詩篇 『としのせ』
いつもより
きょうの道はゆっくり歩こう
ゆく年に名残りはないけど
みんなが急いで新しいを迎えるのなら
誰かひとりでもこの年、時間を
惜しんであげても良いんじゃないか
流れに抗うわけじゃない
もうひとつをでも、さがしているだけ
ゆめを見る
冬枯れのなかに世界をひろげ
それはスクリーンでもモニターでもなく
僕がひとりでもこの空気のなか
えがいてみても良いんじゃないか
時にうつろうものじゃない
なにかを静かに、さがしているだけ
明日と今日の輪郭みつめて
めぐるという意味、さがしているだけ