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出会いの章2

少女マリー・ロッドは、息を潜めていた。

その顔にありありと恐怖の感情を浮かばせて


「はぁ、はぁ、大丈夫見つからない。ここにいれば大丈夫。」


マリーはその事を確信していたわけでは無い

むしろそれは儚い願望にしか過ぎない物なのだ

なぜなら、温室育ちのお嬢様ともいえる彼女が、撒ける様な素人が彼女の追跡者ではないのだから。


「おい、いたか?」

「いや、まだ見つかって無い。だが時間の問題だ。このあたりに隠れているのは、確かだ。それに、精神的にもそろそろ限界だろう」


マリーは、その声を聞きますます怯える。

自分を追ってきたのが、自分の国の聖騎士の一師団だと知っているからだ。

捕まったが最後自分がどうなるかなど考えるまでもない。


「それでも早く見つけないと、俺たちが、<ゴエル>様に殺されちまう」

「た、確かにそうだな。あの人は無能が自分の部下にいることを嫌うからな。こんな任務にこれ以上時間をかけてたら俺たちが殺されるな」


二人の騎士は、おびえながらも散策を開始する

そんな話を聞きますます息を潜めるマリーだが


「おい!あれって・・」

「ああ間違いないターゲットだ!」


やはり相手もプロである。

素人のマリーが隠れ続れるわけもなく見つかってしまう。


「ひっ」 

「大人しく、俺達と来てもらおうか?」

「い、いや」

「それにしてもよ、めちゃくちゃ上物じゃねぇこの子?」


騎士の一人がマリーを捕まえようと手を伸ばそうとしたところでもう一人がそんな事を言い出した。

その眼には、ありありと黒い感情が写し出されている

その顔を見て、マリーは恐怖の余りに声すら出せない


「おい!急に何を言い出すんだ。早くこの子をゴエル様の所に連れて行かないと」

「で、でもよう。少し位遅れてもいいんじゃないか?それに、ゴエル様に黙っていたら流石に気づかれねぇよ。それに、こんな上玉早々お目にかかれねぇよ」

「・・・・それもそうだな」

「だろ?それに味見ぐらいなら、ばれやしないって」


二人のの話を聞き自分が何をされるか理解してしまったマリーは、恐怖のあまりに逃げる事も出来ずにただ涙を流してしまった。


「さて、じゃあ俺からいくぜ。お前はそのあとな」

「ああ、わかってるよ」

「い、いや」

「そんな顔されてもやめないぜ。むしろやりたくなってくる」


そんな醜悪な顔をしながらマリーに迫る騎士たち。

しかし、彼らの願望は果たされる事がなかった

なぜなら二人の騎士は、マリーに手を伸ばした状態で静止したのだ。

その頭を宙に舞わせて














「全く、誰がターゲットに手を出して良いと言った?言われた事を守らない無能は吾輩の部下には必要ないわ」


そのセリフが言い終わると、ほぼ同時に意思をなくした首なし人形は鮮血をまき散らしながら地に伏した


「ひっ」

「おお!これはこれは、マリー・ロッド様。お見苦しいところをお見せして、申し訳ございません。早速で、申し訳ないのですが貴女様には王国への帰還命令が出されております。吾輩目とどうか<シルン王国>にお戻りください」


口では丁寧に言っているが、そのちょびひげがある顔にはありありと見下した感情が見て取れる

決定権などははなから自分には存在していないのだ。

それを理解しながらもマリーは持てる勇気をもって


「お、お断りします」


否定の言葉を口にする

しかしゴエルと思わしき人物は慌てるここなく


「それは、困りましたなぁ。吾輩は王国の聖騎士ゴエルであり、王より一師団を預かる身としましては、無理矢理にも一緒に来てもらうしかないようですなぁ。

少女を力ずくで、連れ帰るのは良心が痛みますなぁ」


よく言うとマリーは思った。口ではそう言っているが、その表情には、悲しみは感じてない。おそらく自分の意思などはなから関係ないのだろ。

身分の関係上そうしただけだとマリーは感じた。


「そ、それでもお断りします」

「いえ、貴女様は吾輩と来てもらいます」


そう言って、手を伸ばすゴエル、そして一歩下がるマリー

こんな事なんの抵抗にもならないが、それでもマリーは捕まりたくなかった

しかし、その想いが天に通じたのかマリーは


「きゃっ」

「む」


スッポと言う効果音が付きそうな位見事に葉で、隠れていた穴に落ちってしまった。










「きゃぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~」


と絶叫しながらも落ちていくマリーそして

ドンと言う効果音をつけて、終点へと到着した。


「痛いけど助かりました。今のうちに・・・・・」


そこから先は、言葉に出なかった。

それは、目の前にゴエルが先回りしていたとか、騎士の団体がいたとかではない。

ただ、美しいフワンの森の中でもここはさらに美しいのだ。

その美しさの余りに言葉が出ないのだ。

そして、何よりも目を引いたのが、そんな美しい景色とは場違いな様に、最も大きな木の幹に体の下半身と腕が一体になってた様に縛れながら眠っている自分と同じ位の少年がいたのだ。





     ~運命の出会いまであと少し~

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