表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
とりあえず使ってみた編
698/1133

チーズケーキ その一

 リテパニ酪農の屋台に戻ると、まだレカが机の上に突っ伏して寝ていた。呆れた顔でレカを見てからゴパル達三人を出迎えるクリシュナ社長だ。

「お待たせしました。やっとラジェシュが戻りまして余裕が生まれましたよ。レカは相変わらずです」

 クリシュナ社長にも余裕があるのか、いつもの無駄な動きが復活してきている。屋台の表ではラジェシュが売り子をしていて、ゴパル達に手を振った。ラフな服装でやはり無駄な動きが混ざっている。サビーナがレカを叩き起こして調理台に向かった。

「それじゃあ始めるか。レカっち、撮影よろしくー」

 ほとんどゾンビか何かのような動きになっているレカであるが、準備は済ませてあったようだ。力無く手を上げて固定カメラを構えた。

「おー……早くやれー」


 調理台と冷蔵庫の中を確認したサビーナが気楽な表情で固定カメラを見た。

「では始めるか。今回はチーズケーキね。時間があれば他のお菓子もやってみるけど」

 調理台の上に直径十センチの金属製の丸い型を乗せた。

「セルクルって呼ばれているお菓子の型枠。この中にチーズケーキの土台の生地を入れて、砕いたヘーゼルナッツを塊にして適当に置いていくわね。入れすぎると肝心のチーズが入らなくなるわよ」

 ゴパルが早速質問した。

「サビーナさん。いきなり生地が出てきましたが、コレの説明はあるんですか?」

 サビーナが事もなげに答えた。

「あら。クッキーの生地で十分よ。面倒だったら、クラッカーの生地でも良いわね」

 どうやら初心者向けでは無さそうだ。観念して質問を止めるゴパルであった。


 サビーナが作業を進めた。

「生地はセルクルの壁面にも貼りつける事」

 貼りつけた生地を上からアルミホイルで包んで、落ちないように固定する。そのセルクルを金網の上に乗せて、予熱して温めていた電気オーブンに入れた。

「百六十度で二十から三十分間焼けば良いかな」

 そして、冷蔵庫の中から焼きあがったセルクルを取り出して調理台の上に置いた。すかさずレカがスマホで接写する。

「こうなる事もあろうかと、焼き上がったのを用意してきたわ。これでチーズケーキの土台は完成。次はチーズクリーム作りね」


 チーズクリームの材料は、クリームチーズ、生クリーム、メレンゲ、粉ゼラチン、砂糖に水だった。固定カメラにサビーナがそれぞれの正確な分量を述べていく。クリームチーズと生クリームは冷蔵庫の中から出している。

「最後にすりおろしたレモンの皮を一グラム。白い部分を入れると苦くなるから、しっかり黄色い皮だけを使う事」

 メレンゲはイタリア風という事で、卵白とグラニュー糖に水を加えて泡立てたものだった。これの正確な分量も述べていくサビーナだ。

「この分量はリテパニ酪農産の生クリームやクリームチーズを使った条件で決まったものよ。他の生クリームやクリームチーズを使うと違ってくるから、各自で研究しなさい」

 ゴパルが生クリームを見ると、確かにボテッとした塊のような印象だ。トロトロ状態ではない。

(なるほど。こんなに固そうな生クリームは見た事がないな。やっぱり初心者向けじゃなかったか)


 サビーナがメレンゲ作りを実演した。鍋にグラニュー糖と水を入れて中火で加熱し、スプーンを使って溶かしていく。

「鍋の水分を飛ばしてシロップ状態にする。ん、こんなものかな」

 次にボウルに卵白を入れてハンドミキサーを使って泡立て始めた。泡立ち始めた段階で、シロップを少しずつボウルの縁に沿って流し込んでいく。その間ボウルはゆっくり回し、ハンドミキサーを継続して使いながらしっかりと泡立てた。

「これでメレンゲが完成。次はクリームチーズ作りの続きね」


 まず生クリームをボウルに入れて、それを氷水を入れた大きめのボウルの上に置いた。サビーナがかき混ぜ道具のホイッパーを使って混ぜていく。

「生クリームは四度に冷やしておく事。ホイッパーの使い方はこんな感じね」

 中指と親指で軽くホイッパーの柄を持って、それを人差し指で弾くようにして反動を使って混ぜている。ボウルを回しながら均一になるように混ぜていて、ホイッパーの位置は固定していた。


 しばらく混ぜると生クリームが固くなり始めた。ホイッパーの中にクリームがこもって、少ししてからボウルの中へ落ちるくらいになる。

 この状態になってからサビーナが混ぜる作業を終えた。

「ん。これが六分立ての状態。じゃあこれをいったん冷蔵庫に入れて冷やしておくわね」

 冷蔵庫の中へボウルごと入れたサビーナが、クリームチーズを木ベラで押した。

「これは常温に戻して柔らかくさせておく事。こんなもんかな。首都だとぬるい湯煎にかけておくのが良いかもね」

 クリームチーズをボウルに入れて、木ベラを使って混ぜていく。

「脂分と水分がよく混じって滑らかになるまでね。ん、こんな感じかな」

 木ベラですくい取ったクリームチーズが尖がった形になり、それがポテッとボウルの中へ落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ