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お前ら仕事しろ

お前らはこっち来るなよ……すごくツッコミ疲れるんだけど……

それぞれ壁と屋根を木端微塵に破壊して店内に入って来たのは、天然タワシこと翁翔とショタコンハーレム体質のストーカー、熊川金弥でした。帰れ、面倒くさいからほんとに帰れ。


「え、何?」

「おや、さっきの美しい御嬢さんがt……」


 キョトンとした表情のモモを見たあと、翁翔はとある場所で目を止めた。目線の先にいたのは嶽媛。


「……やぁ、翁翔…………わざわざわたしの前に出てくるたぁ、いい度胸だねぇ」

「輝夜さん…………良いところに! ささ、あなたも一緒に俺の家でお茶でも」


「うるさい」うるさい

「お前は一人で帰っときな」そこらでぶっ倒れろ


 おぉ、ハモった……後半の台詞自体はまったく合ってないけど。まぁこいつはどう考えても女の敵だしね。モモが輝夜を不信な目で見ていると、翁翔が突如高笑いを始めた。なかなか画になってるから癪だわぁ……

 そんな翁翔を横目にしつつ、天井を破壊して入って来たわりにどことなくオドオドしていた金弥はキョロキョロと店内を見渡し、とある人物を見つけた。視線の先に居たもの……それは、気絶したアリスでした。そして、その視界を狭めるものが一つ。女型の天武の神将……って、なんか危ない目ぇしてるぅ!!


「ひっ」

「……おー、珍しいなぁ。たまにああやって特殊な意識を持ってるのが出てくることがあるんだよ。私に恋愛感情持ってたり、下克上しようと私の頸を狙って来たり。ま、面倒くさいからすぐにそいつらは消したんだけどね」

「うふふふふふふふ、可愛い子。私とイイコトしましょうよ」


 おい、歩み寄りながら鎧を脱ぐなあほんだら。ていうかなんでピンポイントでショタコンのなんだよ。いろいろとツッコミどころが多すぎるぞ。輝夜さん、頼むから早く消してくれ。SO・SI・TE、踏まれまくる床に転がった男達。あ…………はたして今踏まれたさっきのイケメンは子孫が出来るのだろうか……ご愁傷様です。


「おぉ、まぁ面白そうだし良いか。そのまま出しっぱなしで。あの子結構強いらしいから素手の天武の神将くらいなら勝てるでしょ」

「そうね……別にどうでもいいけれど」


 チラッチラと翁翔の方を赤ら顔で見ながら、どうでも良さそう……というか口に出してどうでもいいと語るモモ。流石真正のクズである。っていうか輝夜さん案外酷い……まぁおとりあえずモモは元の世界に帰れ。痛っ!!

 まったくもう! 何度私の頭を叩けば気が済むん!? いい加減にしないとあとで私の鉄拳をお見舞いしますよ……って、ごめんなさいごめんなさい、だからファイルの角はやめ……いったぁぁぁぁぁ!!! ……うっ、すいません先輩……


「まぁそれは置いといて……翁翔、さっさとアンノウンの討伐に行くよ」

「いやそんなのどうでもいいじゃないっすか。俺の家でお茶しましょうよ」


 討伐いけよ……行かないなら行かないなりに輝夜さん引き留めるなよ……頼むから。最前線勢が居ないとイレギュラーの討伐にも時間かかるんだって……。お、すると輝夜が傍にいた左手に提げていた小さなバックから、明らかに入らないはずの大きさを持つ物を取り出した。それは鮮やかな色合いの羽根扇でした。

 はいはいアイテム効果検索……


山屠鳥帝(やまとちょうてい)羽王扇(わおうせん)

うっわ……痛々し……中二病かよ…………

能力としては召喚系魔法の補助で召喚生物の力の底上げかな? にしても綺麗な扇だ


 輝夜はその扇を使って自身の口元を覆い隠した。それを見た翁翔の表情が一瞬硬くなる。何?


「そこまで申すならば無理難題を命じよう。期限は一分、我が“天武の神将”を掻い潜り私に触れて見よ。天武の神将の殺害は許可しよう、が……まぁそれでも無理じゃろうがな。では、」

「はいはい、わかりましたよ……お得意の無理難題か。別に良いですけど」

「では始めよう」


 ん? なにこれ。なんか勝手に話が進んで……


「あんたらあの金髪野郎をぶちのめしちまいな!!」

「シャアッオラァァ!!!」


 …………

 なんか戦闘ハジマタ


 ひいっえ、えっえっうえ……あ、あた、頭……ひ、あ、あわわわわわ……え、ちょっも、モザイク! モザーイク!!

 ……突然のスプラッタやめろや!! うえ……モザイクの上からでも血が……吐きそ……


「……まぁモモちゃんあんなスケコマシは放っておいて、さっさと行こうか」

「これどういう状況……?」

「あぁ、あいつこの町じゃ有名な色情魔だから」

「四木畳間……?」


 あ、そういう。輝夜は天武の神将を使い、翁翔の足止めをしていたのです。…………天武の神将たちが翁翔を取り囲み、次々と攻撃を繰り出します。ですが翁翔はそれを回避し、次々とそれらを爆死させていきまs……店内めちゃくちゃやん……店長さん……めっちゃなんとも言えない表情してる…………


 その半壊している店の隅では後ずさりをつづけて壁際に追い詰められた涙目の金弥と、無機質な笑いを浮かべながら天武の神しょ……服を着ろ服を。なんでこの世界の変態はすぐに脱ぐんだ……アリスもしかり……ショタロリ関連は碌なの居ないな……

 そしてジャパニーズHA・RI・TEをモロに受けて吹っ飛ぶショタコン天武……もういちいち面倒くさいんで天津飯っで良いですよね……ショタコン天津飯。

 そんなに薄くも無い酒場の壁をぶち破って色んな人を巻き込んで倒れ、そして消える天津飯。死んだか……お前ら関係ない人巻き込みすぎだろ……


「あ、特殊なの死んじゃったか……まぁいいけど、早くいこ」

「え? あのイケメンはあのまま戦わせるの?」

「んー……まあ別にあいつも連れて行っても良いんだけどね。別に必要ないし。特に意味は無いよ面倒くさいだけ」


 意味も無く爆殺される天津飯ェ……そこは餃子では……っていうか、複数の天武の神将と渡り合うとかどんだけ強いねんこいつ。今気が付いたけど。

 すると輝夜はモモの手を引き、酒場の外へと出ていきました。そんな二人には目もくれず、張り手の姿勢のまま固まっていた金弥はハッと気を取り直しました。すぐさま視線を先ほどアリスのいた席に向けると……INAI。そりゃあそうです。なんだか用心深く行動している輝夜さんがアリスを一緒に連れて行っているのですから。女型の天津飯がおっぶって外に出ていったのに気が付かなかった金弥は、慌てて外に駆け出ました。いまだに翁翔は戦い続けています。


「あ、あのこは……」

「ムホッ! 金弥ちゃん見つけたわよぉ!!」


 おぉ……先ほどのゴリラさん……生きてたのか……

 そしてそのゴリラさんの後ろに続くショタコンの女達。怖い。思わず立ちすくむ金弥。すると、


「ったく! っさっさとどきやがれこの鉄仮面どもがぁぁぁぁぁ! 幾度も散らすはその花弁、又春来れば全ては元に、百夜千夜を得てしがなと、儚き夢想と知りながら、その身を費やし狂い咲くは、我が心に寄り添う熱き花なりっ!!」


 Tyu、ド―――ン!!

 大 爆 発。馬鹿か。……酒場が……原型留めて無い……ご、御愁傷様……でした。


 茫然とする通りに居た人たち。巨大な爆発の中から出てきた翁翔を見て、突如起きた爆発の意味を察します。金弥も茫然とその翁翔を見ていました。まったくの無傷です。なんだコイツ。

 翁翔は金弥の下へ来ると、尋ねました。


「おい、ここらにいた和服の女の人と綺麗な女の人見なかったか?」

「…………」

「おいこら聞いてんのか」


 ジッと翁翔を見つめる金弥。そして口を開きました。


「ぼ、僕を弟子にしてください!」


 ……え? 今なんて言った?


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