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十三話 超ドS様へ近付くための最適解、ゲットです!!

 どうやら私の心のなかは筒抜けらしい不思議な力を持っている預言者。


 ってことは、私が超ドS様を探していることもお見通しってこと!?心を見透かされているのはちょっとあまり気分が良いものではないけれど、私の目的(超ドS様に会いたい!)がはっきり伝わっているのはありがたいのかも!?

 どうやら預言者は、そこそこ私のことを気遣ってくれているのかしら?もしもKY(空気読めない系)の人だったらこの場にいる人たちには私の考えていること、この世界にいる目的をあっさりと伝えていたのかもしれないわね。でも、それらしい発言はしていないところをみると、一応空気を読んでくれているのかもしれないわ。

 た、助かるー!


 あ、そもそもこの世界でMとかSとかって通じるのかしら?そもそもがマニアックなものだし、ちょっと誰にでも通じるようなものってわけでもないものね。人によっては『えー、引くんだけれど……』ってこともあるし。


「よ、預言者様!この後、お時間はありますか!?」

「ほほほ!もちろんありますとも。女神、いやレン殿。ワシにお聞きしたいことがあるのじゃろう?なんなりとお聞きくだされ?」


「え、レン!?ちょ、私との話し合いは……」

「アーロン王子のお話には付き合っていられません!今は緊急事態なので預言者様とのお話を最優先にさせていただきます!」

「あ~ぁ、兄上~……残念だねぇ~」


 ふふふ~、と笑っているフランだけれど、もちろんあなたとの許嫁の話だって承諾したつもりは無いんだからね!?


「では、レン殿と個人的なお話をさせていただくため、場所を移そうかの」

「ありがとうございます!助かります!」


 うん。

 とてもここじゃ話せない話だものね!きちんと気を遣ってくれる預言者には感謝感謝だわ!




「それで、レン殿。ご相談というものは、なんですかな?」

「……あなた心が読めるのよね?だったら私が言いたいことも分かっているのではないのですか?」

「ほほほ!例え分かっていたとしても直接本人から聞きたいものですぞ?」

「……信じられないのかもしれませんが、私はこことは違う世界から来た異世界人なのです。ある目的がありましてこちらの世界に来たのですが……その人がどんな場所にいるのか早く知りたいのです!」


 部屋から移動し、人の目が無い中庭のような場まで移動してきたところで私は思い切って預言者に私がここに存在している理由というものを打ち明けてみた。きっとこの人ならば私の言うことを信じてくれるだろう、と信じて。


「ほほぉ。異世界人。それはまた興味深いですな。そして探し人ですか……ほほほ、それはなかなか骨が折れそうじゃな?」


 やっぱり預言者でも私の探し求める超ドS様という存在を見つけるのは難しいのかしら?やっぱり私の足を使ってあちこち探し回るしかないのかしら?


「ふぅむ……どの程度の人間がレン殿を満足させるかは分かりかねますが、意外とその人物は近い場所にいるのかもしれませぬよ?」

「近い、場所に……ですか?」

「左様。レン殿が気付いていないだけで思わぬ場所にいたりするもの。ほほ、こればかりはその者ともっと距離を縮めていく必要もあるかもしれませぬが……」

「えーっと、もしかして王子様たちがそれに含まれるってことは……?」

「ほほほ!さぁて、そこまではなんとも答えられませぬなぁ」


 い、意地悪!預言者の意地悪!!

 しっかりと答えをくれないところはちょっとしたSじゃない!ちょっとドキドキするけれど、その程度のSじゃ、超ドMの私は満足はできないわ!意地悪されるのも嫌いじゃないけれど、私を言葉でいたぶってくれる超ドS様の言葉責めじゃないと私は満足しないわよ!


「おや、残念ですな」


 今、絶対私の心の中を覗き見たのね。……あら?ということは、この世界でもSとかMとかってマニアックな内容の認識はあるのかしら?そうなると一気に話は早く進められるかもしれないわね!


「それからこれから言うことは助言になりますが。レン殿はもう少し人との距離を縮めていくことをお勧めいたしますぞ?もちろん王子たちと仲良くなってみるのも良いでしょうな」

「えー……あの二人、ですか?」

「ほほほ、そう嫌そうな顔をするでないものですぞ。お二人と仲を深めることで目的の人物と一気に距離が縮まる可能性もあるのですからな」


 え、それほんと!?

 だったらもう少し王子様たちとのやり取りも親しみを持って取り組もうかしら。王子様たちと仲良くなることがつまり超ドS様との距離が縮まる!今、考えられる手段としてはこれが最適解なのかもしれないわね!


「ありがとうございます、預言者様!とっても参考になりました!」

「ほほほ!ワシもなかなかに面白い意見が聞けて楽しかったですぞ」


 例え、炎とか風とか操ることができなくても十分素晴らしい力を持っている人なのね!ある意味、普通の魔法使いよりも優れているスキルを持っているんじゃないかしら!もし悩みが出てきたらこれからも相談に乗ってもらうことにしようっと!


「では、ワシはふらりふらりと散歩でも楽しませていただくとしますかな。殿下たちには、どうかよろしくお伝えいただけますかな?」

「はい!もちろん!」


 そう言って私と預言者は別れた。

 うんうん!とっても参考になったわ!超ドS様に出会いたいのならば王子様たちと仲良くなる!うん、分かりやすくて良いじゃないの!許嫁だとか求婚だとかって話は取り敢えず置いておいて、とにかく仲良くなっていくとしましょうか!


「遅くなりました。レンです。あ、預言者様がよろしくと言っていましたよ」

「そ、そうでしたか……一体レンと何を話していたのやら非常に気になるのですが……」

「え?それは、もちろん秘密ですよ」

「ずる~い。僕も話に混ざりたかったなぁ~」

「それは私と預言者様とだけの秘密のやり取りですから。あ、それから……取り敢えず私と許嫁になりたいとか、求婚したいといった話はいったん忘れていただけませんか?もしくは保留で。出会ったばかり、知り合ったばかりの人と許嫁だの求婚だのといった話は普通にしないものでしょう?まずはお互いの距離を縮めて仲良くなることからしていきませんか?」

「「仲良く……?」」

「はい!私だって別に王子様たちのこと嫌いってわけではないですし、仲良くなれるものなら仲良くなってみたいんですよ。それなのに許嫁だの求婚だのって話題ばかりだと私は嫌々言うばかりなので言い合いになってしまうじゃないですか。それじゃあ仲良くなりたくてもなれません」

「……なる、ほど……」


 私の目的のために、まずは王子様たちと仲良くなることに決めたわ!

 うふふ、運命の超ドS様!これでちょっとはあなたに近付けるようになるのかしら!そしていつかは『遅いぞ、メス豚。今まで何をしていた、グズめ』などと仰ってくださいませ!あなたの言葉を夢みながら今は王子様たちと仲良くなっていきますわ!!

 オーホッホッホッホッ!!

 超ドS様に近付くための相談、もとい最適解を早くもゲットしたようです!預言者もはっきり言ってあげれば良いのに~、もう、意地悪なんですから~!!(笑)でも、もしかしたら知らない場所にいる知らないキャラクターがめちゃくちゃ超ドSで主人公チャンがズキュゥゥゥン!されることもあるのかも!?


 かなーり変わったタイトルの作品ではありますが、物語やキャラクターたちを面白おかしく見守っていただけると幸いです!もちろん『ブックマーク』や『評価』といったもの、お話によってはこの回は面白かったなぁ、この話はつまらなかったなぁっていうご感想でもどしどしお待ちしております!!

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