ギャルゲーという他人事~二時限めっ~しょーかい
とある、学校の教室で、教壇に立つウラメンと、席についた六人の少女たちがいる。少女たちの机は横に二列、縦に三列で配置されている。一番前の窓側に座る葵が、すっと、手を上げた。
「私たちも自己紹介をしたいと思うのだが、構わないだろうか。ウラメン殿はすでに資料で私たちの事を知っているかもしれないが」
「いえ、ぜひ、お願いします」
ウラメンは教卓に広げた何枚もの紙をかき集めて、教壇横に置いてあった椅子に腰かける。
「ありがたい。では、僭越ながら私から」
葵は背筋を伸ばして立ち上がり、ウラメンと、他の少女たちに完璧な角度で頭をさげた。
「私の名前は葵、三年藤組所属で、この学園の生徒会長をしている。困ったことがあればいつでも頼ってほしい」
じゃぁ、次は私がしますねぇ、と隣の席のあおい、が立つ。
「私はさっきも、言いましたが、あおいっていいます。えと、三年蘭組です。あと、お料理部の部長をしてます。ちょっとおっちょこちょいだけど、仲良くしてくださいねぇ」
前から二列目の窓側に座る嬢子が、金髪を広げるように触りながら立ち上がる。
「わたくしの名前は嬢子ですわ、二年松組です。そして、この女子祭華学園理事長の孫であり、日本でも知らぬ者はいない祭華財閥よ一人娘ですわ」
嬢子の横に座る妹子が元気よく立った。
「妹子だよっ!一年梅組で、アオイの妹!よろしくねっ、にぃ!」
三列目の窓側に座るマキャラメが、椅子を倒しながら立ち上がった。
「アタシはマキャラメ!よくきかれんだけど、日本人だぜ!肌が黒いのは部活で日に焼けただけで、水泳部のエースだぜ!あ、二年竹組だぜ!」
マキャラメの隣の席のアオイが、音もなくいつの間にか立っていた。
「…アオイ、です…二年菊組、文芸部…です。…母親が違うから似てないけど…妹子の姉…です」
教室をぐるりと見回してから葵は頷き、ウラメンを見た。
「うむ、これで全員だな。どうだろうか、ウラメン殿、私たちの自己紹介は終わったが」
「え、あぁ、すみません」
少女たちにみとれていた、とは言わずにウラメンは慌てて教壇に戻る。改めていうまでもなく、美少女ばかりだった。
「はい、では、『私立女祭学園!~ハートふるふる ドキドキchuchu~』について話し合いたいとおもいます」
わー、ぱちぱちと、少女たちが手を叩く。
六人の美少女たちが身に付けるのはパステルカラーの制服。一目では学校とわからない華やかな建物。
ここは、ギャルゲーの世界である。
わかりにくくて、申し訳ないです。
教室は
*******教卓*******
葵(生徒会長)****あおい(遅刻)
嬢子(成金)*****妹子(にぃ、ねぇ)
マキャラメ(日本人) *アオイ(………)
のような席順です。