抗争
校門に怖いお兄さんたちがいっぱいいるなぁ…
あぁ…ゆっくりしてぇな〜
「マジかよ…」
「なぁ市原、あいつら誰なの?」
「あいつらは他校の不良たちだよ、入学した一年の中にこうやって世露死苦校取りにくる奴らがいるんだ、とりあえず早く逃げよう原田、巻き込まれちまうぞ」
「いや、俺はいいわ」
「…は?」
「いや、だから俺は逃げないって言ってんの」
「じゃあ巻き込まれてもいいのかよお前!」
「何?そんなつえーのあいつら?」
「いや、他校に殴り込みにくるだけの実力はあるだろ!普通!」
「あ、そう、でもまぁ高校生だろ?さすがにそんな怖がることなくね?」
「何言ってんだお前!不良が喧嘩してるとこ見たことねぇのか?!」
「生憎俺は平和な中学校だったんでな、一度もない」
「じゃあ教えてやるよ、いいか、不良はなぜか知らんがとてつもなく強い、そこいらの人と不良がやりあったら人が死ぬくらいだぞ!」
「いや、さすがに死ぬのはねぇだろ、捕まっちまうぜ?」
「いや、実際にあったんだ、そして喧嘩した不良は捕まってブタ箱行きだ」
「は〜、不良ってのは強いんだな〜」
「だろ!だから早く避難しようぜ」
「いや、いい」
「なんでだよ!くそッ俺は行く、どうなってもしらねぇからな!!」
「おう、早めに避難しとけよ〜」
さてと…とりあえず不良がどんなものか興味がわいたからちょこっと覗いてみるか…
おーおーやりあってるやりあってる、しかし…なぜだろう、あいつらの体に弱いが魔力が宿ってる、てか身体強化してらっしゃる!?ふむ、なるほど、身体強化魔法を使ってんなら常人が相手にならねぇってのも殺せるってのもわかるが、なんで使ってんだあいつら?意味ワカンねぇよここ現代日本じゃなかったのかよ…
いや、待てよ?確かここは俺が住んでた日本じゃなかったか、は〜にゃるほどぉ〜…
「さてと、そろそろ俺も避難しようか」
「おい、どこに行くんだ?」
「あ、めっかっちゃった」
「死ねぇ!」
パシッ
「なってめ、俺のパンチを片手で!」
「はぁ、お粗末なパンチだ、いいか?パンチってのはこうやってやんだぁよ!!」
俺が殴った相手はそのまま吹っ飛び、気絶した
「あ、ヤベェ、ちょこっと強すぎたか…」
「「「「「「「「「「「「「「「「「ポカーン…」」」」」」」」」」」」」」」」
「逃げるが勝ち!じゃあな〜」
「まちやがれぇ!」
「邪魔ぁ!!」
「ゴハァ!」
「てめーらに倒されるわけねーだろバーカバーカ」
「あいつぅ…!!」
「追いかけろー!」
「ぜってぇ逃がすんじゃねぇぞ!」
「ブッ殺せぇ!」
「ひぇ〜気性が荒いな〜、ま、逃げるときは頭脳を使わないとな、こんな風に屋根に張り付いたりとかな…」
「おやおや、追いかける方も頭を使うということをお忘れじゃないですか?」
「!!びっくりした!いきなり話しかけてくんなや!」
「それはすみません、不意打ちでやられるほうがよかったですか?」
「何言ってやがる、こんな善良そうな生徒に手を出すのか?ダッセーぞ?」
「何を言っているんですか?あなたのパンチ、見ましたよ、相当な強さですね」
「あら、見られちゃってた?まぁいいや、やんの?」
「度胸もあるようですね、しかし思い上がりですよ、それは」
「あぁ?何言ってうぐっ」
「ふふっ油断しすぎですよ」
「おいおい、不意打ちとか卑怯かよ」
「勝てばいいんですよ勝てば、しかし今のを食らって平然としていられるとは、しぶとくもあるようですね」
「ま、いいや次俺の番な」
「ふっ僕があなたごときのパンチに当たるとでも思…」ズゴン
「ウルセェ、そんまま壁に埋まってろ」
「はぁ、俺は喧嘩のけの字もしらねぇ善良なパンピーだぞったくっ…おっと、もうこれ以上巻き込まれねぇように避難しねぇとな、小走りで行くか」
「ランラランララーン」
「おい、遅かったじゃねぇか原田、まさかお前本当に見に行ってたのか?不良の喧嘩」
「ん、まぁな」
「命知らずだな、お前…」
「昔っから…そんな言われたことねぇな」
「ないのかよ…」
「んーしかし、迷惑なもんだな、俺がせっかく小説読んでイケメン天才キャラを演じてたのによ…」
「いや、ときどきニヤニヤするお前を見て女子がすっげぇ引いてたぞ」
「なん…だと」
「まぁ俺みたいなもとよりイケメンで天才な俺とは似ても似つかねぇってことだな」
「生意気言いやがってこの馬鹿!」
どひゅ〜ん
「あ、やっちゃったぜ、まぁ市原優しいし許してくれんだろ、多分」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「うぉっなんだなんだ?」
「うわぁ!」
「ぐはぁ!」
「ゲホッゲホッゲホッ、はぁはぁ…うぉぉぉぉぉ!」
「はぁ!」
「かは…」ドサ
「ふ〜これで全員ね」
「ヒャッハァ!不意打ちで死ねぇ!クイーン!!」
「死ぬのはテメェだ馬鹿」ズゴン
「てめーもめり込んでろ」
「あんた、朝の」
「おう、朝は助かったわ、まぁこれで借りは返したってことでチャラでいいよな?」
「えぇ、いいわよ…」
「おう、そうか、じゃな」
「…なんなのあいつ、強いのに騙してたのね…はぁ…帰ろ」
そうして、いつの間にか入学早々の大喧嘩は幕を閉じたのであった
「おい!俺のことはどうなるんだ、おい!おーい!」