表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/19

第2章 第5話 承認欲求

「あの……カフェって聞いたんですけど……」

「ね。ちょっと間違えちゃったね」



 新泉さんに案内されるままについていった先は、どう見ても居酒屋的な趣のあるお店。ま……まさか芸能界って未成年でもこういうところに……!



「ここお昼だと普通の飲食店になるんだよ」



 と思ったらそういう理由らしい。新泉さんが慣れた足取りで奥の個室へと入った。



「で、なんでここに?」

「個室があって人も少ないからかな」



 なるほど……さすがはプロ。むしろ俺がもっと気を遣わないと。にこぴーではなく新泉さんとの買い物と認識してはいるが、それは俺だけの問題。周りにはにこぴー=新泉さんなんだ。



「え? なんで髪結んでんの……?」



 そう覚悟を決めると、さっそく新泉さんは伊達眼鏡を外し、髪をハーフツインに結い出した。いつものにこぴースタイル。見る目がなく人気がないとはいえ、ここまで隠さないとなったらさすがに知っている人にはばれてしまう。



「だって風人くん、こっちの方がうれしいでしょ?」

「それはそ……だけど! でも人の目が……」

「だから個室選んだんだよ」



 そうなのかもしれないけど……でも心配だ。だって付き合ってるとかではないけど、男と2人でいるわけだし……。



「それにね、アイドルとファンって恩返しでできてると思わない?」



 照明のせいか少し顔が赤くなっているように見える新泉さんが視線を外してそう言う。



「わたしたちアイドルはファンにお金をもらってるから活動できる。だからその分ファンの人に喜んでもらえるようがんばらないといけないんだよ」



 そう言う新泉さんの視線が泳ぎ、やがて俺を見る。



「……ごめん。今の嘘」



 それでもその瞳は不安そうに揺れていた。



「こうしないと風人くんは、わたしを見てくれない」



 その言葉の真意は俺にはわからない。



「もっとわたしを見て。わたしだけを見て。そのためならわたし……何でもするから」



 それでもその悲痛な表情に、俺は何も言うことができなかった。

短くなってしまって申し訳ありません! ちょっと忙しいのです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 可愛い。 こうなったらヤンデレとアイドルでハーレム行くしかないな!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ