表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
氷河には氷があるよね編
101/1133

強力 サンディプ

 強力隊ごうりきたいの補足説明になるが、道が険しい場所では、ロバ隊が使えないので、人力に頼る事になるのだ。

「具体的な資材量は、私がアンナキャンプで現地測量をした後で決まります。しかし、普通の石造りの壁がある小屋を建てる際と、同じような資材量になると思いますよ。どうでしょうか? サンディプさん」

 ゴパルの問いに、強力隊の隊長がニッカリと笑った。

「アンナキャンプやマチャキャンプの、民宿建設や補修に増築をチャイ、俺達が今まで全部手掛けているんだよ。そんくらいの資材量なら、何ら問題ないナ」

 ほっとするゴパルである。

「では、連絡先を私に教えてください。測量を終えて、建設認可が正式に降りたら、直接サンディブさんに発注します」


 責任者は上官のクシュ教授なのだが、言い切ってしまったゴパルであった。

 しかし、その辺りの確実性の無さ加減は、ニッキも今までの仕事で経験している。特に指摘する事も無く、七割くらい確実な話として、受け取ってくれたようである。

「了解だ。すぐに動かせる強力ごうりきは、三名だ。それ以上の人数が必要になったらチャイ、その都度、新規募集する。募集して採用して、現場に配置するまでにチャイ、だいたい一週間くらいかかる。そういう流れを考えて発注をしてくれ」

 ゴパルも了解して、スマホの連絡アプリに、彼らのアドレスを登録した。ゴパルが、安堵した表情になる。

「これで、今回の出張仕事の半分くらいは終わったかな。後は、明後日、アンナキャンプまで上がって、測量や調査をするだけです」

 サンディプとニッキが、顔を見合わせた。サンディプが丸太のような太い腕を組んで、太い首をかしげて、ゴパルを見つめる。

「坊様の占いだとチャイ、明後日は、大雪になるって話すよ。アンナキャンプへは、明日じゅうに到着した方が、良いっすよ、ゴパルの旦那」


 坊様というのは、ここではチベット仏教の僧侶の事である。

 そう言ったばかりのサンディプであったが、ゴパルの中年太り体型を見て、思い直したようだ。

「俺やニッキの足なら、余裕でアンナキャンプまで行けるがナ。ゴパルの旦那の足ではチャイ、明日中の到着は厳しいんじゃないか?」

 ニッキも同意して、太くて短い眉をひそめた。

「慣れれば、一日で着きますけどね。初めて歩くならチャイ、今日じゅうに、もう少し先まで登っておいた方が安心すよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ