで腕を縛り付けていた縄がゆるんだ!チャンス!!するりと自由の身になると他にも自由になったが自分でまともに動け無さそうな人たちに手を貸し、一刻も早くこの場から逃げようと考えた。


 裸足で正直痛かったけれど、下手をしたら岩壁が崩れてきてぺしゃんこに潰されるかもしれない。そう思えば今までに出したこともない脚力で檻から出ることに成功した!(もともと檻自体は古く弱っていたみたい)


 痛い痛い、足が痛い。でも出口に向かわなければ!一緒に檻を抜け出してきた人はたくさんいる。無理に連れて行かれそうになっていた子にも声をかけて促せば一緒に逃げてきている。出口はこっちで合っているだろうか?

 その間にも『影の洞窟』内の夜盗たちは混乱しっぱなし。ちょっと可哀想だ。こんな状態なのに『早く金品を持ち出せ!』とか命のことよりも金品を優先している。ほんと、バカじゃないの!?


「アンタたちも!今はそんなことより助かることを考えなさいよ!このままここにいたら死んじゃうわよ!」


 私の言葉が刺激になったのか、それとも混乱が落ち着いてきたのか、夜盗たちも出口に向かっていった。あ、そっちが出口なんですね。道案内助かります!!!夜盗たちに続いて『奴隷』として捕まっていた多くの人たちが洞窟から出た。

 あ、まっぶしーっ!!!

 外は青空が広がり、大地には緑が広がり、とても気持ちの良い光景だった……が!!!そこには異質な存在も堂々と立ちふさがっていた。所謂、『ドラゴン』というヤツではないだろうか?首が長くて爬虫類系の見た目。ファンタジーものには欠かせない存在だった。あ、コイツが暴れていたせいで洞窟から出られたのかもしれない!ありがとう!ドラゴン!!!


 が、ドラゴンはやけに興奮しているようで暴れっぱなしだ。大きな翼が羽ばたけば突風が吹いて人々の悲鳴があがる。そして口からは今度は炎のようなものまで吹き出しそうに構えているではないか!!これは、まずいぞ!絶対この位置だと巻き込まれる!!!


「や、やめろーーーーっ!!!!」


 このままここでジ・エンド?それはやだなぁ……だってこの世界にはドS様がいっぱいいるんでしょ?だったらまだ死にたくないよ……。そう思って必死の叫びとともに通常であれば炎を吹くはずだったドラゴンは……大人しくなってしまった。

 え、何があった!?まさかここで伝説の勇者的な存在でも登場したのだろうか!?『ドラゴン退治に来たぞ!』って感じで。でも、そのような存在は今のところ見られない。しかもあのドラゴンは……私を見下ろしていないか!?

 い、いや、大きすぎてどこを見ているか分からないけれど!でも、こっち見てない?

 大きなドラゴンの存在に夜盗も『奴隷』たちもガタガタ震えるばかり。私も分からなくて混乱中。とりあえず命は助かったようなので安心した。


「……め、女神……」


 女神?夜盗か、それとも『奴隷』の誰かが言ったのだろうか。女神と聞きなれない言葉が聞こえてきたもののそれが誰のことを示しているかが分からない。誰かが発した『女神』発言に辺りはざわつきはじめた。


「女神様だーーっ!!!」


 だから、その女神ってなんなのよ!

 ドラゴンはその場に居合わせたまま大人しく翼を畳んでしまった。表情も心無しか穏やかになったような(?)よく分からないけれどね!

 でも、その『女神』ってなんなの!?

『超ドMは超ドSに会いたくて…』お送りしています!

ファンタジーものといったらドラゴンは欠かせない!と思いました!!!ははは!


主人公の気が強めではあるのですが、物語や主人公(他キャラクターまだ出なくて寂しい)に共感できましたら、是非『ブックマーク』や↓にある『☆☆☆☆☆』マークを押してあげると幸いです!

これからも頑張ります!!

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