グラタン
サビーナが調理台の上に、新たな野菜を乗せた。
「六人分の分量ね。トマトとナスとズッキーニが、それぞれ三百グラム。菜種油とバターを、それぞれ四分の一カップ。じゃあ、まずは野菜から切るわね」
サビーナがナスとズッキーニを、一センチ厚の輪切りにした。フライパンを二つ用意して、一つにナスとバターを、もう一つにズッキーニと菜種油とを入れて炒め始める。しばらくして野菜に火が通り、炒め終えた。
それを金網ザルに上げて、油を切る。その間に、トマトの皮をむいて、種と白い芯を取り除き、一口大に切った。
「これで準備完了。次に、ベシャメルソースをこのグラタン用に調整するわね」
ベシャメルソースに、野菜のダシを少し加えて、緩めのソースにする。これに、ナツメグとタイムを少々振った。
「これで良し。野菜のダシが無い場合は、牛乳を使いなさい。じゃあ、グラタン皿に詰めるわよ」
サビーナが、グラタン皿にバターを薄く塗り、ベシャメルソースを少し流し入れた。その上に炒めたズッキーニを並べる。そして、ソース、トマト、ソース、ナスの順番で盛りつけていく。最後に全体にソースを包みかけて、おろしチーズを振りかけた。
「チーズはピザ用でも構わないわよ。使うのは、六人分で百二十グラムくらいかな。で、バターの小片を上に散らして完了。じゃあ、早速オーブンで焼くわよ」
二百度に温度設定しておいたオーブンに、グラタン皿を入れて焼き始めた。
「三十分間ほど焼いて完成。この料理は、元々は子牛や鶏料理の付け合わせで出されていたのよね。サルサ・ポモドーロと一緒に出さない場合は、グラタンに茹でたマカロニを加えて焼いても良いわよ」




