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二十話 ドラゴンを静める魔法は『〇〇しちゃうわよ!』

 私が体を張った『女神の証明』に納得いったのかいかなかったのか不明なまま今度はドラゴンですって!?ちょっと、この世界って終わりに近づいているんじゃないかしら。

 ドラゴンって超ボス級の魔物なのでしょう?う~ん、超ドS様との出会いを考えている場合じゃなくなってきたのかしら?神様にお願いして元いた世界に戻るってのも一つの手かもしれないわね……でも、この世界の人たちは……どうなるのかしら。

 謁見の間にいた人たちのほとんどは中庭に移動完了。

 でも、騎士団たちは武器を構えて城の上空の飛び回りながら鳴いているドラゴンを眺めている。もちろん他の皆さまたちをはじめ、私も。それにしてもよく鳴く子ねぇ……。なぜ、そんなに鳴いているのかしら。『豊穣の女神はドラゴンを従えることができる』と言われているけれど、これが本当なら私の言うことってドラゴンに通じたりするのかしら。


「城壁の近くは危険です!なるべく離れてください!」


 アーロンは、危ない場所だとか安全な場といったものをきちんと把握しているようで人の移動もきちんとこなしている。もちろん弟のフランも普段はめんどうくさ男のはずなのに、きちんと自分よりも他人を優先させて行動しているわね。


 もし。もしもドラゴンの気持ちが分かるのならば……理解したい。いきなり城に現れた理由も聞きたいけれど、こんな危険な状況を起こしてしまった理由が知りたい。そう、別にドラゴンを退治したいわけじゃないの。みんな、危険な場所から避難しているだけなのよ。


『め……めが、み……』


「え?」


 今、誰かの声がしたような気がして周りをキョロキョロしてみた。でも、周りは上空のドラゴンがいつ飛来してくるのか、いつ城にぶつかって暴れたりするのかとヒヤヒヤしているばかりで私に話しかける様子はみられない。今の声は、一体……?


『めがみ、めがみ……きずつく、ひどい……この、くに……いらない……』


 ま、さか。まさかまさか!この声ってもしかしてドラゴンの気持ちだったりするのかしら!直接話しかけてくるわけじゃなくて、なんていうのかしら、頭の中に直接届けられる感じ。人語は難しいのか、その言葉は片言で、しっかりと聞き取る側が理解してあげないときちんと聞き取ることができない内容だけれど私以外にはこの声は届いていないみたい。本当にドラゴンの想いなのかしら!


「!ちがっ……お願い、聞いて!私は、なんともないわ!それに、この国には大切な人たちもいるの!お願い傷付けたりしないで!!」


 私は両手を口元に置きメガホン代わりにしながらドラゴンに向かって精一杯お腹から声を発した。

 突然私が叫びだしたものだから周りは何事だ?と目を丸くするばかり。ただ一人、預言者様だけは相変わらず『ほほほ!』と楽しそうに笑っていた。


『くに、ほろぶべき……いちど、こわして……つくりなおす!』


「そんなことダメよ!国が一度壊れたら再興するためには多くの人たちが多くの月日を必要とするの!あなたは壊すことはできるかもしれない!でも、あなたは国を作り直すことはできないでしょう!」


 やっと周りは私がドラゴンと会話をしていると気がついている人。なんとなく察してきている人。私が何をしているのかさっぱり分かっていない人。と、それぞれらしい。

 それにしてもこのドラゴンって分からず屋なのね。どうやったら大人しくなるのかしら……確か初めて会ったときのドラゴンは『やめろ』って言葉で大人しくなってしまったもののこの子は、どうやら反抗的らしい。私はドMだから言葉責めをされる方が好きなのだけれど、致し方ないわね!


「こらー!!!そこのドラゴン!これ以上、我が儘言うつもりなら……お尻ぺんぺんしちゃうわよ!!」


 つい、出てしまったその言葉。

 アーロンなんか『ぷっ、っくく!』と笑っていたし。フランなんて『お尻ぺんぺん?』って可愛らしく首を傾げていたわ。ラインハルトやサイモンも冷静を装っているのかもしれませんけれど肩が震えていますからね!笑いたければ存分に笑ってください!


 でも、その私の言葉はドラゴンに効いたらしい。さきほどまでお腹の底を響かせていた鳴き声は止み、ぐるぐると城の上空を旋回していたドラゴンはゆっくりと中庭に翼を畳んで着地してきたの。私が思いっきり叫んでそれに呼応するように大人しくなった。やっぱりドラゴンって私の言葉が通じるんだわ!魔物のボスが言葉を理解してくれたのよ!感動!!!

 それにかなりの大きさの体をしていたけれど中庭におさまって良かったわね。翼を畳んでいるからちんまりと見えるけれど。一応、これで危機は去ったってことで良いのかしら。


「!いい子!いい子ね!!そうよ!あなたが暴れることなんて無いのよ!それにあなたが暴れたりしたらあなたの翼が傷付いちゃうかもしれないじゃない。せっかく恰好良い翼を持っているのだからあまり暴れまわっちゃダメよ!」


 スタタタタ!とドラゴンの下へ駆け寄ると首をもたげてきたドラゴンに『よしよし!』と満面の笑みで撫でてあげた。


『めがみ、めがみ……おしり、ぺんぺん……する?』


「しないわよ。だって大人しくなったじゃない!それに私も何ともないのよ!ほら!」


 もしかして私が足を傷付けたとき、この子は何かを察して飛んできてくれたのかしら?そして『女神』に酷いことをする王制が許せなくて、国諸共壊してやろうと考えてしまったのかしら?さすがにそこまで聞くことはできないけれど大人しくなってくれたのならそれで良いわよ。


「れ、レン。その……彼女というのか彼というのか分かりませんが、落ち着いてくれたということでよろしいのでしょうか?」


「はい!見てください!この可愛い顔!すっかり大人しくなっちゃいましたよ」


 顔……ドラゴンの顔って可愛いじゃないの!こう目がキリッとしていて、太陽の光が反射している鱗はキラキラしているし、さっきまで暴れかけていた子には見えないわね。


「ねぇ~ねぇ~、一ついい~?お尻ぺんぺんって何のこと~?」


「あ」


 つい言葉にしてしまったけれど、『お尻ぺんぺん』ってドラゴンに理解できる言葉だったのかしら。現に大人しくなっているってことは分かるの?でも実際にドラゴンのお尻をぺんぺんすることって難しそうよね。フランはその意味を分かっていない人のようで首を傾げている。


「えーっと、フラン。それは、ちょっとしたお仕置きの一種ですよ」


「お仕置き~?」


「そうですよ。いけないことをしたときや、悪い子にはお尻ぺんぺんするんです」


 そう説明してあげると『へぇ~』と面白そうに興味を持ってしまったみたい。あれ、他のメンツはなんとなく理解がありそうだったわね。もしかして意外と元の世界で通じていた言葉ってこの世界でも通じるのかしら?例えば『萌え~』とか『ドM』とか『ドS』とか『言葉責め』とか!そういう二次元的な文化とかマニアックな文化とかがあれば分かりやすくて良いのに~。そうしたら私の求める超ドS様だってすぐに見つかるでしょう?でも、この異世界にて『メイドカフェ』とか言われても普通にある感じがするわね……やっぱり、まだまだ先は長そうだわ。

 ドラゴンにお尻ぺんぺんはさすがに無理がありましたかね??(汗)でも、できるものなら試してみたい。ドラゴンのお尻よりも人の手の方が先に痛めそうですが……ドラゴン、チビっこくならないものだろうか……こう、ぬいぐるみ的なサイズにまでなってくれると可愛いんでしょうねぇ!!


 やっぱり主人公の言葉は通じたようです!効果があった、というべきですかね?一応、大事にならなくて良かったではありませんか!って、アーロンが親に反論していましたね。そこら辺もまとめなければ!優しく見守ってあげる~という方『ブックマーク』や『評価』をしていただけると嬉しいです。もちろん評価はまだ早い!というSっ気の強い読者も大歓迎です!!全ての読者に愛と感謝を!!!

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