表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
肥料も色々あるよね編
572/1133

キノコの種菌つくり その三

 ゴパルが移動して、机の上にガラス室が乗っているクリーンベンチに座った。カルパナ達も一緒に移動する。

 ガラス室の中を消毒用アルコールを入れたハンドスプレーで噴霧し、同じく消毒用アルコールを浸した布で床を拭いて掃除する。乾燥ソルガムの種を詰めたウィスキーボトルも丁寧に拭いた。

 アルコールランプや針金も入れて、真っ白い菌糸がびっしりと張ったPDA培地のボトルも置く。このボトルも消毒用アルコールを浸した布で拭いた。

 ゴパル自身の両手にもスプレーして、指を丁寧に拭いた。最後に紫外線ランプを点ける。

「紫外線ランプは十五分間ほど点けてください」

 そう言って、ゴパルが紫外線ランプを消した。代わりにアルコールランプをガラス室の中で灯す。

「それじゃあ、十五分が経過したとみなして、作業を始めますね。移植作業は、このアルコールランプの近くで行ってください」


 ゴパルがガラス室内で針金を持ち、先をアルコールランプの炎で炙った。

「指の使い方は、PDA培地を作った際と同じです。針金の先が赤くなったら冷やして、PDA培地をこの針金の先を使って、五ミリ角の大きさで切り出します。こんな感じですね」

 ゴパルが慣れた手つきで、針金をPDA培地のボトルに突っ込んで、五ミリ角の菌糸の塊を切り出した。すぐにPDA培地ボトルの口を綿栓で閉じる。

 次にソルガムの種が入ったボトルの綿栓を開けた。針金を突っ込んで、ボトルの中央部にPDA培地を乗せる。そして、すぐに綿栓でフタをした。

「指の役割分担ですが、右手親指と人差し指は作業用、薬指と小指は針金の保持を、左の親指と人差し指はボトルを、薬指と小指は綿栓を保持する専用にしてください」


 PDA培地を挿入した、ソルガムの種が入ったボトルを、ガラス室から外に取り出した。綿栓の上から紙を被せ、輪ゴムで巻いて固定する。

「これで移植作業は完了です。後は、作業日と通し番号を記したラベルを貼りつけておけば、分かりやすいですね。これを培養して種菌に育てます」


挿絵(By みてみん)


 その後の管理は、次のようなものだ。

 十度以下、または三十五度以上では、菌糸が伸びずに失敗する。

 順調に進めば、十から十五日間でソルガムの種全体が真っ白い菌糸に包まれる。そうなったら、冷蔵庫の野菜貯蔵庫に入れて、低温で菌糸を熟成させる。

 その際に、雑菌やカビが侵入して変色してしまったボトルは廃棄する。

「失敗の歩留まりは、三%以下を目指してください」


 最後に、ゴパルがウィスキーボトルを手にした。

「オイスターマッシュルームの場合は、もう少し手間をかけると良い結果になります。隠者様は気に食わないかも知れませんが……」


 ソルガムの種一キロ当たり、炭酸カルシウムを六グラムと、硫酸カルシウム(石膏)を十二グラム添加する。

 これをボトルに詰めて250度で三十分ほど蒸す。他はヒラタケやフクロタケと同じだ。


「オイスターマッシュルームは、雑菌に対する抵抗力が弱いのですよ。ですので、PDA培地や種菌作りでは、より清潔に心がけて作業してくださいね」


 カルパナが撮影を終えて、ゴパルに礼を述べた。

「講習ありがとうございました。後は、私達で実習して習熟していきますね」

 そして、スマホでレカに電話をかけた。すぐに繋がったようで、短く話を済ませる。

「レカちゃんの所も準備が整ったそうです。オリーブの収獲作業を見に行きましょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ