表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
肥料も色々あるよね編
555/1133

遥かなるベーコン道

 ゴパルがベーコンをナイフで切って、フォークで刺して口に運んだ。すぐに微妙な表情になる。

「ん……? ちょっと豚臭いかな。火は充分に通っているんだけれど」

 カルパナも、スラリと伸びた細い眉をひそめている。

「うぐぐ……タンドリチキンに替えた方が良いかも」

 一方のレカは普通にパクパク食べていたのだが、感想は辛辣だった。

「餌として食べればいいのー。非業の死を遂げた豚の気持ちになるのだー。供養よ、供養するの~」

 協会長は特にコメントをしなかったが、レカに同意している様子だ。


 一通り卵焼きを外国人観光客の注文通りに焼いて、ベーコンに添えて出したサビーナがやってきた。そのまま、肩を軽くすくめながらベーコン片を試食した。途端に、険しい表情になる。

 薄いゴム手袋を外してリサイクル用のゴミ箱に捨て、両手を洗った。

「卓上プレートで断り書きを書いている時点で察しなさいよ。まあ、燻製液に漬けて炙っただけの、偽物ベーコンと比べると美味しいけれど」

 彼女なりに擁護したのだろうが、さらに一片のベーコンを口に入れて、決定的に険しい表情になった。完全なジト目になっている。

「場末の居酒屋で出せても、あたしのレストランで出せる品質じゃないわね」


挿絵(By みてみん)


 結局ベーコンはほとんど食べずに、目玉焼きだけを二つパクパクと食べるサビーナであった。

 彼女は片面焼きで蒸さず、黄身が温まった程度の状態が好みのようだ。白身は分けて、黄身よりも先にフライパンに入れて焼き上げている。

 その後、フライパンを新しい物に交換してレカに聞いた。

「ベーコンエッグはこんなモノで良いわよね。編集作業よろしく」

 レカがベーコンエッグを一皿分完食して、ニンマリと微笑んだ。

「ブヒブヒ、まかせろー。あ~不味かったー、このクソベーコンめええ」

 サビーナがズッキーニを調理台の上に置いて、レカがスマホでの撮影を再開したのを確認する。

「それじゃあ、次にズッキーニのトマト煮か。最初に注意事項から説明するわね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ