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第11話 自覚はあるが指摘されるのは嫌だ


我が家に着いた。

途中で変なおっさんたちが近付いてきたので、殺気を飛ばして追い払ったこと以外何もなかった。

一応、防音防犯の為にインスタントハウス内でラストエリクサーを使おうと思う。


床にタオルを敷いて、その上に奴隷たちを座らせる。

奴隷たちの目は死んでいるし、反応も殆どない。

人形と変わらないな。


「大丈夫、なの?」


「ん?何がだ?」


「手足、ない」


あぁ、それか。

エリクサーのことを知らなければ何で買ったかわからんよな。

目的は家の掃除をやらせることだし。


エリクサーの価値を伏せて、治す方法があるということを説明して納得させる。


「さて、これを飲めるか?」


奴隷たちに聞いてみると飲もうとするが、1人は両腕が無いし、もう1人は腕が折れてるのか上げようとするだけで苦痛に顔を歪ませる。

これは無理そうだな。

仕方ない、また口移しか。

ここ3日で口移しを何回もするとは思ってもいなかったわ。


金髪の娘に口移しでラストエリクサーを飲ませるか。

……まっず!?

めっちゃ不味い。

とにかく早く飲ませよう。


「ぅっ…」


金髪の娘が苦悶の声を上げるが、俺もここまで不味いとは思ってなかったんだから我慢しなさい。

何て表現したらいいかわからないがとにかく不味い。

吐き気がするような気持ち悪さではないので、耐えられないわけじゃないのが唯一の救いか。


「吐くな、飲み込め」


一応、命令もしておく。

勿体ないからな。


「ゴクッ………ぐうぅぅぅぅぅううぅぅぅっ!?」


何とか飲み込んだ途端に苦しみ出した。

あれ、激痛とか殆どなくなっているんじゃなかったのか?


蹲ったり、じたばたと暴れている。

何かヤバそうなので抱き締めて、口に布を突っ込んで舌を噛まないようにしたと同時に腕や足から血が大量に噴き出して、肉が盛り上がり始めた。


「んんんんんんんんんんんん!!」


「少しだけ耐えてくれ!すぐに終わるから!」


金髪の娘は激痛で泣いて叫んでる。

激痛とかほとんど無くなっているとあったが絶対に詐欺だと思う。

それとも、軽減してこれということか。

だとしたら、普通ならどれだけの激痛なのだろうか。


しばらくすると治まり、欠損が回復したようだ。

ピンッと立った耳に、モフモフの狐の尻尾の美人さんである。

狐人族かな?


「ぅ……何が……」


疲れてるのか欠損が治ったことに気が付かないようだ。


「とりあえず、これで体を拭きなさい」


うん、主に出血で血塗れなんだが、下半身も凄いことになっている。

性別に関係なく恥ずかしいだろう。


「え…?きゃあああああ!?」


俺は何も見なかったことにしている。

足にかかったりしたけどクリーンで綺麗にしたから問題ない。


「ぅぅ…………あれ…腕がある!!足も!!どうして!?」


やっと気付いたか。


「説明は後でする。それまで拭いて待ってなさい」


「あ、はい」


さてと、次は水色の娘だな。

さっきと同様に口移しで飲ませようと思い近付いたらビクッと脅えられた。

金髪の娘の悲鳴を聞いてたのかね。


それでも飲んでもらわなければ困るのだが。

ラストエリクサーを口に含む。

しかし、何でこんなにも不味いのか。

しみじみと思ってしまう程に不味い。


「っ…」


辛うじて呻き声をあげなかった。

飲ませて口に布を噛ませる。


「ふぐぅぅぅぅぅぅううぅぅぅ!!」


やっぱり相当痛いようで悲鳴があがる。

金髪の娘と同じように暴れるので押え付ける。

血が吹き出し肉が再生し始める。


しばらくすると悲鳴と血が治まり再生も終わる。

そして、密着して押さえつけたので柔らかく程よい弾力のモノが当たってる。


凄く…大きいです……

うん、Eカップはあると思う。


おっと余計なことを考えた。


「ほれ、これで体を拭きなさい」


返事をする気力が無いのか無言である。

うちの子は無言多いな。


「ぇ……?う、腕が……おっぱいもある……。なんで……どうして……?」


うん、それだけ立派な胸が無くなったらショックは相当だろう。

男には想像しにくいけども。


「あー、喜んでるとこ悪いが早く済ませてくれるないか」


「あ、はい、ごめんなさい……ってふおぉぉおおおお!?な、何でこんなに漏らしちゃってるのおおおおお!?」


変わった娘のようだ。

金髪の娘は終わってるようだし、早く説明して風呂に入れたい。

クリーンも綺麗になるがやっぱり風呂が1番だ。


ふとシエルたちが気になって見てみると、何ともないようだ。

あれだけ血が吹き出る瞬間を見れば驚くとは思うが。


「あ、あのぉ……終わりましたぁ……」


語尾を伸ばした口調で話しかけられる。

水髪の娘はのんびり屋なのかね?


振り向くと水髪の娘は垂れた長い耳をしていた。

胸の印象が強くて種族を確認してなかったわ。


「見た目からして狐人族と兎人族でいいのかね?」


「はい、狐人族のミンです」


「わ、私は兎人族のノエルです」


正解のようだ

金髪の娘がミンで、水髪の娘がノエルか。


「俺は、お前たちを買ったスグル・アイウチだ。んでエルフの娘がシエル。人族の娘がシールだ」


自己紹介と挨拶もそこそこに本題に入る。


「さて、お前さん方を買った理由は家事をして欲しかったからだな」


「家事ですか?」


「そ。主に掃除をやってもらいたい」


掃除が大変で作りたい物が作れんのだ。

香水やシャンプーとか色々あるんじゃ。


「えっと、とgふべっ!」


ノエルが何かとんでもないことを言い出しそうだったから、全力でタオルを投げた。

乾いたタオルだからそこまでの威力はないはずだが、それでも仰け反るぐらいの威力はあったようだ。


「そういうことは求めてないからしなくてよろしい」


「そうなのですか?もしかしてロリふぐっ!」


この娘懲りないな?


「ど、どうせめとすっ!」


割と本気で木材を投げた。

ピクピク動いてるし生きてるだろう。


「ノエルはいつもこんな感じなのか?」


「はい、どこか抜けているのに勢いだけで行動する残念な娘です」


呆れとか諦めとか色々と混じった表情でミンは言う。

まぁ、放置でダメならスルーするだけだ。


「しかし、よろしいのですか?」


「ん?何がだ?」


「閨っと!」


タオルを投げたが避けられた。

ドヤ顔がピキピキキマスワー。


「来るのがわかってれば避けるのは簡単です」


よろしい、ならば戦争だ。

ありったけのタオルをアイテムボックスから山ほど取り出し構える俺。

ギョッとして固まるミン。


「シュート!イッツ!エキサイティン!」


俺はマシンガンの如く投げまくる。


「ふべっ……あ、ちょっふぐっ」


何か言おうとしているが構わず投げる。

数の暴力には抗えず、被弾しタオルの山の一部になる。


「ふぅ……やりきった」


スッキリしたぜ!

ミンはタオルの山に埋もれて様子がわからないが生きてるだろう。


しばらくすると、もそもそと芋虫のようにタオルの山から這い出てきた。


「タオルが痛いと思ったのは初めてです……」


投げてそんな威力を出すなら相当な力がいるけどな。

俺は規格外だから出来るが。


「そろそろ真面目な話しする……前にノエルを起こさないとな」


温度は触れたら熱いと感じる程度の魔法でお湯を作り、それをノエルにかける。


「ふびあっつうううううううう!?」


よし起きたな。

しかしリアクションが大袈裟だな。


「何故か私の扱いが酷くないですかぁ…?」


「勢いだけで行動するからです。もう少し考えなさい」


うん、ミンの言う通りだ。


「はいはい、そろそろ話しを進ませろ」


そういうと黙る2人。

最初からそうだったらいいのに。


「やることはたくさんあるからな。まず2人は風呂に入ってこい。その後、昼ご飯を食べたら服店で服を買うからな」


そうなんだ、遊んでるうちに昼になってたんだよな。

今日の掃除は無理そうだから明日になるなぁ……


「風呂って、あのお風呂ですか?」


「どの風呂かは知らんが風呂は風呂だ」


時間が惜しいのでシエルたちにミンたちを風呂に入れてもらう。

着替えの服は俺の予備なのが定着しつつあるのをどうにかしないといけないと思う。


さて、その間にご飯を作るか。

そういや、食べれないものとか聞くの忘れてたわ。

まぁいいか。


ワインがあるしビーフシチューにするか。

鍋で牛骨や野菜クズから出汁を取って、フライパンで野菜を炒める。

出来たら鍋に投入して、ワインやトマトペースト、デミグラスソースを加えて煮込むだけだ。


む、そういや柔らかいパンも作らなければ。

何故かパンを作るの忘れるんだよな。

まぁ、形を整えてバターを塗って焼くだけなんだが。

あれか、簡単すぎて忘れるとかそういう類いのやつかね。


「おにぃ、おわ、た」


パンを焼いていたらシエルたちの風呂が終わったようだ。

シエルとシールの髪は濡れてない。


「おう。シエルとシールは入らなかったのか」


「ん、朝に、入った、から」


それもそうだな。

汗をかいたならわかるがそうでもないのに昼に風呂に入るのは、余程の風呂好きでもない限りしないわな。


「ふぉおおおおおおお!凄いですよ!髪はサラサラになってお肌はすべすべなんですよ!」


ノエルのテンションが相変わらず高い。

まぁ髪と肌用に作った石けんだしな。

髪と肌を痛めないようにもされてるし、1度知ったら辞められないだろう。


パンが焼けるまで時間がかかるしミンたちの髪を乾かすか。


「ほれ、ミン。髪を乾かすぞ」


アイテムボックスから椅子を2つ取り出し、片方に座りドライヤーと櫛、香水を用意する。


「は、はい」


「痛かったら言えよー」


宣言してからドライヤーと櫛を使って髪を乾かす。

櫛だけに駆使して……つまらんか。


ミンの髪は肩までしかないセミロングで少し薄い金髪だ。

シエルとシールは背中まであるロングヘアーで本当に真っ白で綺麗なんだが、この金色もいいと思う。


乾いたら香水で香り付けをして終わりである。

今日の香水は桃の香りだ。


「よし、終わったぞ」


声をかけてみるがミンの反応がない。

顔を見ると寝ていらっしゃる。

乾かした後に水をかけて起こす気はないので、背中に氷を入れるとするか。


「ひんっ!?」


椅子から1cmぐらいは飛び上がった。

こんな器用なこと出来るとは凄いな。

異世界補正だろうか。


「……もう少し、起こし方があるはずです」


「冷水を掛けられて起こすのと、熱湯を掛けられて起こすのと、氷を背中に入れられて起こされるのでどれがいい?」


「……氷でお願いします」


だよな。

他にも選択肢はあるが言わないでおく。


「気持ちは凄くわかる」


「もしかして、シール様も?」


「……今朝の起こし方がそうだった。それと呼び捨てでいいよ」


シールとミンの間で何か通じるものがあったのか、意気投合している。

それはいいとして、ノエルが期待に満ちた顔でこちらを見ている。


「さて、そろそろ出来たかな」


「待ってください!私は!私にはないんですか!?」


「誰も順番にとか言ってないぞ?それにパンが焼けるだろうから取り出さないと焦げるし」


うん、誰も順番とか言ってないし、パンが焼けるのも本当のことだ。

嘘は言ってない。


「ふぐううううううううう!!ミンにあんな気持ちよさそうな顔をさせるブラッシングがお預けだなんてえええええええ!!」


割と本気で涙目になっているノエル。

だが、俺にはパンの方が大事なのだ。

オーブンからパンを取り出すといい香りが広がる。

うん、やっぱりパンはこうじゃないとな。

アイテムボックスにパンを収納して椅子に座る。


「ほら、早くこい」


うん、順番とか言ってないがやらないとも言ってないからな。


「え?いいんで「よし、しょk」はいどうぞ!!」


来ないので食事にしようと言おうとしたらいつの間にか座っていた。

俺も気を抜いていたが、それでも捉えられないとはとんでもない俊敏性だな。

それとも脚力か。


「痛かったら言えよ」


「はいっ!」


そんなに期待されると困るのだが。

実際、アイリスにお願いされて何回かしたことがあるという程度だし。

まぁ、期待に応えられるようにやりますか。


「ふぁっ……」


櫛を入れると艶のある声を出すノエル。

やめんか。


癖のない水色を更に薄くしたセミロングはシャンプーのお陰かサラサラである。

ミンとノエルの髪を比べればノエルの方が少し短く、長い垂れうさ耳が可愛い。

うさ耳と言えばピンと立っているイメージだったが垂れていても何らおかしくないよな。


待たせてる間にある程度乾いていたのか、直ぐに乾いたので仕上げの香水をかけて終わりである。


「終わったぞー」


返事がない。

まさかなー、と思いつつ顔を見れば寝ていた。

うん、氷で起こすか。

毎回背中だと面白くないので、ノエルにはおっぱいの隙間に入れよう。

うん、このけしからんおっぱいを滅する。


「ふぇっぶっ!?」


奇妙な叫び声をあげて飛び上がる。

凄いな、多分10cmは飛んだんじゃないか?

立派な果実もたゆんと揺れた。


「よし、起きたな。ご飯にするぞ」


「やっぱり私だけ扱いが酷くないですかぁ……?」


何故かはわからんのだが、弄らないといけない気がするのだ。

言わないけど。

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