ネパールの教育制度
余談ではあるのだが、ここでネパールの学制を。
六歳から小学校へ入学する。小学校は五年間で、卒業試験を受けて合格すれば卒業資格が得られる。その次に、十一歳から中学生だ。中学校は三年間で、卒業試験を受ける。
十四歳から高校生なのだが、高校は二年間である。卒業試験を受けて合格すれば、高校卒業の資格を得る。なので、合計十年間の教育期間だ。
その後は、二年間の後期高校を経て、全国統一試験を受け、合格すれば大学入学資格を得る。大学や短大へは、この試験の成績順に入学許可が得られ、希望者はその大学へ入学、となる。この教育制度は、インドとほぼ共通だ。
ネパールでの問題となるのは、小中学生の中退者が非常に多い事だ。小学一年生の段階で、三人に一人が中退している。
また、田舎になるほど、学校に教師が常駐していない。それどころか、それなりに権限を有する校長のポストを巡って、争いが起きるほどだ。結果として、休校になったり、必要な授業を行えない学校が多いままになる。
そのため、首都やポカラといった都市では、公立学校ではなく、私立学校へ子供を通わせる親が多い。これもこれでストライキを起こしたり、授業料を際限なく高く吊り上げたりと、問題だらけなのだが。
「それでも、しっかりと学んでほしいものだよ」
ゴパルが、泥道の坂を転ばずに器用に駆け降りていく、小中学生の後ろ姿を見送った。




