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東方天弓録  作者: ただの二次元好き
2/4

No.○○番目 転生

どの物語も、裏表が存在する。

そして、私は目を覚ます。

「ん…………………………ぅ……………………あ、あれ?ここどこ?」

そこは白い空間だった。風は吹かず、影もなく、ただただ広く、白に満ちた世界。

「…………ぅ、そっか……私、死んじゃったのか。」

周りを見渡してるうちにだんだんと脳が活動していき、思い出していく。先程の痛みを、絶望を。

「死んだ後ってここに来るんだ。」

「いや、お主はまだ死んでおらん。」

諦めながら呟くと、声が聞こえた。急な声に驚きながら振り向くと、

「はじめまして……………かの?お嬢ちゃん。」

「………………もう迎えが来たのね。閻魔様ってどんな姿をしているんだろう?」

「だから死んでおらんと言ってるじゃろ。少しは落ち着け!」

するといつの間にか持っていたハリセンで頭を叩かれた。

「ちょ、痛いです!止めてください!!」

そのハリセンはそこそこ大きいため、普通に痛い。

「ほら、生きてるじゃろ?痛覚は死んだら無くなるからの。お主の身体は既に死んでるが、魂は死んでおらん。」

「………………………わかりましたよ。信じますから。」

これ以上痛みは経験したくないので、とりあえず表面上は信じることにした。

「そうかの。では転生させてやろう。まずはこれを………」

「ちょ、ちょっと待ってください!?」

今、かる~くやばいこと言ってた!え?何?転生?なんで?どうして?………いや、落ち着くのよ私、真偽はともかくとして、まず理由を聞くのよ。

「とりあえず、理由を教えてください。」

「ふむ………………未来ある若者がこんなところで力尽きるのは、少し可哀想での。故にもう一度チャンスを与えるのじゃ。」

「……………なるほど。では、私はどうすればいいのですか?」

「では、能力を選んでくれ。」

………………………能力?時間操作能力とか天候操作能力とかかな?

でも……………………選ぶ?

「なんで能力を選ぶんですか?出来ることなら自分で考えたいんですけど。」

「………。儂も出来ることなら好きなのを考えて与える。じゃがあまりに強い能力だと世界のバランスが崩れるんじゃ。」

私が質問すると、少し考えるように黙ってから答えた。ただ、建前のようにどこか取って付けたかのような感じがする。

「………わかりました。その能力とやらを選びましょう。」

そして3つの選択肢を提示された。私はその中にあった《軌道を操る程度の能力》を選んだ。

「!……………………ほう。良ければ理由を聞いてもいいかの?」

「理由は特にありません。強いて言うなら、勘です。」

こればかりは本当に勘。だって、何故かこれにしなければならない。と思ってしまったんだもの。あ、そういえば、

「あの………どうして"程度の能力"なんですか?普通に○○する能力でいいと思いますけど………」

「仕方ないじゃろ。その世界特有のルールなんじゃから。ほら、とっとと転生させるぞ。」

「わかりました。お願いします。」

「ウム、では行くぞ。達者でな。」

その言葉を聞いた直後、意識が暗転していく。ただ、不思議と恐怖心はまったくない。……………………どんな人生が待ってるのかな?とっても楽しみ………………















少女が転生先に送られた直後、

「……………………そろそろ出てきて良いんじゃないかの?✳✳…………いや、『結果を見守る者』よ。」

神は自分以外何も無い空間でそう呟く。すると声が聞こえた。

「ふふ、知ってるでしょ?私はかなり用心深いって、ねえ?

『セイテン』さん?それともこっちの方がいいかしら?『終始を繋ぐ者』よ。」

その者は姿を見せずに声だけを響かせている。それに驚くこともなく神………いや、セイテンは返答する。

「どちらでも構わんよ。……………………あやつは、うまくいくと思うかね?」

「そうね……………………新しい可能性は出て来たけど、正直まだわからないわ。」

「そうかの………………儂等に出来るのは、ただ見守り、繰り返すのみ。じゃが、そろそろ限界に近い。」

「………………わかってるわ。」




「「今回でこの『地獄』を終わらせる。」」


二人の決意を聞いたものは本人達以外、誰もいなかった。











第二の人生が『表』だとしたら、『裏』はどこに当たるのか?

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