思いついたもの殴り書き⑦
神はつくられた。空と大地と海を、昼と夜を…雲を、風を、草木を…それらを創り終えたのち、神はそれらを司る子らをよび、子らはそれぞれ司るに必要なものをよんだ。鳥を獣を人を魚を、争いを安寧を、実りを虚 を、子らはそれぞれ必要だと思うものを神に申し出た。
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「ねぇっ!!何で次から次へと生み出すのっ?!バカなのっ?!」
ボクは頭をかきむしりたい衝動を抑えわめいた。今はかきむしる時間すら惜しい。もちろん誰か特定のものへの言葉ではない。面倒事を増やしまくる存在にまとめて叫びたいのは山々だが、生憎と、ここにはボクしかいない。
「あぁーーっ!!そろそろ処理が追いつかないっ!!!」
目の前にある大小様々だけど大量にあるモニターとビービーとうるさい警報音を前に、今度こそお手上げと頭を抱えた。どうにかするだけならどうとでもなる。ただし、歪みやら諸々を考慮しなければ…だが。一息つく暇もないほどの忙しさながらそれらにも気をつけていたが、このままでは本格的に間に合わないし、別問題も出てくる。できることならこの仕事から逃げたいが、それもできない。ボクだけでは全部を上手く処理するのは無理だと再三訴えてきたが、応援もこない。
「よしっ!作ろう、そうしよう!ボクだけだから無理なんだ!応援を寄越さないなら作ればいい!」
と、ストレスと疲労による脳は即決した。
神 は作られた。神に。うん、意味がわからない。
私が瞼を開けるや否や、「ボクもキミも神様ね!キミはボクが作ったんだよ!よろしくねっ」と早口で告げられた。
とりあえず、作った神は先輩神とでも呼ぼうか。
先輩神は新たな身体を作り、そこにとある魂を入れた。できあがったのは私。だから『神(としての私)は(先輩神に)作られた』なのだ。端折るなと言いたい。そして色々と諸々と詳しく説明して欲しい。
そんな希望も要望も口にする間もなく、先輩神は1箇所を指さして「あの星を任せるね」と言った。意味がわからないし、何をどう任されたのかもわからないが、忙しすぎて丸投げしたのだろう。だって直後にバタバタと動きワーワーと叫んでいたから。うん、忙しそうだ。神様って忙しいんだぁ…へぇ…いや意味わからん。
フリーズしている私に「なんかいい感じにして」と言ってバタバタワーワーしてる先輩神から、任されたらしい星に視線をズラす。モワモワしている球体のようなモノを星と言うのか…と思い先輩神に視線を戻すが、未だバタバタワーワーしている。説明して欲しいが、それどころではなさそうだとため息をもらしつつ諦めた。まぁ任されたのだから好きにしてみようと星らしきモノに近づいた。ひとかかえほどのそれは、モワモワが邪魔でよく見えない。無意識にモワモワを払おうと手を伸ばした私は、直後にぶっ倒れた。いや、何故に?と思った私は先輩神に視線だけを向けた。
先輩神が「あっ!!」って顔してこっちを振り返ったのを最後に視界がブラックアウトした。
あっ!!じゃないんだよなぁ。色々と説明してほしい。切実に。