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第4話 大陸最強の生物(俺) VS スケルトン(俺)


かなり走ったはずだが時間がわかりにくいな。

感覚では1時間もないぐらいだと思うんだが。


『51分14秒だね』


そんな正確に言わなくていい。


しかし全力で走ってるつもりだったのだが、まだまだ速度は上がるようだ。

凄まじい勢いで風景が流れていく。


『レーシングカーといい勝負だね。僕たちの予想じゃ、まだ速度は上げられるはずだけどね』


音速を超えたら衝撃波で被害がとんでもない事になりそうだからやめておく。


『賢明だね。それでエルフ族と出会ったら間違いなく面倒事になるよ』


やっぱり森を大切にしているとかあるのだろうな。


『まぁね。エルフ族の里の周囲には、幻惑系の結界が張られてるよ。君にわかりやすくいうなら、迷いの森ってやつかな。今回は僕が何とかして、直行できるようにするからそのまま突き進んでね』


地味にだが役に立つ。

サポートするほどヤバイのか。


『そうだね。もうエルフ族と接触して被害も出てるから。それに、君のハーレム要因にエロフは必要だろ?』


呆れて言葉も出ない、と思っていると何かの中に入ったような感覚がした。


『それが結界だよ。森を過ぎると直ぐに戦闘になるからね。ちなみに、ターゲットの姿はスケルトンだからわかるだろう』


何でスケルトンなんだ。


『もう1人の君と言える存在だからだよ』


は?

どういうことだ。


『さっき分析でわかったことなんだけどね。君の魂との融合率が高すぎて、引っ張られてきたという感じのようだよ。だから、防壁もすり抜けたのか』


また面倒な。


『戦闘スタイルも見た感じ君と同じのようだ。これは厄介だ』


人事のように言いやがって。

だが、情報があるのは有難い。

ドッペルゲンガーと戦うようなものか。


『って、ヤバイヤバイヤバイヤバイ!』


どうした…ってマズイ!

何かゾワッと薄ら寒いのを感じたぞ!


「おい!正確な方向をさっさと教えろ!1mmも誤差出すなよ!」


思わず声に出たが仕方ない。

それだけ危険なのだから。


『ええっと…こうして、こう!出来たけどどうする気さ!?』


どうするってこうする!

刀を構えて…


「突撃だ!」


突きによる一点突破の突撃で妨害する。

自然破壊とか加減を捨てて思いっきり地面を蹴ると、抉れて小さいクレーターが出来たが構ってられない。

一瞬にして森を抜け、スケルトンが見えた。


とてつもない速度で突撃したにも関わらず、避けられた。

攻撃を中断させるのが目的だったが、出来れば今ので仕留めたかったな。


『そんな都合良くいくことは無いって知ってるでしょ?』


まぁな。

改めて、スケルトンと向かい合う。

人間の骨格標本そのものだな。


「なっ!?人族!?」


後ろからそんな声が聞こえる。

そういやここはエルフ族の里だったな。


「下がれ。アレはアンタらには荷が重い」


振り向かずスケルトンを見据えたまま話す。

俺なら話してる途中や変身中でも問答無用で斬りかかるからな。


「人族のクセに……」


エルフが何か言ってるけど無視だ、無視無視。

警告はしたし、巻き添え食らっても知らん。


さて、スケルトンを観察してみる。

姿は俺のスケルトンの時のだが、刀が違う。

正確には、ドス黒い霧のようなものが刀の形をしている。


『それは魔力を刀の形にしているんだよ。それに闇属性を付与しているみたいだ。アレに斬られたら、傷が治りにくくなるから気を付けてね』


絶対に俺じゃないだろ。

そんなこと出来なかったぞ。


ま、考えるのはここまでだな。

サポート出来たらよろしく。


『そこまで干渉出来ないから期待しないでね』


無いよりマシ程度に思っとくさ。

さて、小手調べからいこうか。


「螺刹」


剣撃を銃弾のように回転させながら飛ばす技。

海賊アニメの三刀流使いのをモデルにしたのだが、完成度は低い。


あっさりと躱される。

わかってたけど。


向こうは、突撃の構え…って!?


「牙〇じゃねぇか!?」


しかもアレンジしてるしズルイな!


『いや、君も出来るでしょ?』


出来るがやっぱりオリジナルがいいじゃん?

まぁ、使えるなら何でも使うのが俺だから不思議でもないんだけどな。


ギリギリで避けて、カウンター気味に剣撃を飛ばすがこれも避けられた。


「ええい…ちょこざいな!」


追撃攻撃反撃のエンドレスである。

相手は軽々と避け、反撃すらしてくる。

反撃に反撃で返すが、反撃で返される。


『ややこしいね!?』


攻撃の反対は反撃だろ?

防御?何それ美味しいの?

敵の攻撃ごとたたっ斬れ!


『君も剣斬狂の爺と似てるね!?』


あの変態と一緒にするな!

あの爺は斬ることに快感を感じる変態爺なんだぞ!

言うなら脳筋といいやがれ!


『どっちも酷いね!』


どうでもいい会話しながらだが、そろそろ集中させろ。

それと、何か魔力で自己強化的なものがあるだろ?

教えろ。


『わかった。自己強化なら魔力による身体強化かな。魔力で身体を活性化させて、肉体を強化するんだ。サポートするけど、君の魔力量だと直ぐに尽きるから気をつけてね』


あいよ、さっさとやれ。

こっちは肉体がある分、不利なんだ。

決めるなら短期決戦だ。


『わかってないよね。大丈夫かなぁ…』


愚痴っぽいのが聞こえたが、直に身体が軽くなった。

ふむ、この感じから細胞の活性化という感じか?

刀や武術で負担がかかりやすい、筋肉や関節の強化に変更しよう。


「ハッ!」


先ほどよりも、若干有利になったが決めてがない。

いや、あるにはあるが“溜め”が必要だ。

同格か格上と戦う時、一瞬の隙や溜めといったような行動は命取りだからな。


数回打ち合うと急に怠惰感が来た。

なんだ?


『魔力枯渇の副作用だよ。だから直ぐに尽きるって言ったのに』


面倒だ。


「はぁあああああああああああ!」


搾り出す。

無いなら、生命力や寿命を使ってでも搾り出す!


『いやいやいやいや、危険だって!』


激しい怠惰感と頭痛に襲われながら、数打ち合う。


意地、気合い、根性!

不可能?危険?上等だコラァ!


「人間を舐めんなやぁぁぁああああ!」


とにかく気力で身体強化を続け、スケルトンと打ち合う。

腹の底から声を出し耐える。


しばらくすると怠惰感や頭痛が引いていった。


『うわー。限界を超えちゃったよ…』


何だ?

説明はよ!


『魔力を使えば最大値が増えるって話しはしたでしょ?本来なら激しい怠惰感や頭痛で気を失い、その間に微々たるものだが増えるんだ。君は気力で耐え抜いて保有量の最大値が増え続け、魔力回復速度が消費速度を上回ったんだ』


長いわ!

とにかく、使いたい放題なら出力を上げる!


『誰も使いたい放題とか言ってないよ!?』


無視して、身体強化の出力を上げる。

威力や速度で有利になったと思ったら、スケルトンが二刀流してきた。

しかも、全身に黒い魔力を纏って鎧みたいにしてきた。


有利になったと思ったら、またやり直しか。


『規格外同士の戦闘って泥沼だね』


変態爺曰く、俺の強さは異常なまでの適応力と伸び代って言われたからな。

戦いの中で常に進化し続けるってのが脅威らしいが。


そんなことより、現状をどうするか。


……スケルトンの魔力剣を見て閃いた。

魔力を剣状にして二刀流というのは難しいが、腕や足に纏って武術と剣術の組み合わせはいけるんじゃないか?

善は急げだ。


こう…体内の魔力を放出して纏うの、どうするんだ?


「こうか?」


すると、腕や足に蜃気楼みたいなのが纏えた。

何となくで、やってみたが出来た。


『これだから、天性の感覚派は…』


何か言われてるが無視だ。

魔力を纏った腕や足なら、スケルトンの剣に耐えれる。

相手が全身なら、こちらは腕と足だけにして防御力をあげる。


とにかく攻める。

攻撃と回避を同時に。

多少のかすり傷は無視。

剣速を、武術をとにかく早く繰り出す。

目で見るな、本能で感じろ。

無駄を全て捨てろ。

雑音も思考も、研ぎ澄ませ。


雑音が消え、まるでスローモーションのようになってきた。


突きが来る。

避ければ右払い。

そして、また突き。


突きをイナバウアーのように反り、カウンターで全力の魔力を込めた拳で殴る。

相手は吹き飛ぶが、まだだ。

このまま遠心力を使って、身体の捻りを加えた剣撃を飛ばす。

剣撃により更に吹き飛ばされる。


今だ。

今しかない。


納刀し、居合の構え。


捉えろ…

定めろ…

全てを…


「斬る」


足首の回転から膝の回転へ。

膝から腰へ。

腰から肩へ。

肩から腕へと完璧に澱みなく剣に伝え。


抜刀する。


大地に長く底が見えぬ傷を残し、雲すら斬る。

あの変態爺の“奥義・天断”。


持てる限りの技術と身体操作を駆使し、剣に“全てを斬る”という意思を乗せ振るう。

基礎を奥義までに昇華させた、文字通り“天地を割る”絶技。

決して剣撃を飛ばす訳でもなく、一瞬にして全てを真っ二つにする。


変態爺は溜めも無く、ほいほいと使ってきたが俺には無理だ。

あの爺曰く、開祖は呪いや魂まで斬ったとか。

クソ神を斬りたいからそこまでやれるようになりたいな。


で、手応えはあったんだがどうだ?


『うん、確認できたよ。……だけど、この被害はどうするんだい?』


知らん。

こうでもしないと倒せなかったんだ。


とにかく倒せたなら休む。

そのまま寝転ぶ。


目を瞑ればそよ風が頬を撫でて気持ちいい。

寝そうだ。

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