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アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
氷河には氷があるよね編
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回り終えて

 さて、何とか指定時間内に、全ての酒造所を回り終える事ができたゴパルであった。ほっと安堵している。

 採取した、もろみは試験管に入れてゴム栓で密封されている。これに、採種日時と酒造所名、もろみの材料等の情報を記したシールを貼りつける。

「よし。早速、配達業者に頼むかな」


 雨の中、急いでガンドルン内にある配達会社に向かっていった。

 雨期の閑散期なので、店員は少なかったのだが、無事に荷物を受けつけてくれた。運が良ければ、夕方の便で、ポカラを経由して首都へ向かうだろう。

 その場合は、首都に到着するのが、明日の午前中という話であった。試験管は、保冷材等で冷やしていないので、できるだけ迅速に首都に届く方が良い。この所要時間であれば、何とかなるはずだ。


 これらの採集菌や、もろみ、それに地元産ヨーグルトは、クシュ教授の研究室で保管されて、菌のデータベースに登録される。

 もろみは、複数の土着菌によって発酵されたものなので、年によって出来が異なる。

 複数の菌を、そのままの状態で保存する事はできないのだが、それぞれの菌を個別に培養して、保管する事は可能だ。

 これらの土着菌は、酒造所に所有権がある。優秀な菌があれば、他の酒造所で使用される際に、使用料という項目で、所有権を有する酒造所に、手数料が支払われるシステムだ。ヨーグルトの場合も同じである。まあ、微々たる額ではあるのだが。


 一仕事を終えて、スマホで首都の教授と、ラメシュ達に知らせる。チャット型式の双方向通信アプリなので、すぐに返信が返ってきた。仕事を労わる書き込みと、冷やかしの書き込みが半々くらいである。

 時刻を確認すると、そろそろ夕方だ。民宿に戻って、シャワーでも浴びるには、良い頃合いだろう。

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