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アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
とりあえず使ってみた編
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ザリガニ料理と肉料理

 ゴパルはただ一人バクタプール酒造の白を継続する事にしたようだ。そしてザリガニを食べてみて、今回は変えた方が良かったなあ……と内心で思っている表情になっている。

 アバヤ医師がニヤニヤしながらゴパルの表情を楽しんで、インド産の白ワインを口に含んだ。

「ザリガニの身は淡泊な味わいだからな。味付けも塩コショウだけだ。意地を張らずに気楽に食事を楽しんだ方が良いぞ、ゴパル君」

 給仕長によると、ザリガニの殻をむいて背ワタも取っているそうだ。殻はソースの材料に使う事もあるのだが、今回はしていない。


 作り方は以下のようであった。

 ザリガニの臭みを抜くために、鍋にクールブイヨンを入れて殻付きザリガニを三十秒間ほど茹でておく。その後、殻をむいて背ワタを除去し下処理を終えておく。

 フライパンにオリーブ油を敷いて熱し、ニンニクのみじん切りとローズマリーの葉を入れて炒める。香りが出たら、下処理を済ませたザリガニの身を加えて炒める。

 ザリガニに火が通る前にフタをして蒸し焼きにし、火が通ったら塩コショウをして火から下ろし、レモン汁をかけて完成だ。ザリガニの身に火が通りすぎると食感が悪くなるので、火の通し加減に注意した方が良いだろう。


 最後も二種類の大皿料理だった。一つは鶏のトマト煮込みだ。外国からの客は骨付き肉は苦手という事だったので骨抜きで調理している。

 もう一つは豚の肩ロースとフィレ肉の赤ワインソースだった。これも給仕長が客の要求に応えて取り分けていく。

 ゴパルは別々の皿に鶏と豚を盛りつけてもらったが、アバヤ医師は鶏だけ、クシュ教授は豚だけにしていた。海外からの参加者もどちらか一品だけを注文していたので、二つとも欲張ったのはゴパルだけという状況になってしまった。

 頭をかいているゴパルにアバヤ医師がニヤニヤ笑っている。

「まだ若いのだからたくさん食べると良いぞ、ゴパル君。実際に良い事だ。ジジイになると食が細くなって困るわい」


 ゴパルが今回もバクタプール酒造の赤ワインを頼んでから、ジト目を向けた。

「食事会の後で、レイクサイドのバーへ飲みに行くんですよね。お酒の分だけ、お腹に余裕をもたせるつもりでしょ」

 クシュ教授が豚のフィレ肉をナイフで切って口に運びながら、口元を緩めた。

「よく分かっているじゃないか。さすが酒飲み階級だね」


 スヌワール族も酒飲み階級に入る。クシュ教授はネワール族なので言うまでもないのだが、アバヤ医師はチョウドリー姓なので清浄階級だ。ヒンズー教では飲酒は禁止という訳ではないのだが、それにしても飲み過ぎである。


 この二品も家庭料理なので気楽に料理しても構わないのだが、一応料理方法としては以下のようになる。

 鶏のトマト煮では、下ごしらえとして鶏の腿肉を一口大の大きさに切り、塩コショウして小麦粉を軽くまぶしておく。オリーブ油を敷いたフライパンにこれを入れてキツネ色になるまで炒め、白ワインを注いで五分間ほど煮る。

 その後、トマトソースを加えて十分間ほど煮込む。味見をしてトマトソースを追加したり、野菜のダシや鶏のダシ等を加えて、最後に塩コショウして味を調えて完成だ。これを大皿に盛って、客に取り分ける。


 豚の肩ロースとフィレ肉の赤ワインソースでは、下ごしらえとして豚肉を肉叩きで叩いて柔らかくして、両面に塩コショウをしておく。

 フライパンにオリーブ油を敷いて熱し、煙がうっすらと立ってきたら肉を入れて片面を焼く。肉汁が肉表面に浮き出てきたら裏返して中火にし、もう一回肉汁が浮き出るまで焼く。

 余分な脂を捨ててから、赤ワイン酢を加えて肉に絡ませる。これを取り出してアルミホイルで包んで休ませておく。

 フライパンに赤ワインを注いで強火にし、トマトソースと野菜のダシ、辛味抜きをした唐辛子のダシを加えて煮詰めていく。その途中で黒オリーブの実と硬質チーズを削ったものを加え、最後に塩コショウして味を調える。これがソースになる。

 休ませておいた肉を取り出してオーブンに入れて温める。鉄串を差して肉の火の通り具合を確認し、大皿に盛る。ソースは客に取り分ける際にかけ、最後に削った硬質チーズを上からかけて完成だ。


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