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4話 クマとアホと王と

火事の起きた酒場を見た後、王都に来た本当の目的である王様に会うために城の前に来ていた。

目の前の門番に、王に呼ばれたと招待状を見せると、待っていろといい5分くらいした後に、一人の老紳士をつれてきた。


「こちらです。」


そういい、無言で玉座の間に連れていかれた。

シャルはホエーとかおぉとか驚いていたが。一般人が城に入るのはすごいことらしい。まぁ俺は人と言うかくまだけど。


 玉座の間で少し待っていると、20代くらいのアホそうな青年が玉座に座った。念のために聞いてみると、


「このアホづr、、、この方が王様ですか?」

「おい!私は国王補佐のヤレルだ。この方がこの国の王、アホウス・ギール様だ。」


よろしく。そういって鼻をほじりながら、片手をひょいと上げて俺とシャルに挨拶をした。

シャルは俺の服を引っ張りながら小声でいった。


「この方、本当に王様何ですか?」

「インパクトすごい人ではあるな。てか、よくこの国はこんな王でやっていけてるな。」

「もう、名前があれですもんね。名前はその人を表すって言いますけど、神父様以上のバカ面初めて見ましたよ~。」


 確かに。あほすぎるって名前な、、、ってさりげなくシャルさん俺の事もバカにしてません!?


「おい何ごちゃごちゃ言っている。王の前で失礼だぞ。アホだから、舐めていいという問題ではない。」


 ヤレルさんアホなのは否定しないんですね。


「今回、お前たちを呼んだのはとある呪いを解いてほしいからだ。」

「呪いですか?」

「そうだ。シコウトメールという呪術でな。この国では禁忌とされている呪術だ。なにが厄介かと言うと、完全に思考を止めたり、植物人間になら国王の代理を立てたりできるが、行動したり、思考したりが少しできる分この国の法では国王を変えることもできん。そして国王の発言は絶対だからな。逆に扱いが難しいのだよ。」


 鼻くそほじったり、食べたり、挙動不審なのは呪いのせいなのか。シャルも納得したようにうなずいていた。


「いや、アホ面やよだれ垂らしてるのは、呪いのせいだが鼻くそは普段から食べている。」

「「それは普段からかよ(なんですか?!)」」


 思わず声に出ちまったぜ。シャルもしまったという顔をしている。

気をとりなおして俺は疑問に思っていることを聞いた。


「なんで俺たちなんだ?国には優秀な魔術師とか呪術師とかそーゆーのいるだろ?わざわざ田舎者の俺たちを呼んだ?」

「それには理由がある。まず、お前たちの噂は聞いている。神の声とやらで、奇跡を何度も起こし、参拝者が後をたたないと城まで噂が伝わってきている。そして、この呪いを解く魔法や呪術はまだないのだ。効くのはとある薬草なのだ。とある事情で我々は取りに行けないのでな。それを取ってきてほしい。」

「なるほどな。国の事情ってやつだな。困ってるやつを助けるのが神父の務めだもんな」


俺も人気者になったもんだぜ。やれやれとかっこつけていると、ヤレルが話を続けた。


「薬草の名前が、雪乃草っていうんだ。その事情ってのが、極寒の山頂に毎年数本しか育たない貴重な薬草なんだ。人間では凍えて死んでしまう。シロクマの君ならと思ってな。まぁ引き受けてくれてよかったよ。」


シャルはそれを聞いてプククと笑いをこらえていた。

かっこつけてたさっきの自分を消したい、、、。

ヤレルはその状況を察し、「まぁなんだ。これよかったら」と、いくらかのお金と地図を渡しそそくさと玉座の間を後にした。

その微妙な気遣いが余計恥ずかしさを増すんですが!!!穴があったらはいりたい。。。

帰り際にシャルにバカにされたのは言うまでもない。




―――その日の夜―――


明日は戦闘になるかもしれない。何か、使える魔法はないかとDPを使うことにした。

――DP――

努力ポイント、日々の自分の努力や善い行いがポイントとして貯められ、能力に変換できるポイントらしい。念じると頭にどれくらいのポイントがあるのか感覚で分かるらしい。

現在DPは125600もある。これすごくね?と思ったがすぐに現実に引き戻された。


魔法を使える体にする・・・120000

火の玉を出す・・・6600(魔法を使える場合)

イケメンになる・・・現在不可能


まって。いろいろ聞きたいことあるけど、俺魔法使えない体なのか。

てか、イケメンはやっぱり無理なのね。

お母さん。祖国を離れて頑張ってきたけどもうぼくだめそうです。

ショックを受けていると、急に泣き出したからか、おーよちよちとシャルが頭を撫でてくれた。


「シャルたん、シャルたん、グヘへ」

「神父様いやらしいです。」


―――ボゴ―――


シャルたんそこ蹴っちゃダメなところ。あぁ、絶対一つつぶれた、、、。


「川の向こうに死んだじーちゃんとばーちゃんがみえる。」

「白目向きながら何言ってるんですか。それ渡っちゃダメな川ですよ!?しかも、おばーちゃんとオジーちゃんまだ生きてるってこの前神父様お話しされてましたよね!?ツッコミ所多くて、ツッコミが間に合わない、、、。」


シャルとふざけているうちに夜は更けていった。



―――同刻―――

「どうだ?あいつは?」


木に隠れて神父とシャルの泊まっている宿を見ながら戻ってきた部下に聞いた。


「ただの神父ですぜ?兄貴。城にはなんかの依頼でいったらしいですぜ。」

「行先はしらべてあるか?」

「サムサム山脈ですぜ。」


よくやった。と言うと兄貴と呼ばれた男は少し退屈しなさそうだなとニヤニヤしながら言い、その場を後にした。


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