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第1章 第3話 言葉にできない愛

「おじゃまします」



 どうしよう。女の子を家に連れ込んでしまった。しかも誰もいない我が家に……!



 両親は出張、姉ちゃんはサークル、妹は部活で帰ってくるのは夕方以降だろう。つまり11時から少なくとも4時5時くらいまでは、2人きり! これは、まずいぞ……。



「じゃ、じゃあ昼飯食べようか……」

「その前に風人くんの部屋に行きたいです。ほら、リビングですと色々迷惑でしょうし」


「色々……? いや、俺の部屋は無理! ちょっと汚いから!」

「構いませんよ。なんならお掃除手伝いましょうか?」


「ほんと大丈夫だから! リビングにいようお願い!」

「風人くんの部屋は……そうですねぇ……。この辺りでしょうか」



 よほど感がいいのか俺の部屋を当てた夜照さんが扉を開ける。飛び込んできたのは、



「……へぇ」

「あぁぁあぁぁぁああぁぁぁぁ……」



 壁一面、天井にまで広がる推しアイドルのポスターだ。



「いや! いやこれは違くて! す、好きだけど! でもリアコとかじゃないし! その、雑誌の付録とかについてたけどせっかくならって貼っただけで別に……!」

「人気アイドルグループ、『スマイランド』のメンバー、にこぴーこと新田にこさんですね」


「し、知ってるの!?」

「ええ調べましたか……ごほん。ですが知っているからこそ違和感を覚えます。にこぴーは残念ながら人気は最底辺。中学生……今は高校生ですか。それで活動時間が短いからという理由があったとしても、それが言い訳になってしまうほどにメジャーな方ではありません。そんな方が雑誌の付録になるでしょうか」


「ぎくっ!」

「それに加え、この写真。どれも画質があまり良くなく、ライブ映像やテレビの録画を切り抜いたものに見えます。その証拠にほら、どれも顔が、とても怖い」


「あわ、あわわわわ……」

「どうして嘘をついたのですか? 説明してくださりますね?」



 どうしよう。正直に言ったら絶対引かれる。いや部屋にアイドルの写真敷き詰めてる時点で引かれてるだろうけどこの理由は……絶対に気持ち悪い……!



「それは……その……」



 目を逸らすとにこぴーの写真と目が合う。他のどのアイドルにも負けないかわいらしさ。ハーフツインの髪型が、彼女のかわいさを凝縮したような顔と相まってとてもよく似合っている。かわいい。



 だがその表情はまるで人を殺そうとしているかのように、恐ろしい。だから人気がないんだ。だからこそ、推せるんだ。



「……にこぴーは誰よりもアイドルに真剣なんだよ」

「はい?」


「誰よりもアイドルに真剣で、絶対にてっぺんに登るって意識を持ってるんだ。ライブ中でも収録中でも隠し切れないほどに必死なんだよ! そんなにこぴーが大好きで、応援しなきゃって思って……でもそれだけじゃなくて……その……何て言ったらいいんだろうな……」

「……なるほど。そういうことですか」



 彼女の隠し切れない魅力をまずどこから話そうかと迷っていると、夜照さんが優しく微笑み、俺に近づいてきた。



「わかりますよ。好きの理由を説明するのは難しいですよね。感情と理屈は正反対のものですから」

「そう……なんだよ……」


「好きだと伝えたい。でもそれを口にするにはあまりにも、愛が大きすぎる。とてもよくわかります」

「そうだけど……リアコじゃないのは間違いなくて……」


「本当によくわかります。好きな人に囲まれたいですよね。ずっと一緒にいたいですよね。そのためならどんな努力も惜しみませんよね」

「や、夜照さん……?」


「わかります。わかりますよ。ぜーったいに他の人に渡したくないですもんね。誰を傷つけても殺してでも手元に置いておきたいですよね」

「……? ……!?」


「だから安心してください。私はあなたの味方ですからねっ」

「は、はい……?」



 なんだかよくわからないが、わかってもらえたようでよか、った……?

諸事情(あまり読まれない)のでタイトル変更させていただきました。ですが内容は一切変えないのでご安心ください。


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