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服を着替え、玄関を出ると、少し肌寒い風が僕を通り抜けた。4月とはいえ、夜になるとまだ少し冷える。猫を外に出すと、鼻をひくつかせながら周りの匂いを嗅いでいた。


「なにか臭うのかい?」

「この辺りは心地よい匂いがするな。良いところだ。」


僕も深呼吸をし、外の風を吸ってみる。少し冷たい風が体を廻り、仕事で疲れた脳をリフレッシュさせてくれた。


「うーん。匂いはわからないけど、確かにこの辺りの空気はいいと思うよ。郊外からは少し外れてるしね。」


僕は何度か深呼吸をし、202号室の扉の前に行き、インターホンを押した。

ピンポーンと二回音がなり、すこし間を置いてインターホンから声が聞こえた。


「は、はい……」

「あ、夜分遅くにすみません。隣の201に住んでいるものです。少しお聞きしたいことがありまして……」

「あ、遠見さんですか。ちょっと待っててくださいね。」


そういうとガチャと音がして、部屋の中からパタパタと足音が近づいてきた。

鍵を開ける音がし、扉が開くと中から黒い髪を後ろで結び、黒縁のメガネをかけたおとなしそうな女の子が出てきた。


「お待たせしました。どうしましたか?」

「あの、今日僕の部屋の前に猫が居たと思うんですけど、大家さんが部屋に入れてくれたんですか?」

「あの猫ちゃんのことですか。はい、あの猫ちゃんが遠見さんの部屋の扉をじっと見ていて、なんだか入れてあげないと可哀想だなと思って……。もしかして、遠見さんの猫ちゃんじゃありませんでしたか……?」

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