健全な方は見ないことをお勧めいたします。
ひっさびっさの投稿デスヨー
はてさて、亜空間に入り転移したあの二人はどうなったことでしょう…。ん?なんだか転移した場所は薄暗いところのようです。
「わっぷ…こ、ここは…?」
「……」
状況が飲み込めず訳が分からんと首をひねるモモと、俯く金髪の少女アリスが転移したのは…トイレ。え、なんでトイレ…?逃げてきた相手が野郎だったからかな?
「えっと…ここは…?」
モモはキョロキョロと辺りを見渡し、自分の居る場所がトイレの中であることを確認する。依然としてアリスは俯いたまま。すると、モモがアリスに詰め寄り捲し立てた。
「ちょっと、どういうことなの?なんで私まで…ていうか、結婚してくださいって何よ。」
「………」
我関せず。とでも主張するかのように俯き続けるアリス。イライラしたモモはアリスの顔を両手で掴み、自分の方へと向けさせた。
「……お姉、さまぁ……」
「…え。」
モモが見たアリスは見るからに異様であった。
呼吸は熱く、荒く。目は焦りや狂喜などが入り混じり、濁った色をしている。…ロリのこういう顔…なんか良……痛い…
「…いや、ちょっと…なんで、服脱ぎはじめるわけ…?」
「…お姉様…お願いです…私を…」
ちょっと、ストップ。…え?え?どうした?何?何が起こってんの?え、魔法?
大恋寺 アリス。旧世界は【不思議の国のアリス】である。
魔法はワープゲート。亜空間の入口と出口を作り出し、違う場所へ移動する魔法。
基本的にどこにでも移動できるが、移動するものの質量・距離・大きさに比例して欲望が増進するというネックがある。
…ふぁ?…え、お、おう。
キマシタワ――――――!!ここに塔を建てましょう。うん、そうしよう。
いや、どんだけ……あの歳であれって…引くわ……
スーハ―…スーハ―……よし。覚悟を決めた。
「…私を……」
「………」
あまりの急な出来事に思考停止している様子のモモ。アリスがエプロン?を外し、上衣を脱ごうとした瞬間、ハッと我に返りアリスと距離を取った。
「な、何してんのよ!やめなさいよ!」
「…………」
荒い息で無言で近づいてくるアリス。モモはうめき声をあげながら後ずさる。てか、どんだけ広いねんこのトイレ。
すると、モモは壁に追い詰められ絶体絶体の危機に陥る。上手くね?絶体絶体って。
追い詰められたモモはなすすべもなく…
「…いい加減やめろっつってんだろ、この発情したメス猫が!!!」
…素が出たな。思いっきり男口調です。
激昂したモモは手刀を振り下ろし、アリスを気絶させた。そういえば桃太郎って剣豪でしたね。手刀と刀って技術関係あるかわかりませんけど。
「…なんなんだこいつ………気絶させたのは良いがどうすっかな…きび団子でも食わすか…?」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「こわいこわいこわいこわい……」
始まりの街を一人の少年が駆ける。その後ろから駆けてくる数人の女性。
熊川 金弥は腕の中のくまのぬいぐるみを抱きしめがら女性達から逃げていた。
「きんやくーん。まってぇ~、何もしないからさぁ~。」
「私達とお茶しましょうよ~」
「ムホホッ!!」
熊川 金弥は泣き顔で人ごみの中を走る。一所懸命に走っているものの、やはり体格差があるためか徐々に距離が縮まっていく。
徐々に女性達の魔の手が迫る。もはや少年は泣きじゃくりながら逃げていた。そして、一番先頭を走っていたゴリラのような容姿の女性の手が触れようとしていた。
「っひ…」
「んほー…捕まえたぁ…」
金弥をその丸太のような太い腕で人形のように持ち上げたゴリラ顔の女性は満足そうに頷いた。対照的に金弥はもはや涙腺崩壊レベルで泣きじゃくっているが。だが、金弥は抵抗を止めなかった。足を振り上げ、蹴ろうとするが届かずに空を切る。
「ンッホッホ…届かないわよぉ。もう可愛いわねぇ…」
金弥を持ち上げながら高らかに笑うゴリラ。金弥はもう涙が枯れてきたのか涙の量が少なくってきた。そして、金弥は最終手段として魔法を発動させた。後続の大人の女性達が迫ってきている。
「ざ、ぱわー…」
「…ウホォ!!?」
金弥がゴリラの左腕に手を添え、力を入れる。そしてミシリと、腕から音が鳴った。ゴリラの腕が、である。
ゴリラは痛みに耐えかね、金弥を落とす。ゴリラ女は右手で捕まえようとしたが、目の前には金弥の姿が無かった。金弥がいたのはゴリラ女の足元。手を開き、ゴリラの腹を打つ。俗に言う張り手、である。
「どす…こい!!」
少年の体格ではありえないほどのパワーがあったその張り手はゴリラ女の巨体をふっ飛ばし、人を巻き込みながら地面に転がっていった。
金弥は涙を拭い、ホッと肩をなでおろしたが背後から聞こえてくる女性達の声を聞いてビクつくと、跳躍して建物の屋根を伝って路地裏へと隠れた。
☆
「ここまでくれば大丈夫かな…おーちゃん…」
金弥は壁にもたれて腰を落ち着けると熊のぬいぐるみを抱きしめながら独り言を呟いた。
「なんで、僕って女の人に追いかけられるんだろ…何かしたかなぁ…」
金弥くん、それはね。彼女たちがショタコンだからなんだ…
熊川 金弥。年齢は10歳、元世界は【金太郎】。
魔法はザ・パワー。筋力を大幅に上昇させる能力。シンプゥルイズヴェスト、単純だがかなり強力な魔法である。
ショタコンの人を引き付ける特異なハーレム体質を持つ。
「あの人たち目が怖いんだもん…うぅ…」
どうやら金弥はぬいぐるみに話かけているようである。…そりゃショタコンに絡まれるわ。
ふと、金弥は一つの足音を聞き取った。まさか、お姉さん達じゃ…と、金弥がその方向を見ると、女子トイレから金髪の女の子を背負う黒髪の和服の女の人が出てくるところであった。
女性がすっかり苦手になった金弥は物陰に隠れ、二人を観察することにした。
黒髪の女性は腰に刀を差し、何か入っている様子である巾着も吊っていた。
そして、観察を続ける金弥の目に金髪の少女の顔が写った。
「………」
無言で見つめる金弥。心なしか顔が赤いように見える。惚れたか?
そして、黒髪の女性は金髪の少女を背負いながら裏路地を出て大通りへと出ていった。
「あっ……」
残念そうに吐息を漏らす金弥。またうずくまり、ぬいぐるみに顔をうずめる。…今の内にご飯食おうかな…
っと、なんか急に立ち上がった。
「もっと、あの子のことが知りたいな……名前と歳と好きなタイプと利き手と誕生日と魔法と仕事と好きな食べ物と元の世界と(ry
……ストーカーかよ。
金弥は再び魔法を発動させ、二人が消えていった方角の屋根へと飛び乗った。目視で二人の姿を見つけると、屋根を伝って二人の後を追いかけ始めた。
結論:童話の住民は碌なのが居ない。ダレカタスケテ…
…なんかすいません。