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アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
氷河には氷があるよね編
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尾根道

 坂道を上りきると、サランコットの丘の尾根筋に出たようだ。道が平坦になった。森も通り過ぎて、民家や農家、それに茶店や民宿が道沿いに並ぶ風景に変わっていく。

 尾根筋は、意外に幅が広いようだ。畑も多くあり、それぞれの面積も大きい。トウモロコシやトマト、ウリ等が植えられている。花卉も栽培されていて、ダリアやマリーゴールド、コスモスや朝顔、ゼラニウム等が露地と簡易トンネル栽培で育てられている。

 空き地のように見える畑には、牛耕を行って畝立てしていた。この時期は、多分、秋ジャガイモかなと思うゴパルであった。

 農家の庭には、竹や飼料木、桃等が植えられている。

 ここの竹は日本と違って、一ヶ所から竹が生え続けるタイプだ。地下茎を伸ばして、周辺へ広がっていかない性質がある。

 飼料木は、木の葉を摘んで山羊や牛の餌に使うための木である。イチジクの野生種が多い。


 農家の造りを見ると、どの民族か分かりやすい。ここの農家の多くはインド系の古参民族だ。ポカラがまだ、マラリアの巣だった頃に移住してきた人達で、ヒンズー教のバフンと、チェトリ階級である。

 草ぶき屋根や、瓦屋根の二階建てで、赤い土壁で建てられている。一階部分で、腰よりも低い部分の壁は、黒く塗ったりしている。土間の縁側があり、赤ん坊を入れて揺らすカゴや、石臼等が置かれている。

 家の中ではサンダルや靴を脱ぐ。窓枠は伝統的な彫刻が施された木製の黒い枠で、窓ガラスは取り付けない。中庭は石畳で、鶏や山羊、雌牛を飼っている。水牛を飼う家もある。

 しかし、現在では普通の鉄筋コンクリート柱に、赤レンガを積み上げて壁にした、屋根の無い四角い家に、取って代わられているが。

 インド製や中国製の中古バイク、小型の中古ディーゼル車を中庭に停めている家も多い。電線や水道も引いていて、窓もアルミサッシの窓枠でガラス窓だ。屋内で靴を脱ぐ事は、変わっていないが。

 小雨が降り続いているが、出歩くには支障が無いので、道端を歩いている人が多い。彼らの服装も、野良着ではなく、シャツにジーンズ、サンダルが多い。女性ではサリーや、サルワールカミーズ、伝統的な野良着を着ている人も多い。

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