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テーマなし詩集

ときめき心拍数

作者: 歌川 詩季

 どきどきするものを、描きたかったのです。

 退屈なんて贅沢(ぜいたく)な悩みって

 疲れたシャツで あなたは愚痴(ぐち)るのね

 欲しけりゃあげるわよ いつだって

 あたしは冒険に ハードスケジュールがいい


 古びた映写機でメロドラマ()せられてた

 興味がわかなくちゃ 居眠りでつぶすけど

 視聴覚室の厚手のカーテンあけたら

 小さな窓の向こうに 異世界がひろがると

 いま 思い出したから


 ときめき心拍数

 せかされて 恋とはちがうのかもしれない

 初雪と 水たまり お陽さまと 虹の橋が

 いちどに架かるような こんなきもち

 ときめき心拍数

 高鳴るよ 恋ともちがわないかもしれない

 どきどきと いらいらと そわそわと くらくらとが

 いっしょにはしゃぐような そんなきもちなの



 こどものころをなつかしめるくらいに

 なんだかまだまだ おとなになれなくて

 そんなの好きにして いつからか

 おとなとこどもとを 使いわける小悪魔で


 新たな季節にはイヴェントが待ちうけるわ

 出逢いは悪戯(いたずら)で 別れは涙でも

 体育倉庫のとび箱に隠しておくね

 ふたりの秘密だよって 瞬間を()じこめた

 ねえ おぼえてるんでしょ


 ときめき心拍数

 だまされて 恋とはちがうのかもしれない

 雨乞(あまご)いと 雨あがり 雨漏(あまも)りと 雨やどりが

 いちどに降ったような こんなきもち

 ときめき心拍数

 早()つよ 恋ともちがわないかもしれない

 ちくたくと ちぐはぐと あれこれと あべこべとが

 いっしょにじゃれるような そんなきもちなの



 ときめき心拍数

 数えれば 恋とも似てるのかもしれない

 だめもとと あてずっぽ 妄想と ねがいごとが

 いちどに叶うなんて どんなきもちなの?

 旧タイトルは「ときめき『の』心拍数」でした(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「これってもしかして恋!?」みたいに思って自己暗示のようにどんどん相手が気になって好きになっていく……そんなイメージ湧きました♪ ラストはハピエンっぽい雰囲気がして嬉しかったです。とても可…
[一言] 最後、ラスサビのように書かれているところのワーディングが好きです。それぞれ相反する言葉がペアになっていて、いつもながら言葉のチョイスが絶妙だなぁと思いました。 視聴覚室や体育倉庫という学生感…
[一言]  爽やかな感じで。読んだあとに前向きになれるような。  はちゃめちゃだって、楽しめるならいいですよね。
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