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俺のせいなようで...

俺がトイレから帰ってくるといまだに悲しそうなか顔をしているマツリはおとなしく武士に頭を撫でられていた。俺の好きなもの二つが一緒にいるっていうのは幸せなもんだ。

「スーイー、なに笑ってるの?私はこんなに悲しんでるのに。」マツリが拗ねたように頬を膨らませる。可愛い。

俺が無反応だったのが悔しいのかバタバタと腕を上下に降り始め…あ、武士にあたった。マツリがごめんねと謝っている。なんとも微笑ましい光景だ。平和だなー。

「いや、二人ともお似合いだなと思って。俺は女なんだからさ、マツリと武士付き合ってみればいいのにとか思っちゃうわけですよ。」俺はなんだから気まずくなって窓のほうをみながら口にしてはならないことを言ってしまった。

「…スイ。それって私が邪魔ってこと?」声が震えていることに気づきマツリを見ると、目に大粒の涙をためてこちらを見ていた。

「あ。そういうわけじゃなくてね。マツリは可愛いんだから俺だけじゃなくてもっと外を見てって、あぁごめんね、ごめん。俺が悪かった。」俺がなにか言えばいうほどマツリの涙が溢れんとする。俺は泣いてしまったマツリの頬にキスをしてごめんねと謝るしかなかった。

武士が先駆けズルイとかわけわかんないこと言ってるが無視だ、無視。男にまで優しくしてやる必要はないだろ、俺だって今は男だ。

「…本当に?」

「うん、邪魔だなんて思ったことないよ。マツリのことすっげえ大切に思ってるよ。」

「スイがそう言うなら信じる...。でも外の世界とかはいいの。今はまだマツリと一緒にいる方がたのしいから。」

「わかってるよ、ごめんな泣かせちゃって。」俺がマツリの目元をぬぐってると横からぐいーっと手が伸びてきた。

「はい、そこまでー!俺のこと無視すんなよ、スイ。俺のこと大好きなくせにさ。」マツリが何か言うよりも早く武士が口を開いた。

「お前のことなんて別に好きじゃないですけどー。何言ってんだよ。」

「昔泣きながら告白してきたくせによく言うよー。ぶしー好きだよ他の女の子と遊ばないでって言ってきたのはどこの誰だよ。ん?」昔のことを言うのはやめてくれ。恥ずかしいじゃん。

「うわー、まじお前むかつく。俺ですよ、俺ですけど。なんか文句あリますか?あのときは好きだったの!いいじゃん、もうばか!」

「ういーっす、ってあれ?何⁇鈴木泣いてんの?」ガラガラっと音をたてて宏哉と山村とめずらしくやまだんも部室にやってきた。

「放送部はこれで全部か…。」やまだんが俺らを見渡して言う。この学校の中ではまあ少ないほうだ。部長の宏哉が俺ら目的で入部してくるやつは嫌って公言しちゃってるから、入ってこないんだよね。

俺もやまだんにならって部室を見まわす。それにしてもランキング一位~三位まで一つの部活に揃っちゃうってのは珍しいよな、というか普通あり得ないよな。しかもそれがこんな奴らとか世も末だわ。

ランキングと言っても新聞部が勝手にやってるやつだから信憑性を問われると怪しいもんだが...。山村あたりはわざと宏哉の順位下げてもらいに行ってそう。新聞部の部員ちゃんは仲いい女の子多いって言ってたしな。

「お前ら、じ…」

「なになに、茉莉ちゃん武士にいじめられてんの?うわー、武士さいってー。」山村の声でやまだんが何か言おうとしてたのがさえぎられる。やまだんにはもう少し黙っておいてもらおうか。いつも来ない罰だ。

「俺のせいじゃないんだって。翠のせいだから。」

「はぁ?俺のせいじゃないし!俺がマツリのこと泣かせるわけないじゃん。何言ってんの武士。」

「そうだね。スイはいつでもの味方だから!」罪の擦り付け合いみたいになってて醜い。

「で、結局誰のせいなんだ?」やっぱりこういう時にまとめてくれるのは宏哉ですよ。キャーカッコイイーアコガレルー。

「「「武士(原村君)。」」」

「ちょっと待てよ。俺がモテるからって嫉妬か。」

「「誰がモテるって?」」

「俺にきまってるじゃん。なんたって三位の美少年だか…」

「俺が一位。」

「俺は二位ですけど。」

「「ふん、雑魚が。」」俺と山村がいてよく言えたな、こいつ。そのネタ他のところだったら使えただろうがここじゃ無駄だと言う前に気付け。

「ひどい…。」落ち込んでいる武士の背中の上に足を乗せる山村。さすがドS王子だ。

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